自分で作ったオリジナル曲を、自分で歌い、自分のイラストでMVにしてYouTubeへ投稿するのは、とても相性のよい発信方法です。曲・歌声・絵のすべてに個性が出るため、作品そのものだけでなく「この人の世界観が好き」と思ってもらえる可能性があります。
ただし、YouTubeで伸びるために必要なのは「アルゴリズムの裏技」を探すことではありません。YouTube公式は、視聴者がその動画を選んで見るか、見続けるか、満足するかといった反応を重視していると説明しています。
初心者がまず意識したいのは、曲の良さを磨くこと、クリックしたくなるタイトルとサムネイルを作ること、冒頭ですぐ曲の魅力を伝えること、そして投稿後の数字を見ながら少しずつ改善することです。
この記事では、中学生や初めて音楽投稿をする人でも実践しやすいように、オリジナル曲のMVをYouTubeで多くの人に聴いてもらうための考え方を順番に解説します。
- まず知っておきたいのは「再生数を確実に伸ばす方法」はないこと
- 最初は「何万人に届けるか」より「好きな人に刺す」を意識する
- タイトルは曲名だけより「何の動画か」が伝わる形にする
- サムネイルは自作イラストを最大限活用する
- 冒頭10~30秒で曲の魅力を出す
- 曲の長さは無理に短くしなくてよい
- 音質はイラストより先に確認したい
- MVは全部を動かさなくても十分作れる
- 歌詞表示はかなり相性がよい
- Shortsでサビを切り抜いて本編へつなげる
- 投稿頻度より「次も聴きたい」と思ってもらうことが大切
- 説明欄には曲の情報をきちんと書く
- タグを大量に入れるよりタイトル・サムネ・内容を優先する
- 投稿したらYouTube Analyticsを見る
- 最初の数本は「研究期間」と考える
- 友達に無理に再生・拡散を頼む必要はない
- コメントの数字に振り回されない
- 中学生が投稿するときは個人情報を特に守る
- 著作権は「全部自作」なら強みになる
- 初投稿ならこの形でも十分
- まとめ:自作曲・歌・イラストという強みをそろえて、少しずつ改善しよう
まず知っておきたいのは「再生数を確実に伸ばす方法」はないこと
YouTubeには、「このタグを入れればバズる」「夜8時に投稿すれば必ず伸びる」といった確実な方法はありません。公式の説明でも、おすすめシステムは一人ひとりの視聴履歴や好み、動画に対する視聴者の反応をもとに、その人が楽しみそうな動画を探す仕組みとされています。
[参照] YouTubeヘルプ「YouTubeのおすすめシステム」
つまり、「YouTubeに好かれる動画」を考えるより、「どんな人にこの曲を好きになってもらいたいか」を考えるほうが重要です。
たとえば暗めのボカロ風ロックなら、その雰囲気が好きな人に刺さる歌詞、絵、タイトルをそろえるほうが効果的です。かわいい恋愛曲なら、サムネイルや色使いも曲の空気に合わせると作品の魅力が伝わりやすくなります。
最初は「何万人に届けるか」より「好きな人に刺す」を意識する
初投稿から大勢に広がることもありますが、多くの場合は少人数から始まります。最初の再生数が少なくても、それだけで曲の良し悪しが決まるわけではありません。
大切なのは、「誰にでも少しだけ好かれる曲」より、「この雰囲気すごく好き」と感じてくれる人がいる作品を作ることです。
具体例として、「中学生が初めて作った曲」ということだけを前面に出すより、「夜に一人で聴きたい切ないオリジナル曲」「片思いをテーマにした自作曲」のように、どんな気持ちの人に合う曲なのかが伝わる見せ方のほうが、新しい視聴者にも内容を想像してもらいやすくなります。
タイトルは曲名だけより「何の動画か」が伝わる形にする
YouTube公式は、タイトルとサムネイルが動画を見るかどうかを決める重要な要素だと説明しています。また、タイトルは内容を正確に表し、重要な言葉を前のほうへ置くことが推奨されています。
[参照] YouTubeヘルプ「サムネイルとタイトルのヒント」
知名度がまだない段階では、曲名だけだと動画の内容が伝わりにくい場合があります。
たとえば曲名が「透明」なら、「透明 / オリジナル曲 MV」や「透明|中学生が作ったオリジナル曲」のように、曲名のあとへ何の動画なのかを加える方法があります。
ただし、「絶対泣ける」「神曲確定」など、内容以上に大げさなタイトルは避けましょう。クリックされても期待と違えば早く離脱される可能性があり、長い目で見ると逆効果になり得ます。
