Yahoo!フリマでゲーム入りメモリースティックを販売するのは違法?著作権と出品ルールを解説

オークション、フリマサービス

Yahoo!フリマなどで「複数のゲームが入ったメモリースティック」「ゲームをインストール済みのSDカード・メモリーカード」といった商品を見かけることがあります。記録媒体そのものは一般的な商品ですが、中に第三者のゲームソフトがコピーされている場合は、単なる中古メモリーカードの売買とは話が変わります。

ポイントは、そのゲームデータを誰が作り、販売者が複製・配布する権利を持っているのかです。市販ゲームなどの著作物を権利者の許諾なく複製して記録媒体へ入れ、それを販売する行為は、著作権侵害に当たる可能性があります。また、Yahoo!フリマのガイドラインでも、無断複製したゲームソフトや海賊版、それらを記録した電子機器などは出品禁止物として明示されています。

ただし、「ゲームが入っているメモリースティックなら必ず違法」と一律には判断できません。自作ゲーム、適切なライセンスで再配布できるソフト、権利者から許諾を受けたコンテンツなども考えられるからです。具体的な出品については、収録物と権利関係を確認して判断する必要があります。

Yahoo!フリマに実際に掲載されている出品内容を確認

質問で示されているYahoo!フリマの商品ページは、2026年8月30日時点で閲覧でき、商品名には「ポケットモンスター アルタイル ベガ シリウス デネブ 萌えっ娘もんすたぁ ポケモン」と記載されています。[参照] Yahoo!フリマの商品ページ

商品説明には、ポケットモンスター アルタイル、ベガ、シリウスなどが入ったPSP専用メモリースティックである旨や、「普通のPSPでプレイ出来ます」「ソフト多数入っております」といった説明があります。また、出品者自身が新たにインストールしたとは記載されておらず、「フリマサイトで購入し遊んでいたもの」と説明されています。

したがって、この特定の商品について「現在の出品者がゲームを自ら無断コピーした」とまでは確認できません。一方、中古で入手したものをそのまま再販売しているとしても、中に収録されたゲームデータの複製・頒布が適法になるとは限りません。「自分がコピーしたのではなく、以前から入っていた」という事情と、収録データを含む記録媒体を販売してよいかは別の問題として考える必要があります。

ゲームには著作権があるため「メモリースティック代」と考えるだけでは不十分

ゲームにはプログラム、画像、音楽など著作権によって保護され得る要素が含まれています。正規のゲームソフトを購入したからといって、そのゲームデータを自由に複製して第三者へ販売できる権利まで購入したことには通常なりません。

例えば、自分が購入したゲームからデータをコピーし、空のメモリーカードへ保存して「カード代として販売する」という形式にしても、著作権上は記録媒体の名称や値段だけではなく、実際に何が複製・提供されているかが問題になります。

文化庁も著作権に関する解説で、個人による一定の私的使用目的の複製と、業務など私的使用の範囲ではない複製を区別しています。[参照] 文化庁「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」 私的なバックアップ等について認められる場面があったとしても、それを第三者への販売にそのまま適用できるわけではありません。

「自分で使うためのコピー」と「コピーを入れて売る」は違う

著作権を考える際に混同しやすいのが、個人的な利用と第三者への提供です。著作権法には私的使用のための複製に関する規定がありますが、販売を目的として他人へ渡すコピーを作る行為まで、単純に「自分用と同じだから大丈夫」と考えることはできません。

例えば、自分が所有する正規ソフトを自分だけで利用するケースと、そのデータをコピーしたメモリーカードを何枚も作ってフリマサイトで販売するケースでは、行為の性質が大きく異なります。

また、元のゲームソフトを所有していること自体も、複製物を第三者へ自由に販売できる根拠にはなりません。「正規ソフトを買ったからコピーも販売できる」という理解は避ける必要があります。

中古の正規ゲームソフトを売る場合とは何が違う?

ここで区別したいのが、手元にある正規の中古ゲームソフトそのものを売却するケースです。例えば市販された正規のゲームカードやディスクを中古品として手放すことと、自分でゲームデータを複製したメモリースティックを販売することは同じではありません。

前者はすでに流通している物理的な正規品そのものの中古売買です。後者では、販売する記録媒体を作る過程でゲームデータの「複製」が発生している可能性があります。

「ゲームを中古で売ることができるのだから、ゲームをコピーしたSDカードも売れる」という理屈にはなりません。中古正規品と無断複製物は明確に分けて考える必要があります。

Yahoo!フリマは無断複製したゲームソフトを出品禁止にしている

法律上の問題とは別に、Yahoo!フリマ独自の利用ルールも重要です。現在のYahoo!フリマガイドライン細則では、著作権・商標権などの知的財産権を侵害し、または侵害するおそれのある商品が出品禁止物になっています。[参照] Yahoo!フリマ「ガイドライン細則」

特にガイドラインでは、無断複製した音楽CD、映画、ゲームソフト、コンピューターソフト、書籍、海賊版、テレビを録画したものに加えて、「それらを記録した電子機器など」も具体例として挙げられています。

そのため、権利者の許諾なく複製したゲームが収録されたメモリーカードや機器であれば、少なくともYahoo!フリマの現在のルール上、出品禁止物に該当する可能性が非常に高いと考えられます。Yahoo!フリマは、違反が認められた場合には商品削除や利用制限を行うことがあると案内しています。[参照] Yahoo!フリマ「禁止行為や出品禁止物」

商品ページが残っている=合法・運営公認とは限らない

フリマサイトで商品ページが普通に表示されていると、「運営が掲載を許可しているのだから問題ないのでは」と考えたくなります。しかし、出品ページが存在すること自体は、その商品の合法性やガイドライン適合性を運営会社が保証していることを意味しません。

Yahoo!フリマも、出品禁止物や禁止行為が確認された場合には商品の削除や利用制限を行う場合があると説明しています。また、過去の公式告知では、ガイドライン違反の商品が購入された後、取引中に削除される場合もあると注意喚起しています。[参照] Yahoo!フリマ「出品禁止物、禁止行為ご確認のお願い」

つまり「検索で見つかる」「何日も掲載されている」「以前にも売れた形跡がある」といった事情だけでは、適法・規約適合だと判断できません。

改造ゲーム・二次創作ゲームなら自由に販売できるわけでもない

今回のような商品では、市販タイトルそのものだけでなく、既存ゲームを基にした改造ゲームや二次創作的なゲームが含まれることがあります。この場合も、「公式ソフトではないから著作権がない」という意味にはなりません。

既存作品のキャラクター、グラフィック、音楽、プログラムなどが利用されている場合、それぞれに権利関係が存在する可能性があります。また、二次創作について権利者が一定のガイドラインを設けている場合でも、「ファン活動として公開すること」と「データを収録した商品を有償販売すること」では条件が異なることがあります。

したがって、改造ゲームやファンゲームについては、制作した人だけでなく、元作品の権利者が定めるガイドラインや許諾条件まで確認する必要があります。作品名だけを見て合法・違法を一律に決めることはできません。

コピーガードなどを回避する仕組みがある場合は別の法律も関係し得る

ゲーム関連では著作権だけでなく、ゲームの利用を制御する技術を無効化する装置・プログラムなどが問題になる場合もあります。経済産業省は、不正競争防止法における「技術的制限手段」に関する規制を解説しています。[参照] 経済産業省「不正競争防止法の概要」

経済産業省の資料では、正規ゲーム機で海賊版ゲームを動作可能にする改造装置の販売などが、不正競争となる例として示されています。[参照] 経済産業省「不正競争防止法テキスト」

ただし、単にメモリースティックにゲームが入っているという情報だけで、その商品が技術的制限手段に関する規定にも該当すると断定することはできません。どのようなデータやプログラムが収録され、どのように動作するのかによって判断が変わります。

怪しいゲーム入りメモリーカードを見つけたときの考え方

購入者側から見れば、権利関係が確認できない「ゲーム大量収録済み」のメモリーカードには慎重になるべきです。販売ページが存在していても、後から出品削除などの対応が行われる可能性があります。

特に「市販ゲーム○十本入り」「買えばすぐ遊べる」「正規ソフト不要」といった説明があり、通常なら個別購入が必要な著作物が大量に収録されている商品は、権利者から複製・販売の許可を得ているのか確認することが重要です。

Yahoo!フリマのガイドラインに違反していると思われる出品については、購入して自分で確かめる必要はありません。Yahoo!フリマが用意している違反商品の申告・報告手段を利用するという選択肢があります。

「違法」と「Yahoo!フリマで出品禁止」は分けて考える

この種の問題では、「法律違反か」と「サービスの規約違反か」を分けて考えると分かりやすくなります。

ケース 考え方
正規の中古ゲームソフトそのものを販売 通常の中古品売買として扱われるケース
自作ゲームを自分の権利の範囲で販売 ライセンスや使用素材などの条件を確認
再配布が認められたゲームを条件どおり提供 各ライセンス条件を確認
市販ゲームを無断コピーしてメモリーカードで販売 著作権侵害となる可能性が高く、Yahoo!フリマでも出品禁止に該当し得る
海賊版ゲームを記録した電子機器・記録媒体 Yahoo!フリマのガイドライン上、出品禁止物として明示されている
技術的制限を回避する装置・プログラム等 内容によって不正競争防止法なども問題になり得る

つまり、「メモリースティックを販売すること」自体が問題なのではありません。その中に何を、どのような権利に基づいて収録し、販売しているのかが重要です。

まとめ|無断コピーしたゲーム入りメモリースティックの販売は問題になる可能性が高い

メモリースティックやSDカードそのものを中古で販売することと、第三者のゲームソフトを無断でコピーして収録した状態で販売することは別です。後者であれば著作権侵害となる可能性が高く、収録内容によってはほかの法的問題が生じることもあります。

Yahoo!フリマも現在のガイドラインで、無断複製したゲームソフトや海賊版、さらにそれらを記録した電子機器などを出品禁止物として明示しています。そのため、「ゲーム入りの記録媒体が実際に出品されているから問題ない」と判断することはできません。

一方、質問で示された個別の商品については、商品説明から「ゲームが収録されたPSP用メモリースティック」であることは確認できますが、現在の出品者自身がデータを複製したのか、各収録物についてどのような権利・許諾関係が存在するのかまではページだけでは確認できません。そのため、特定の出品者について犯罪や違法行為を断定するのは避けるべきです。

判断するときは「ゲーム入りだから即違法」と考えるのではなく、収録されたゲームが第三者の著作物なのか、複製・再配布について権利者の許諾があるのか、そしてYahoo!フリマの出品ルールに適合しているのかを確認することが重要です。権利関係が確認できない商品は購入を避け、規約違反が疑われる場合はプラットフォームへ報告するのが安全な対応です。

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