Internet Explorerの「アクセラレータ」で選択した文字を翻訳するサービスは?Translate with Bingの仕組みを解説

ブラウザ

Internet Explorerには、Webページ上で選択した文字列を検索・翻訳・地図表示などのWebサービスへ直接渡せる「アクセラレータ(Accelerators)」という機能がありました。特にInternet Explorer 8以降では、外国語の文章を選択して、その場で翻訳サービスを呼び出せることが特徴の一つでした。

この翻訳機能としてMicrosoftが提供していた代表的なサービスが、Microsoft Translatorを利用した「Translate with Bing(Bingで翻訳)」です。IE8の初期には「Translate with Windows Live」という名称も使われており、その後Bingブランドへの移行に伴って「Translate with Bing」と呼ばれるようになりました。

つまり、Internet Explorerのアクセラレータで選択したテキストを直接翻訳するMicrosoftのサービスを尋ねている場合、基本的な答えは「Translate with Bing(Bing Translator/Microsoft Translator)」です。

Internet Explorerの「アクセラレータ」とは?

アクセラレータはInternet Explorer 8で本格的に導入された機能で、Webページ上の情報をコピーして別サイトへ貼り付ける手間を減らすことを目的としていました。

Microsoftの技術資料では、Internet Explorerで選択したテキストを右クリックすると、利用可能なアクセラレータが表示される仕組みとして説明されています。例えば住所を選択して地図サービスを開いたり、単語や文章を選択して翻訳サービスへ送ったりできます。Microsoft Learn「Accelerators」[参照]

現在のブラウザーでいう「選択した文字列を右クリックして検索」といった機能を、検索だけでなく翻訳、地図、メール、ブログなど複数のオンラインサービスへ拡張した仕組みと考えると分かりやすいでしょう。

選択したテキストを翻訳するのは「Translate with Bing」

Internet ExplorerでMicrosoftの翻訳サービスを利用する代表的なアクセラレータは「Translate with Bing」です。Microsoftの現在のWindows関連資料にも、Internet Explorerで単語を選択して右クリックし、「Translate with Bing」アクセラレータを利用すると翻訳を取得できる例が記載されています。Microsoft Learnの説明[参照]

Microsoftのサポート資料にも、Internet Explorer 8で文章を右クリックし、「Translate with Bing」または旧名称の「Translate with Live Search」を選択してBing Translatorで翻訳する手順が残されています。Microsoft SupportのBing Translator解説[参照]

したがって、古いInternet Explorerについて「選択した文章をアクセラレータから翻訳していたサービス名が思い出せない」という場合には、「Translate with Bing」を探している可能性が高いと考えられます。

IE8の初期には「Translate with Windows Live」という名前だった

古い資料を調べると「Translate with Bing」ではなく「Translate with Windows Live」という名称が出てくることがあります。これは別物と考えるより、Microsoftの検索・オンラインサービスのブランド変更を踏まえて理解すると分かりやすくなります。

Microsoft Translator公式ブログが2008年9月に公開したInternet Explorer 8 Beta 2の記事では、「Translate with Windows Live」アクセラレータが紹介されています。Webページ上で文章を選択し、青いアクセラレータアイコンから翻訳を選択すると、その場で翻訳結果をプレビューできる仕組みでした。Microsoft Translator Blog「IE8 Beta 2 – Translation Accelerator」[参照]

その後、Microsoftの検索サービスがBingブランドへ移行したことで、「Translate with Bing」という名称が一般的になります。そのため、利用していたIEの時期によって記憶している名称が違っていても不思議ではありません。

実際にはMicrosoft Translatorの翻訳技術が使われていた

「Bing Translator」「Microsoft Translator」「Translate with Bing」と似た名前が複数登場するため、少し分かりにくいところです。

大まかには、Microsoft TranslatorがMicrosoftの機械翻訳技術・サービスの名称で、Bing上で提供された翻訳サービスがBing Translator、Internet Explorerからそれを呼び出す機能が「Translate with Bing」アクセラレータと整理すると理解しやすくなります。

Microsoft Translator公式ブログでも、2014年時点でInternet Explorer上の文章を選択し、右クリックして「Translate with Bing」を選択する方法が案内されていました。Microsoft Translator Blog[参照]

アクセラレータでは文章をコピー&ペーストせず翻訳できた

この機能が当時便利だった理由は、翻訳サイトを別途開いて文章をコピー&ペーストする必要がなかったことです。

例えば英語のニュースサイトで「This product is currently unavailable.」という文章を見つけた場合、その部分をマウスで選択し、アクセラレータから翻訳サービスを呼び出すという使い方ができました。

IE8の「Translate with Windows Live」では、メニュー項目へマウスポインターを合わせることで翻訳結果をプレビューする仕組みも紹介されていました。クリックするとTranslator側のページへ移動して、より詳しく翻訳を確認することもできました。

単語だけではなく文章やWebページも翻訳できた

翻訳アクセラレータは、単語一つだけを辞書のように調べる機能に限定されていたわけではありません。選択した文章を翻訳する用途にも利用できました。

Microsoft Translatorが公開していたIE8の説明では、テキストを選択して翻訳するだけでなく、テキストを選択せずページ上で右クリックして翻訳サービスを利用し、Webページを翻訳する方法も紹介されていました。