サムネイルは自作イラストを最大限活用する
自分でイラストを描けることは大きな強みです。YouTube公式によると、好成績の動画の多くはカスタムサムネイルを使用しています。
[参照] YouTubeヘルプ「サムネイルとタイトルのヒント」
サムネイルでは、イラストを細かく描き込みすぎるより、スマートフォンの小さな画面でも何が描かれているか分かることが重要です。
たとえばMVの主人公を一人だけ大きく描き、背景をシンプルにして、曲名を数文字だけ載せると見やすくなります。逆に人物を5人入れ、歌詞を10行載せ、装飾を大量に付けると、小さな表示では何が重要なのか分かりにくくなります。
「きれいなイラスト」だけでなく、「小さく表示されても一瞬で印象に残るイラスト」を意識するのがポイントです。
冒頭10~30秒で曲の魅力を出す
YouTubeでは動画を開いたあと、視聴者がそのまま見続けるかどうかも重要です。公式の視聴者維持率の解説では、最初の30秒でどの程度の視聴者が残っているかを確認できるようになっています。
[参照] YouTubeヘルプ「視聴者維持率の重要な場面を測定する」
音楽MVなら、長い自己紹介や数十秒のロゴ演出を入れるより、なるべく早く曲へ入るほうが分かりやすいでしょう。
たとえば、最初の20秒が無音のタイトル表示で、そのあと曲が始まる構成より、数秒で印象的なイントロや歌声へ入る構成のほうが、初めて見る人に魅力を伝えやすくなります。
サビが作品の一番強い部分なら、MV全体の構成を工夫して「この先も聴きたい」と思わせる映像を序盤から入れる方法もあります。
曲の長さは無理に短くしなくてよい
「YouTubeでは2分以内じゃないと伸びない」「3分を超えると不利」といった決まりはありません。YouTube公式も、すべての動画に共通する最適な長さはないと説明しています。
[参照] YouTubeヘルプ「おすすめシステムについて知っておくとよいこと」
3分20秒で完成する曲なら、そのまま3分20秒で問題ありません。無理に1分へ縮めたり、反対に再生時間を伸ばすため5分へ引き延ばしたりする必要はありません。
大切なのは、曲として必要な長さで最後まで楽しめることです。
音質はイラストより先に確認したい
音楽動画では、映像が多少シンプルでも曲を楽しめますが、声が聞こえない、音が割れている、伴奏が大きすぎて歌詞が分からない状態だと最後まで聴いてもらいにくくなります。
高価なマイクや本格的なスタジオが必須という意味ではありません。まずは自分が普段使うイヤホン、スマートフォンのスピーカー、可能であれば別のヘッドホンでも聴いて確認してみましょう。
具体的には、「歌詞が聞き取れるか」「大きな音でバリバリ割れていないか」「歌だけ極端に小さくないか」「最初と最後で音量が急激に変わらないか」を確認します。
絵を何十時間かけて作り込む前に、まず曲そのものが気持ちよく聴ける状態にしておくことが重要です。
MVは全部を動かさなくても十分作れる
初めてMVを作る場合、アニメのように何百枚も絵を描こうとすると完成前に疲れてしまうことがあります。
イラスト1~5枚程度でも、拡大・縮小、横移動、歌詞表示、色の変化、画面切り替えなどを組み合わせればMVとして成立します。
たとえばAメロでは人物の全身、Bメロで顔のアップ、サビで別の表情のイラストに切り替えるだけでも十分印象を変えられます。
最初の1曲では、「すごい映像を作る」より「ちゃんと完成して投稿する」ことを優先したほうが、次の作品につながりやすくなります。
歌詞表示はかなり相性がよい
オリジナル曲は初めて聴く人にとって歌詞も未知なので、MV内に歌詞を表示すると内容が伝わりやすくなります。
特にスマートフォンではイヤホンを使わず再生する人もいるため、歌詞が見えることで作品を理解しやすくなる場合があります。
ただし、一画面に長文を出しすぎる必要はありません。歌っている部分に合わせて短いフレーズを表示すると見やすくなります。
Shortsでサビを切り抜いて本編へつなげる
完成したMVだけでなく、同じ曲からShortsを作る方法もあります。
たとえばサビの15~30秒程度を縦動画にして、印象的なイラストと歌詞を組み合わせ、「フルMVはチャンネルにあります」という形で作品を知ってもらうきっかけを増やせます。
