ゲームにログインしようとした際、スマートフォンやブラウザのパスワード管理機能から「このパスワードは漏洩した可能性があります」「安全ではないパスワードです」などと警告され、自動入力されなくなることがあります。ゲーム用で重要度が低いアカウントだったとしても、警告を無視して同じパスワードを使い続けるより、基本的には新しいパスワードへ変更するのが安全です。
この警告は、Google パスワード マネージャー、Appleのパスワード機能、Microsoft EdgeのPassword Monitorなどが、保存済みの認証情報を既知の漏洩情報と照合した結果表示されるものです。「このゲーム会社から今まさに漏洩した」と断定する表示ではありませんが、そのパスワードまたはユーザー名との組み合わせが過去の漏洩情報と一致している可能性があるため、使い回している場合は特に注意が必要です。
- 「漏洩の危険があるパスワード」とはどういう意味?
- ゲーム会社が実際に漏洩させたとは限らない
- 「重要なゲームではない」場合でも変更したほうがよい理由
- 一番安全な対処は新しいパスワードへ変更すること
- 自動入力されないときは、まず保存済みパスワードを確認する
- どうしても変更したくない場合は手動入力できることもある
- パスワード警告そのものをオフにするべき?
- パスワードを変更しても警告が消えない場合
- 同じパスワードを使い回しているサービスは全部確認する
- 2段階認証があるゲームなら有効にする
- 「漏洩」と「弱いパスワード」は別の警告
- ゲームのログイン画面自体が偽物ではないかも確認する
- まとめ:重要でないゲームでも、漏洩警告が出たパスワードは変更するのが一番簡単
「漏洩の危険があるパスワード」とはどういう意味?
Googleは、保存したパスワードについて「漏洩したもの」「弱いもの」「複数サービスで使い回しているもの」をチェックできる機能を提供しています。漏洩済みと判定されたユーザー名とパスワードの組み合わせは安全ではないとして、変更を推奨しています。
Microsoft EdgeのPassword Monitorも同様に、保存した認証情報を既知の漏洩リストと照合し、一致した場合に警告します。Microsoftは、警告が表示されたからといってEdgeからパスワードが漏れたという意味ではなく、別のWebサイトやアプリで過去に流出した情報と一致した可能性があると説明しています。
[参照] Microsoft公式:Password Monitorでオンラインアカウントを保護する
AppleもiPhone、iPad、Macなどで、使い回し、推測されやすい弱いパスワード、データ漏洩で侵害された可能性があるパスワードをセキュリティ勧告として表示します。
ゲーム会社が実際に漏洩させたとは限らない
「ゲームのパスワードが漏洩しています」と表示されると、そのゲーム運営会社が不正アクセスを受けたように思えますが、必ずしもそうではありません。
例えば、以前ほかのサイトで「game1234」というパスワードを使っていて、そのサイトからパスワードが漏洩したとします。その後、同じ「game1234」をゲームにも設定していれば、パスワード管理機能はゲーム側の保存情報についても危険なパスワードとして警告する可能性があります。
つまり重要なのは、どのサービスから漏れたのかを特定することよりも、そのパスワードが第三者に知られている可能性がある以上、今後使わないことです。
「重要なゲームではない」場合でも変更したほうがよい理由
ゲーム自体に課金しておらず、個人情報もほとんど登録していなければ、「乗っ取られても困らない」と考えることもあるでしょう。しかし、そのパスワードをメール、SNS、通販サイトなどでも使い回している場合は話が変わります。
攻撃者は、漏洩したメールアドレスとパスワードの組み合わせを複数のサービスへ自動的に試す「クレデンシャルスタッフィング」と呼ばれる手法を使うことがあります。Microsoftも、漏洩した認証情報を自動スクリプトで別のサービスへ試し、アカウントを乗っ取る攻撃が行われると説明しています。
そのためゲームアカウント自体が重要でなくても、同じパスワードを別の重要なサービスでも使っているなら、そちらも含めて変更する必要があります。
一番安全な対処は新しいパスワードへ変更すること
もっとも確実な対処方法は、そのゲームのアカウント設定からパスワードを変更することです。変更後は、ブラウザやスマートフォンのパスワード管理機能にも新しいパスワードを保存します。
新しいパスワードは、以前のものへ数字を1つ足しただけのような変更ではなく、ゲーム専用のまったく別のものにします。自分で覚える必要がなければ、Google パスワード マネージャー、Appleのパスワード機能、Microsoft Edgeなどに強いランダムパスワードを生成してもらう方法が便利です。
例えば「game1234」から「game12345」へ変更するより、パスワードマネージャーが生成した長くランダムな文字列を保存するほうが安全です。
自動入力されないときは、まず保存済みパスワードを確認する
警告が出たあとに自動入力されない場合は、使用している端末のパスワード管理画面を確認します。保存済みのパスワードが削除されたわけではなく、セキュリティ上の理由で警告表示や確認操作が追加されている場合があります。
Google Chromeなら、設定から「パスワードと自動入力」→「Google パスワード マネージャー」を開き、対象のゲームを探します。Google公式では、パスワードチェックから漏洩済みの認証情報を確認し、警告を無視することもできますが、安全上は変更が推奨されています。
Microsoft Edgeなら「設定」→「パスワードと自動入力」→「Microsoft Password Manager」から保存情報とセキュリティチェックを確認できます。Edgeでは漏洩警告を無視リストへ入れることもできますが、Microsoft自身は危険なパスワードの変更を推奨しています。
どうしても変更したくない場合は手動入力できることもある
ゲームアカウントが使い捨てに近く、課金情報や個人情報がなく、他のサービスでも一切同じパスワードを使用していない場合、「危険性を理解したうえで今のパスワードを使い続けたい」というケースもあるでしょう。
その場合、パスワード管理機能によっては保存されたパスワードを表示し、自分でコピーして入力できることがあります。また、漏洩警告を「無視」または「非表示」にできるパスワードマネージャーもあります。
ただし、警告を消す操作はパスワード自体を安全にするものではありません。単にその警告を今後表示しない設定にするだけです。自動入力を復活させる目的だけでセキュリティ機能を全面的に無効化することはおすすめできません。
パスワード警告そのものをオフにするべき?