また、リンクを対象として翻訳を呼び出し、リンク先ページを翻訳表示する使い方も案内されていました。このようにアクセラレータは「選択した文字を翻訳するだけ」の単純な機能ではなく、Webサービスと閲覧中ページを連携させる仕組みでした。

「アクセラレータ」は翻訳専用機能ではない

注意したいのは、Internet Explorerの「アクセラレータ」そのものがMicrosoft Translatorの別名ではないことです。アクセラレータは複数のWebサービスをInternet Explorerから呼び出すための仕組みです。

Microsoft LearnのIE8技術資料では、アクセラレータのカテゴリーとして、翻訳のほかに地図、ブログ、定義などが説明されています。サービス提供者側がアクセラレータを作成することも可能でした。Microsoft Learn「Internet Explorer 8」技術資料[参照]

したがって「アクセラレータ=Bing Translator」ではなく、「アクセラレータという仕組みの中に、Translate with Bingという翻訳サービスがあった」という関係になります。

Translate with Bing以外のアクセラレータも存在した

Internet Explorer 8のアクセラレータには、Bing関連だけでも検索、地図、ショッピング、翻訳など複数のサービスが用意されていました。MicrosoftのBing公式ブログでも、IE8向けにTranslate、Map、Shop and Saveなどのアクセラレータが紹介されています。Bing公式ブログ[参照]

そのため、古いPCで「文字を選択すると青いアイコンが現れ、そこから何かできた」という記憶だけでは、それが翻訳とは限りません。住所なら地図、一般的な語句なら検索など、選択した内容に応じて異なるサービスを利用できました。

その中で「選択した外国語を日本語などへ訳す」という目的に対応していたMicrosoft系の機能がTranslate with Bingです。

現在Internet Explorerを翻訳目的で使うのはおすすめできない

アクセラレータはInternet Explorer時代を代表する便利機能の一つでしたが、現在、新たにInternet Explorerを導入して翻訳用ブラウザーとして使うことはおすすめできません。

Internet ExplorerはすでにMicrosoftの現行Webブラウザーではなく、Microsoft Edgeへ移行しています。現在のWebサイトもInternet Explorerを前提としていないものが多く、セキュリティやWeb標準への対応という面からも日常的なWeb閲覧には現行ブラウザーを利用するべきです。

過去のInternet Explorerの機能について調べている場合には、「当時どのサービスだったのか」という歴史的情報と、「現在そのまま利用できるのか」という情報を分けて考えることが重要です。

現在のMicrosoft EdgeにもWebページ翻訳機能がある

Internet Explorerのアクセラレータとまったく同じ仕組みではありませんが、後継ブラウザーのMicrosoft Edgeには現在も翻訳機能があります。

そのため、現在のWindowsで外国語のWebサイトを日本語へ翻訳したいだけなら、Internet ExplorerのTranslate with Bingアクセラレータを復活させる必要はありません。Microsoft Edgeなど現行ブラウザーの翻訳機能を利用する方が現実的です。

一方、古いWindowsやInternet Explorerについての資料、試験問題、PC用語集などで「アクセラレータを使用して選択したテキストを翻訳するサービスは何か」と問われているのであれば、当時の名称を答える必要があります。

名称を時系列で整理

Microsoftの翻訳機能はブランド名が変化しているため、次のように整理して覚えておくと混乱しにくくなります。

名称 位置付け
Internet Explorer アクセラレータ 選択した情報をWebサービスへ渡すIEの機能
Translate with Windows Live IE8初期に紹介された翻訳アクセラレータの名称
Translate with Bing Bingブランド移行後に使われた代表的な翻訳アクセラレータ名
Bing Translator Bingで提供されていたMicrosoftの翻訳サービス
Microsoft Translator Microsoftの翻訳技術・サービスのブランド

資料が作成された年代によって「Windows Live」「Live Search」「Bing」など異なる名称が登場する可能性があります。問題文が単にInternet Explorerのアクセラレータで選択したテキストを翻訳するサービスについて尋ねている場合は、一般に「Translate with Bing」が最も分かりやすい回答になります。

まとめ|IEの選択テキスト翻訳は「Translate with Bing」

Internet Explorerの「アクセラレータ」機能で、Webページ上で選択したテキストを直接翻訳するMicrosoftの代表的なサービスは、「Translate with Bing(Bingで翻訳)」です。翻訳自体はMicrosoft Translatorの技術・サービスと結び付いていました。

Internet Explorer 8の初期には「Translate with Windows Live」という名称で紹介され、その後Microsoftの検索サービスがBingへ移行したことで「Translate with Bing」という名称が使われるようになりました。そのため古い資料ではWindows Live、Live Search、Bingといった異なる名前が見つかることがあります。

また、「アクセラレータ」は翻訳サービスそのものの名称ではありません。選択した文章や住所などを検索・翻訳・地図といったWebサービスへ渡すInternet Explorerの仕組みであり、その翻訳カテゴリーで利用された代表的なMicrosoftサービスがTranslate with Bingだった、と理解すると正確です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました