Windowsパソコンを操作中、突然「マルウェアに感染しています」「トロイの木馬が検出されました」「Windowsサポートへ今すぐ電話してください」などの警告と電話番号が表示されることがあります。画面が全画面になったり、警告音が鳴ったりすると本物のWindows警告に見えますが、電話番号へ誘導するセキュリティ警告は「サポート詐欺」の可能性が非常に高く、表示された番号には電話しないことが重要です。
特に「0101」から始まる長い電話番号が表示された場合は注意が必要です。IPA(情報処理推進機構)は、偽セキュリティ警告で2023年8月ごろから0101で始まる電話番号が使われるようになったと注意喚起しています。0101で始まる番号は北米などへの国際電話につながる形式で、発信すると国際通話料金が発生する可能性もあります。
この記事では、Windowsの画面に電話番号付きのウイルス・マルウェア警告が表示されたときに本物か偽物かを判断するポイント、電話してはいけない理由、安全な閉じ方、電話してしまった場合、遠隔操作ソフトを入れてしまった場合、支払いまでしてしまった場合の対処法を解説します。
- 「Windowsサポートへ電話してください」はサポート詐欺を強く疑う
- 0101から始まる電話番号は特に注意
- 警告が表示されただけなら本当にマルウェア感染したとは限らない
- なぜ本物のWindows警告のように見えるのか
- 警告画面に表示された電話番号へは絶対に電話しない
- 電話すると何が起こる?サポート詐欺の典型的な流れ
- 電話していない場合にやること
- 「×」ボタンを押すのが怖い場合はEscや再起動を使う
- 再起動しても警告画面が消えない場合は別の手口にも注意
- 念のためWindowsセキュリティでスキャンする方法
- 電話しただけで遠隔操作されるわけではない
- 遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合
- パスワードを入力・見られた可能性がある場合
- クレジットカード番号を伝えた場合
- 電子マネーやギフトカードを購入してしまった場合
- 被害に遭った場合は188や警察へ相談する
- 警告画面は可能なら写真を残しておく
- 「0101だから詐欺」ではなく警告画面全体で判断する
- 本物のMicrosoftサポートが必要なら警告画面の番号を使わない
- サポート詐欺かどうかを見分けるチェックポイント
- 状況別に今すぐ行う対処を整理
- まとめ:電話番号付きのWindowsマルウェア警告には電話しない
「Windowsサポートへ電話してください」はサポート詐欺を強く疑う
Microsoftは公式サポートで、PCに偽の警告メッセージと電話番号を表示し、問題を解決するために電話するよう誘導する「テクニカルサポート詐欺」について注意喚起しています。
特に重要なのが、Microsoftが「正規のMicrosoftのエラーメッセージには電話をかけるための電話番号は含まれない」と明確に案内していることです。
[参照] Microsoft「テクニカル サポート詐欺を回避して Microsoft に知らせる」
したがって、ブラウザを利用している最中に突然「Windowsがマルウェアに感染」「Microsoftサポートへ今すぐ電話」と表示され、その画面内に電話番号まで書かれていた場合、その番号へ電話するのではなくサポート詐欺を疑うべき状況です。
0101から始まる電話番号は特に注意
「010122678-60138」のように0101から始まる長い番号が警告画面に表示された場合、その番号の見た目にも注意が必要です。
IPAはサポート詐欺について、以前は050番号が悪用されていましたが、2023年8月ごろから0101で始まる電話番号へ変化したと説明しています。
日本から電話をかける際の「010」は国際電話を示し、その後の「1」は米国・カナダなど北米番号計画の国番号です。IPAも、サポート詐欺で表示される0101から始まる番号は北米、主に米国へ国際電話をかけさせるもので、電話すると国際通話料金が発生する可能性があると注意喚起しています。
[参照] IPA「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」
個別の電話番号について所有者を断定する必要はありません。「電話番号付きの感染警告」「WindowsやMicrosoftのサポートを名乗る」「0101から始まる番号」という組み合わせ自体が、IPAやMicrosoftが警告しているサポート詐欺の典型的特徴と一致しています。
警告が表示されただけなら本当にマルウェア感染したとは限らない
偽警告を見たときに最も不安になるのが、「もうパソコンがウイルス感染してしまったのでは?」という点でしょう。しかし、Webサイトを閲覧している最中に典型的なサポート詐欺画面が表示されただけなら、その表示自体はマルウェア感染を意味しません。
IPAは、従来型の偽セキュリティ警告について、画面が表示されただけであればパソコンはコンピューターウイルスに感染しておらず、偽警告画面を閉じれば問題ないと案内しています。
[参照] IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」
つまり、「ウイルス感染しました」と画面に書いてあることと、本当にWindowsがウイルスを検出したことは別です。詐欺サイト側がWebページとして偽の警告画面を表示しているだけというケースがあります。
なぜ本物のWindows警告のように見えるのか