Shorts専用の新曲を毎回作る必要はありません。一つの完成曲から、サビ、好きな歌詞、制作過程、イラストのメイキングなど複数の動画を作ることができます。
ただし、Shortsで無関係な内容だけを大量投稿して数字を増やすより、「この曲が好きになりそうな人」が集まる内容にそろえたほうが長期的には分かりやすいチャンネルになります。
投稿頻度より「次も聴きたい」と思ってもらうことが大切
「毎日投稿しないと伸びない」と心配する必要はありません。曲作り・録音・イラスト・動画編集を一人ですべて行うなら、1曲に時間がかかるのは当然です。
無理に毎週フルMVを作って疲れてしまうより、完成度を保ちながら続けられるペースのほうが適しています。
たとえばフルMVは1~2か月に1本、その間にShortsや制作途中の動画を投稿するといった形でも構いません。
YouTube公式も、投稿時刻そのものが動画の長期的なパフォーマンスを左右するという証拠は確認していないと説明しています。そのため、特定の曜日や時刻に神経質になりすぎる必要はありません。
説明欄には曲の情報をきちんと書く
動画説明欄には、曲名、作詞、作曲、歌、イラスト、動画制作などを書いておくと、誰が作った作品なのかが分かりやすくなります。
全部自分なら、「作詞・作曲・歌・イラスト・MV:○○」のようにまとめられます。
さらに歌詞を掲載したり、SNSを利用している場合は公式プロフィールを案内したりすると、気に入った人が次の作品を追いやすくなります。
ただし、中学生など未成年の場合は、本名、学校名、制服から分かる情報、自宅周辺、電話番号、個人メールアドレスなどを公開しないよう注意しましょう。
タグを大量に入れるよりタイトル・サムネ・内容を優先する
「タグを100個付けると伸びる」と思われることがありますが、YouTube公式はタグについて、検索上の発見に必須ではなく、主にスペルミスなどを補うために役立つと説明しています。
[参照] YouTubeヘルプ「おすすめシステム向けにコンテンツのパフォーマンスを理解する」
そのためタグ選びに何時間もかけるより、サムネイル、タイトル、曲の冒頭、音質などに時間を使うほうが優先度は高いでしょう。
「オリジナル曲」「自作曲」「MV」など作品に合う情報を自然にタイトルや説明欄へ含める程度で十分です。
投稿したらYouTube Analyticsを見る
投稿後は、再生数だけではなくYouTube StudioのAnalyticsを確認すると次の作品を改善できます。
特に見たいのは、サムネイルが表示された回数、クリック率、平均視聴時間、視聴者維持率などです。
たとえばサムネイルはよくクリックされるのに10秒で多くの人が離れているなら、曲が始まるまでが長い可能性があります。反対に最後まで聴かれているのにクリック率が低い場合は、タイトルやサムネイルを改善できるかもしれません。
YouTube公式も、視聴者維持率を使って、どの場面で視聴者が残ったり離れたりしたのか確認することを勧めています。
[参照] YouTubeヘルプ「動画のアナリティクスに関するヒント」
最初の数本は「研究期間」と考える
1本目が伸びなかったからといって、「才能がない」と判断する必要はありません。最初は、自分の曲をどの見せ方で届ければよいかを知る期間でもあります。
1曲目では暗いサムネイル、2曲目では人物を大きく、3曲目では文字を少なくするなど少しずつ試すと、自分のチャンネルに合う傾向が見えてきます。
同じように歌い方、曲調、MVのテンポなども毎回少しずつ改善できます。
投稿するたびに「前回より一つ良くする」と考えるだけでも十分です。
友達に無理に再生・拡散を頼む必要はない
公開直後に友達へ「何回も再生して」「全員に送って」と頼みたくなるかもしれませんが、無理に数字だけ増やそうとする必要はありません。
本当に音楽が好きそうな友達へ「曲を作ったからよかったら聴いて」と伝える程度なら自然ですが、興味のない人に繰り返し再生してもらっても、長期的なファンが増えるとは限りません。
YouTubeは視聴者が何を見るか、どの動画を楽しむかといった反応を参考にしています。数字だけを増やすより、好きな人に最後まで聴いてもらえる作品を作ることを優先しましょう。
コメントの数字に振り回されない
作品を公開すると、うれしいコメントだけでなく、厳しいコメントが付く可能性もあります。