GoogleやEdgeでは、漏洩したパスワードに関する警告をオフにできる場合があります。しかし、一つのゲームで警告が邪魔だからという理由だけで、すべてのパスワード警告機能を無効にするのはおすすめしません。
今後、メールや通販サイトなど本当に重要なアカウントのパスワードが漏洩した際にも通知を受け取れなくなる可能性があるからです。
特定のゲームだけ警告を無視できる機能がある場合は、全体の監視機能を切るより個別に対応するほうが安全です。ただし最も良い方法は、やはりそのゲームのパスワードを変更することです。
パスワードを変更しても警告が消えない場合
ゲーム側でパスワードを変更しても、ブラウザに古いパスワードが保存されたままだと、引き続き「漏洩したパスワード」と表示される場合があります。
この場合は、パスワードマネージャーに保存されている対象ゲームの認証情報を開き、新しいパスワードへ更新します。ログイン時に「パスワードを更新しますか」と表示された場合は、新しいものへ更新してください。
古い保存情報と新しい保存情報が2件存在している場合は、不要な古い方を削除すると分かりやすくなります。その後もう一度パスワードチェックを実行すれば、新しいパスワードに問題がなければ警告対象から外れることがあります。
同じパスワードを使い回しているサービスは全部確認する
漏洩警告が表示されたときに最も重要なのが、同じパスワードをどこで使用しているか確認することです。パスワードマネージャーには、使い回しているパスワードを一覧表示する機能が用意されています。
例えば同じパスワードをゲーム、Googleアカウント、通販サイト、SNSで使っているなら、ゲームだけ変更しても不十分です。特にメールアカウントは他サービスのパスワードリセットに利用されるため、優先して変更します。
Google公式も、同じパスワードを複数のアカウントで使うと、一つのサービスが侵害された際に他のアカウントも攻撃される危険が高くなるとして、サービスごとに固有のパスワードを使うよう推奨しています。
2段階認証があるゲームなら有効にする
ゲームサービスが2段階認証や多要素認証に対応している場合は、パスワード変更と一緒に有効化しておくとさらに安全です。
2段階認証があれば、第三者がパスワードを知っていたとしても、認証アプリのコードなど別の確認手段が必要になるため、不正ログインの可能性を下げられます。
特に課金履歴、ゲーム内アイテム、フレンド情報などがあるアカウントは、本人にとって「重要ではない」と思っていても、乗っ取られたあとに取り戻すのが面倒になることがあります。利用できるセキュリティ機能は有効にしておくと安心です。
「漏洩」と「弱いパスワード」は別の警告
パスワードマネージャーでは、「漏洩したパスワード」と「弱いパスワード」が別々に表示される場合があります。この2つは意味が違います。
| 警告 | 意味 | 推奨対応 |
|---|---|---|
| 漏洩・侵害されたパスワード | 既知の漏洩認証情報と一致している可能性がある | できるだけ早く変更 |
| 使い回し | 複数サービスで同じパスワードを使用 | サービスごとに別パスワードへ変更 |
| 弱いパスワード | 短い・単純など推測されやすい | 長くランダムなものへ変更 |
Appleも、保存済みパスワードについて使い回し、弱いパスワード、データ漏洩で侵害された可能性があるパスワードを別々に検出すると説明しています。
[参照] Apple公式:パスワードのセキュリティに関する勧告
ゲームのログイン画面自体が偽物ではないかも確認する
パスワードが自動入力されない場合、漏洩警告だけでなく、アクセスしているWebサイトが本当に公式サイトかも確認しておきましょう。パスワードマネージャーは保存したドメインと異なるサイトでは、自動入力を出さないことがあります。
例えば本物が「example-game.com」なのに、「examplegame-login.com」のような似たURLへアクセスしている場合、フィッシングサイトの可能性があります。このようなサイトへ保存済みパスワードを手動で貼り付けるのは危険です。
検索結果やメールからアクセスした場合は、ゲーム運営会社の公式サイトからログインページへ入り直し、URLが正しいことを確認してください。
まとめ:重要でないゲームでも、漏洩警告が出たパスワードは変更するのが一番簡単
ゲームのパスワードに「漏洩の危険があります」などと表示され、自動入力されなくなった場合、まず知っておきたいのは、ゲーム会社から今まさに漏洩したと断定されたわけではなく、保存済みの認証情報が既知の漏洩情報と一致している可能性があるということです。
ゲームアカウントが重要でなくても、もっとも簡単で安全な対処は、そのゲーム専用の新しいパスワードへ変更し、パスワードマネージャーへ保存し直すことです。自分で覚える必要はなく、Google、Apple、Microsoftなどのパスワード管理機能でランダムな強いパスワードを生成できます。
どうしても現在のパスワードを使い続けたい場合は、パスワードマネージャーによっては警告を個別に無視したり、保存されたパスワードを手動で入力したりできる場合があります。ただし、警告を無視してもパスワードそのものの危険性は変わりません。
特に同じパスワードをメール、SNS、通販サイトなどでも使用している場合は、ゲームよりそちらの対処を優先してください。「重要ではないゲームだから放置」ではなく、「このゲームだけの専用パスワードに変える」と考えれば、今後の警告や自動入力の問題も解決しやすくなります。


コメント