GLPと楽天の関係とは?楽天フルフィルメントセンター・物流倉庫・JP楽天ロジスティクスの仕組みを解説

楽天市場

大型物流施設の建物に「GLP」と表示されている一方、求人情報や荷物の情報では「楽天」「楽天フルフィルメントセンター」と書かれていることがあります。このため、GLPは楽天の子会社なのか、楽天の物流会社なのかと疑問に感じることがあります。

結論から整理すると、GLPと楽天は同じ会社ではありません。両者の代表的な関係は、GLPが開発・保有・運営する物流施設を、楽天側が物流拠点として利用する「施設提供者とテナント・利用企業」の関係です。実際に楽天は「GLP流山Ⅱ」「GLP枚方Ⅲ」「GLP八尾Ⅰ」「GLP ALFALINK相模原1」など複数のGLP施設を楽天フルフィルメントセンターとして利用してきました。

一方、現在の楽天市場向け物流サービスでは「JP楽天ロジスティクス」という会社も登場します。GLP、楽天グループ、JP楽天ロジスティクスの役割を分けると、両社の関係が理解しやすくなります。

GLPは楽天の会社ではなく物流不動産を手掛ける企業

GLPは物流施設を中心とした不動産・インフラ関連事業を展開している企業です。日本では日本GLPが、大規模な物流施設や「ALFALINK」ブランドの物流施設などを展開しています。[参照] 日本GLP公式サイト

物流施設というと、そこで働いている会社が建物そのものを所有しているイメージを持つかもしれません。しかし大型物流センターでは、不動産会社・物流施設事業者が建物を開発し、そのスペースをEC企業や物流会社などが借りて利用する形が一般的です。

例えばオフィスビルを不動産会社が所有し、その中へ複数企業が入居するのと似ています。GLPは「楽天という通販サービスを運営している会社」ではなく、楽天を含むさまざまな企業が利用できる物流施設を提供する側と考えると分かりやすいでしょう。

楽天はGLPの物流施設をフルフィルメントセンターとして利用してきた

GLPと楽天の具体的な接点として分かりやすいのが、楽天の物流拠点です。GLPは2018年、楽天とのリース契約について発表し、GLP流山ⅡとGLP枚方Ⅲが楽天の東京・大阪におけるフルフィルメント拠点になることを公表しています。[参照] GLPによる楽天との物流施設契約の発表

楽天側も2019年1月、「Rakuten Fulfillment Center Nagareyama」と「Rakuten Fulfillment Center Hirakata」の稼働開始を発表しています。このうち流山の物件名が「GLP流山Ⅱ」、枚方が「GLP枚方Ⅲ」と明記されています。[参照] 楽天グループ「物流センター2拠点(流山・枚方)を稼働開始」

つまり「GLP○○」という建物の中に「Rakuten Fulfillment Center」が置かれているケースがあるわけです。このため、現地の建物名と勤務先・物流拠点名にGLPと楽天という二つの名前が出てきます。

GLPと楽天の関係を「大家と入居企業」に例えると分かりやすい

厳密な契約内容は施設によって異なりますが、基本的な構図を理解するだけなら「物流施設を提供する側と、それを利用する側」と考えると分かりやすくなります。

名称 主な役割
GLP・日本GLP 大型物流不動産の開発・運営などを行う
楽天グループ 楽天市場をはじめとするEC・インターネットサービスなどを展開
JP楽天ロジスティクス 楽天市場向け物流サービスなどの物流拠点を管理・運営
楽天フルフィルメントセンター 商品の入荷・保管・出荷などを行う物流拠点

例えば「GLP枚方Ⅲ」は物流不動産としての物件名です。その施設を利用している楽天側の拠点は「Rakuten Fulfillment Center Hirakata(楽天フルフィルメントセンター枚方)」と呼ばれています。

マンションに例えるなら、建物の名称とそこに入居している人・企業の名称が違うのと似ています。そのため「GLPと書いてある倉庫なのに楽天の商品を扱っている」という状態は不自然ではありません。

楽天とGLPの関係は2018年より前から確認できる

楽天とGLP系物流施設の関係は比較的長く、楽天は2012年の時点で、千葉県市川市に新しい楽天フルフィルメントセンターを設ける計画を発表していました。

楽天の当時の発表では、新しい物流拠点を物流施設プロバイダーのGLプロパティーズと三井不動産が共同開発する大型物流施設内に設置すると説明されています。[参照] 楽天グループ「新たな物流拠点を千葉県市川市に開設」

その後も楽天のEC事業拡大に伴って物流ネットワークが拡張され、GLPの大型施設が複数の楽天物流拠点で利用されてきました。したがって、一時的に同じ倉庫を使っただけというより、物流施設を通じて継続的な取引関係が確認できる企業同士といえます。

現在は「JP楽天ロジスティクス」も理解しておきたい

楽天の物流について調べると、「楽天ロジスティクス」だけでなく「JP楽天ロジスティクス」という名称が出てきます。これは楽天グループと日本郵便による物流分野の提携から設立された会社です。

