小説生成AIとして知られる「AIのべりすと」は、一般的なチャット型AIとは性格の異なる、小説・文章生成を中心としたサービスです。自由度の高い創作を期待して利用する人もいますが、「自由度が高い」ことと「どのような内容でも無条件に許可されている」ことは同じではありません。
特にアダルトな小説、暴力を扱った物語、差別を題材とする作品などを作る場合、AIが技術的に文章を出力できるかだけではなく、サービスの利用規約で何が禁止されているのかを確認する必要があります。
また、利用規約にある「公序良俗」「差別または攻撃を目的としている」といった表現は、単語だけを見ると範囲が広く感じられます。そこで本記事では、AIのべりすとの特徴と利用規約を踏まえながら、創作上の表現と禁止行為をどのように区別して考えればよいのかを整理します。
AIのべりすとは小説生成を中心に設計されたAIサービス
AIのべりすとは、日本語の小説・文章生成を主用途とするAIサービスです。公式サイトでも「AIで小説を書こう!」と案内されており、複数の文章生成モデルや文体を変化させる機能などが提供されています。
そのため、一般的な質問への回答を主目的とするAIチャットサービスと、まったく同じ挙動や制限を持つとは限りません。AIサービスはそれぞれモデル、生成システム、利用規約、運営方針が異なるためです。
一方で、小説向けのAIだから利用規約上の制限が存在しない、という意味ではありません。利用するときには、生成モデルの能力とサービスとして許可されている利用方法を分けて考える必要があります。
「自由度が高い」と「何でも生成してよい」は別の話
生成AIについて語られる「規制が少ない」「自由度が高い」という表現には注意が必要です。これは一般に、モデルが創作上の指示へ対応しやすいことを意味して使われる場合がありますが、法令やサービスの利用規約まで存在しないことを意味するものではありません。
例えば、ある内容をAIが実際に生成できたとしても、それだけで運営者がその用途を規約上許可しているとは判断できません。反対に、作品中に暴力や差別などの題材が登場したというだけで、直ちに規約違反になるとも限りません。
「AIが出力できるか」と「利用規約上許可されているか」は別々に確認する必要があります。他の利用者が生成している内容も、公式な許可範囲を証明するものではありません。
利用規約の「公序良俗」に関する記載はどう読むべきか
利用規約に「日本国および利用者の居住国の法令、公序良俗、他者の権利を侵害すると当サービスが判断するコンテンツの生成」といった禁止事項が記載されている場合、重要なのは「性的」という単語だけで判断しないことです。
「公序良俗」は性的表現だけを指す言葉ではありません。また、「他者の権利を侵害」といった条件も含まれるため、具体的な内容、目的、対象などによって評価が変わる可能性があります。
したがって、「アダルトというジャンルならすべて許可」「性的要素が一つでもあればすべて禁止」といった単純な二択に置き換えるのは適切ではありません。最終的な許可範囲について不明点がある場合には、最新の利用規約や運営者の公式案内を確認する必要があります。
差別表現は「登場すること」と「攻撃を目的にすること」を区別する
規約を読む際に特に注目したいのが、「人種、性別や宗教の差別または攻撃を目的としていると当サービスが判断するコンテンツ」という趣旨の記載です。ここでは、単純に作品中へ差別という題材が登場するかどうかだけではなく、生成の目的についても記述されています。
例えば、歴史小説の中で当時存在した差別を描写する作品と、特定の人種や宗教の人々を攻撃することそのものを目的とする文章では、創作上の意味が大きく異なります。同様に、悪役が差別的な思想を持つ設定と、現実の集団への攻撃を目的としたコンテンツも同じものではありません。
ただし、具体的にどこまで許容されるかを第三者が断定することはできません。規約には運営側の判断が関係する旨が含まれているため、境界的な内容では公式の最新情報を優先するのが安全です。
暴力を題材にした小説も内容と目的を分けて考える
ミステリー、サスペンス、戦争、ホラー、ファンタジーなどでは、物語の構成上、戦闘や殺人などの暴力が描かれることがあります。そのため「暴力というテーマが存在する」という一点だけで、すべてのフィクションを同一に扱うことはできません。