特に未成年者が出演・投稿するコンテンツでは、YouTube側がコメントやおすすめなどに対して追加の保護措置を適用する場合があります。
[参照] YouTubeヘルプ「子どもの安全に関するポリシー」
悪意のあるコメントすべてに返信する必要はありません。嫌がらせ目的のコメントは削除・非表示・報告などを利用し、必要なら保護者など信頼できる大人へ相談しましょう。
中学生が投稿するときは個人情報を特に守る
音楽活動では「自分を知ってもらいたい」という気持ちから、プロフィールに細かい情報を書きたくなることがあります。しかし、活動名だけでも十分に作品は発表できます。
学校名、学年と地域の組み合わせ、制服、最寄り駅、自宅からの景色、習い事の場所、毎日の行動時間などは、単体では問題なさそうでも組み合わせると個人を特定する手掛かりになることがあります。
顔出しをする必要もありません。自作イラストを活動のキャラクターとして使えば、むしろ音楽と絵の世界観を統一しやすくなります。
アカウント作成や収益化、契約、外部サービスの利用などで分からないことが出た場合は、保護者など信頼できる大人と一緒に確認するのがおすすめです。
著作権は「全部自作」なら強みになる
作詞、作曲、歌、イラスト、MVをすべて自分で作っているなら、それは非常に分かりやすい強みです。
一方、フリーBGM、効果音、フォント、写真素材、動画素材などを追加で使う場合は、それぞれの利用規約を確認してください。「無料」と書いてあっても、YouTube利用不可、商用利用不可、クレジット表記必須などの条件が付いている場合があります。
また、好きなアニメのキャラクターを描いて自分のオリジナル曲MVに使う場合、それは「イラストを自分で描いた」だけでは完全なオリジナル作品にはなりません。自分で考えたキャラクターや世界観を使えば、作品全体を自分のブランドとして育てやすくなります。
初投稿ならこの形でも十分
初めて投稿するときに、すべてを完璧にする必要はありません。まずは完成させることを目標にするとよいでしょう。
| 項目 | 初心者向けの目安 |
|---|---|
| 曲 | 自分が納得できる完成形にする |
| 歌 | 歌詞が聞き取れる音量にする |
| MV | 1~5枚程度のイラストでもOK |
| サムネイル | 人物や主役を大きく、文字は少なめ |
| タイトル | 曲名+「オリジナル曲」「MV」など |
| 冒頭 | 長い前置きを入れず早めに曲へ入る |
| Shorts | サビなど印象的な部分を切り抜く |
| 投稿後 | 再生数だけでなく維持率なども確認 |
この形で1曲完成させたら、次の曲で一つ改善します。MVの動きを増やす、録音を良くする、サムネイルを見やすくするなど、一度に全部変える必要はありません。
まとめ:自作曲・歌・イラストという強みをそろえて、少しずつ改善しよう
中学生が自分のオリジナル曲をYouTubeで多くの人に聴いてもらいたい場合、特別な裏技よりも、「クリックしたくなる見せ方」と「開いたあと最後まで聴きたくなる作品」を作ることが基本です。
YouTube公式も、おすすめで重要なのは、視聴者が動画を選ぶか、見続けるか、満足するかといった反応だと説明しています。タイトルとサムネイルで正しく魅力を伝え、冒頭ですぐ曲の世界へ入り、最後まで楽しめるMVを目指しましょう。
自分で作曲し、自分で歌い、自分の絵でMVまで作れることは大きな個性です。最初からプロの作品と同じ完成度を目指さなくても構いません。1曲完成させ、投稿後のAnalyticsを見て、次の曲を少し良くする。この繰り返しがチャンネルの成長につながります。
また、未成年で活動する場合は再生数以上に個人情報と安全を大切にしてください。本名や学校、自宅周辺などを公開せず、困ったことがあれば保護者など信頼できる大人へ相談しながら活動すると安心です。
「自分の曲を誰かに聴いてほしい」という気持ちは、音楽活動を続ける十分なスタート地点です。まずは一曲を丁寧に完成させ、自分らしい世界観が一目で分かるMVとして公開するところから始めるとよいでしょう。
[参照] YouTubeヘルプ「おすすめシステム向けにコンテンツのパフォーマンスを理解する」
[参照] YouTubeヘルプ「サムネイルとタイトルのヒント」
[参照] YouTubeヘルプ「視聴者維持率の重要な場面を測定する」


コメント