楽天の公式発表によると、JP楽天ロジスティクスは2021年7月に楽天の物流事業を承継し、一部を除く物流センターの管理・運営を引き継いでいます。現在、楽天市場出店店舗向けの「楽天スーパーロジスティクス」でも同社が重要な役割を担っています。[参照] 楽天グループ「楽天スーパーロジスティクスの物流センターを大阪府八尾市で稼働開始」

したがって、現在の物流拠点について「GLPの施設なのに運営会社としてJP楽天ロジスティクスと書いてある」という場合も矛盾ではありません。建物を提供する企業と、その中で物流業務を運営する企業が異なるためです。

現在もGLPの施設を利用する楽天物流拠点がある

楽天スーパーロジスティクスの公式な拠点一覧を見ると、現在もGLPの名称が付いた施設が確認できます。例えば大阪府枚方市の「RFC枚方」は住所に「GLP枚方Ⅲ」、大阪府八尾市の「RFC八尾」は「GLP八尾Ⅰ」と記載されています。[参照] 楽天スーパーロジスティクス「拠点案内」

さらに神奈川県相模原市の「RFC相模原」は「GLP ALFALINK相模原1」に置かれています。つまりGLPと楽天の物流上の接点は、過去だけの話ではありません。

ただし、楽天のすべての物流センターがGLP所有・運営の施設という意味ではありません。楽天の拠点一覧にはGLP以外の名称の物流施設も掲載されています。「楽天の物流倉庫=全部GLP」という理解は誤りなので注意しましょう。

GLP八尾Ⅰにも楽天フルフィルメントセンターが入っている

具体例として分かりやすいのが大阪府八尾市です。2023年、JP楽天ロジスティクスは「Rakuten Fulfillment Center Yao(楽天フルフィルメントセンター八尾)」を稼働開始しました。

楽天グループの公式発表では、その物件名は「GLP八尾Ⅰ」、賃借面積は約16,400坪(約5.4万平方メートル)とされています。[参照] 楽天グループ「Rakuten Fulfillment Center Yao」

この例では、「GLP八尾Ⅰ」が施設側の名称、「楽天フルフィルメントセンター八尾」が楽天側の物流拠点としての名称です。同じ場所について二つの名称を見かける理由がよく分かります。

楽天フルフィルメントセンターでは何をしている?

楽天スーパーロジスティクスは、楽天市場の出店店舗向けに商品の入荷から配送までを一括して受託する総合物流サービスです。楽天市場に出店している店舗が商品を物流センターへ預け、注文後の出荷作業などを物流側へ任せられる仕組みです。

例えばネットショップが自社の小さな事務所ですべての商品を保管し、注文が入るたびに箱詰めして発送する代わりに、商品を楽天側の物流拠点へ納品しておきます。注文に応じて物流センターで必要な作業を行うことで、店舗側の物流負担を軽減できます。

GLPのような大規模物流施設は、こうした大量の商品を保管・出荷するための物理的な拠点として利用されます。EC企業にとって物流不動産は、注文された商品を消費者へ届けるための重要なインフラです。

楽天の荷物に「GLP」という名称が出ても販売元がGLPとは限らない

配送状況、求人、勤務場所、倉庫情報などを調べている途中で「GLP」という名称を見かけても、GLPが楽天市場の商品を販売しているという意味ではありません。

例えば商品が楽天市場の店舗から販売され、その商品が楽天の物流サービスを利用し、保管場所となっている建物がGLPの物流施設という組み合わせが考えられます。販売者、物流サービス運営者、物流不動産事業者、最終的に荷物を運ぶ配送会社はそれぞれ別企業になり得ます。

そのため、荷物について問い合わせたい場合は「GLPという建物名を見たからGLPへ問い合わせる」と判断するのではなく、購入履歴に表示される販売店舗や楽天側の案内、配送会社などを確認することが重要です。

まとめ|GLPは楽天の子会社ではなく物流施設を通じた取引関係

GLPと楽天は同一企業ではなく、GLPが提供する大型物流施設を楽天側がフルフィルメントセンターとして利用してきたという関係が代表的です。GLPは物流不動産を開発・運営する側、楽天側はEC物流の拠点として施設を利用する側と整理すると理解しやすくなります。

実際に「GLP流山Ⅱ」「GLP枚方Ⅲ」「GLP八尾Ⅰ」「GLP ALFALINK相模原1」など、GLPの施設と楽天の物流拠点との関係が公式情報から確認できます。一方で、楽天の物流拠点すべてがGLP施設というわけではありません。

また現在の楽天市場向け物流では、楽天グループと日本郵便の合弁会社であるJP楽天ロジスティクスが物流センターの管理・運営を担っています。そのため、「GLP=物流施設を提供する企業」「JP楽天ロジスティクス=楽天の物流サービス・拠点を運営する企業」「楽天=楽天市場などのECサービスを展開する企業」という3つの役割を分けると、GLPと楽天の関係を把握しやすくなります。

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