例えば、架空の騎士同士が戦うファンタジー作品、犯罪の悲惨さを描くミステリー、実在する人物への危害を目的とした文章では、内容の性質が異なります。
AIサービスを利用するときには、「フィクションだから何でも許される」と考えるのではなく、法令、公序良俗、他者の権利、サービス固有の禁止事項などを総合的に確認することが大切です。
性的な小説については規約の最新版を確認することが重要
成人向けの性的表現についても、「AIのべりすとは自由度が高いらしい」という評判だけを根拠に判断するのは避けた方がよいでしょう。サービスの仕様や利用規約は変更される可能性があり、過去に生成できた内容が現在も同じ条件で認められるとは限らないためです。
また、成人同士を題材としたフィクションと、未成年者を性的に扱う内容、本人の同意なく実在人物を性的に扱う内容などは、同じ「性的な小説」という言葉で一括りにすべきではありません。法的・倫理的な問題や他者の権利侵害が関係する内容では、特に慎重な判断が必要です。
サービス上で生成できたことだけを「運営から許可された」という意味に解釈せず、利用時点の規約と公式情報を確認することが基本になります。
他の利用者が作っているから許可されているとは限らない
生成AIでは「ほかのユーザーも同じような作品を作っている」という情報を目にすることがあります。しかし、それだけでは利用規約上の許可を確認したことにはなりません。
利用者の作品について、運営が一つ一つ事前承認しているとは限らないからです。また、SNSや掲示板に投稿された情報には、古い仕様に基づくものや利用者自身の解釈が含まれている場合もあります。
利用可否を判断するときの優先順位は、現在の公式利用規約・公式ヘルプなどの案内・必要に応じた運営への確認と考えておくとよいでしょう。ユーザー間の情報は使い方の参考にはなりますが、規約の代わりにはなりません。
AIのべりすととChatGPTなどを単純比較できない理由
生成AIはすべて同じ基準で運営されているわけではありません。小説生成に重点を置いたサービス、汎用的な対話を目的とするサービス、画像生成サービスなど、それぞれ用途や提供方法が異なります。
AIのべりすとの公式情報を見ると、小説向けモデルだけでなく、指示への応答能力を持つモデルや文体を変える機能なども案内されています。つまり、単純に「規制があるAI」と「規制がないAI」という二種類に分類するより、それぞれのサービスの仕様と規約を個別に確認する方が正確です。
生成結果の自由度だけでサービスを比較するのではなく、プライバシー、料金、データの扱い、著作権に関する条件、禁止用途なども含めて、自分の創作目的に適したサービスかを判断するとよいでしょう。
規約の境界が分からない場合の確認方法
利用規約を読んでも、自分が書こうとしているジャンルが許可されているのか判断できないことがあります。この場合、規約の一文から自己流に結論を出すより、公式サイトの最新情報を確認することが重要です。
AIのべりすとの公式サイトにはヘルプ情報が用意されており、使い方に関する情報や公式Discordなどの案内も掲載されています。仕様について疑問がある場合は、こうした公式に案内されている窓口や情報を利用するとよいでしょう。
特に成人向け表現など規約上の境界が気になる場合には、「成人同士の架空人物を扱う創作は許可されるか」など、実際に想定している用途を具体化して確認すると、単に「アダルトはOKですか」と尋ねるより判断しやすくなります。
まとめ|AIのべりすとの自由度と利用規約は分けて考えよう
AIのべりすとは小説生成を主目的とするAIサービスであり、創作に適したさまざまな機能が提供されています。一方、自由度の高い生成AIであることは、法令や利用規約を無視してあらゆるコンテンツを作成してよいことを意味しません。
特に規約に「公序良俗」「他者の権利」「差別または攻撃を目的としたコンテンツ」などの条件がある場合には、作品に特定の題材が登場するかだけでなく、内容や目的まで含めて考える必要があります。
性的表現・暴力・差別といったテーマについて、一律に「全部OK」「全部禁止」と決めつけないことが重要です。利用時点の最新規約を確認し、判断が難しい内容については公式の案内や問い合わせ先で確認したうえで創作するのが確実です。


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