サポート詐欺では、利用者を慌てさせて電話をかけさせるため、本物のWindowsやMicrosoft Defenderの画面に似せたデザインが使われることがあります。
さらにブラウザを全画面表示にしたり、警告音や音声を繰り返したり、「このPCへのアクセスはセキュリティ上の理由でブロックされています」「個人情報が危険です」などの文章を表示したりして、重大なトラブルが起きたように見せます。
Microsoftも、詐欺師がブラウザを全画面にして消えないポップアップを表示し、ブラウザがロックされたように見せる手口を案内しています。
画面が派手だから深刻な感染、というわけではありません。むしろ「今すぐ電話しなければ大変なことになる」と強く焦らせること自体が典型的な手口です。
警告画面に表示された電話番号へは絶対に電話しない
最も重要な対処は、画面に表示された電話番号へ電話をかけないことです。警告画面の「サポート」「スキャン」「続行」などのボタンも不用意にクリックしないようにします。
Microsoftは、エラーメッセージに表示された番号には電話しないよう案内しています。また、Microsoft側から依頼もしていない利用者へ一方的に連絡し、PCのテクニカルサポートを提供することはないと説明しています。
警察庁もサポート詐欺対策として、偽セキュリティ警告画面に表示された電話番号へ電話せず、画面から指示されたアプリやソフトウェアもダウンロード・インストールしないよう注意喚起しています。
電話すると何が起こる?サポート詐欺の典型的な流れ
電話すると、本物のMicrosoftやWindowsサポート担当者を装った人物につながり、「パソコンが危険な状態です」「ウイルスが多数入っています」などと説明されることがあります。
その後、遠隔操作用ソフトウェアをインストールするよう指示され、相手がパソコンを操作できる状態に誘導されるのが代表的な手口です。
IPAによると、詐欺業者は遠隔操作後、パソコンに問題があるかのような虚偽の説明を行い、偽のサポート料金を要求します。
支払い方法として電子マネーやギフトカードなどを購入するよう要求されることもあります。Microsoftも、正規サポートがBitcoinなどの暗号資産やギフトカードによるサポート料金の支払いを要求することはないと案内しています。
電話していない場合にやること
電話をかけておらず、ソフトウェアもダウンロード・実行していないのであれば、まず偽警告画面を閉じます。
IPAが案内する従来型の偽警告では、Escキーを3秒程度長押しすると全画面表示が解除され、右上の「×」から画面を閉じられる場合があります。
Escキーで解除できない場合は、Ctrl+Alt+Deleteを同時に押し、表示されたWindows画面から再起動する方法もIPAが案内しています。
再起動後、同じ偽警告ページを復元しないようにブラウザのタブを確認し、怪しいページは閉じます。ブラウザに「前回開いていたページを復元しますか」などと表示されても、偽警告ページを再度開かないよう注意してください。
「×」ボタンを押すのが怖い場合はEscや再起動を使う
偽警告サイトの中には、画面内に偽物の「×」やボタンを配置している可能性もあります。そのため、Webページ内のボタンをむやみにクリックするより、キーボード操作で全画面を解除する方法が安心です。
まずEscキーを長押しし、ブラウザ本来のタブやウィンドウの閉じるボタンが確認できる状態にします。
操作できない場合はCtrl+Alt+Deleteから再起動します。電源ボタンの長押しによる強制終了は保存していないデータを失う可能性があるため、通常の再起動ができるならそちらを優先します。
再起動しても警告画面が消えない場合は別の手口にも注意
注意したいのが、すべての偽警告が単純なWebページとは限らない点です。IPAは2024年、パソコンの画面全体に偽メッセージが表示され、マウスやキーボード操作を受け付けず、再起動しても消えない手口についても注意喚起しています。
このケースでは、意図せずダウンロードされたファイルを実行してしまったことなどにより、従来のブラウザ型サポート詐欺とは異なる状態になっている可能性があります。
[参照] IPA「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中」
そのため「電話番号付きの警告だから絶対に感染していない」と一律に判断するのではなく、何もダウンロード・実行しておらずブラウザを閉じれば消える典型的な偽警告なのか、ファイルを実行してしまい再起動後も症状が続くのかを分けて考えることが重要です。
念のためWindowsセキュリティでスキャンする方法
警告画面を閉じた後も不安な場合は、偽警告に書かれた手順ではなく、Windowsに搭載されている正規の「Windows セキュリティ」から確認します。
- Windowsのスタートメニューを開く
- 「Windows セキュリティ」を検索して起動する
- 「ウイルスと脅威の防止」を開く
- 「クイック スキャン」を実行する
- 必要に応じて「スキャンのオプション」からより詳しいスキャンを行う
ここで大切なのは、偽警告画面から案内された「セキュリティソフト」をインストールしないことです。Windows セキュリティはスタートメニューなどWindows本体から直接開いてください。
電話しただけで遠隔操作されるわけではない
間違えて電話してしまった場合でも、電話をかけただけで自動的に相手がパソコンへ侵入できるわけではありません。
IPAは、電話で話しただけで、何のソフトウェアもインストールしていない場合、パソコンには何も影響がないと考えられると案内しています。その場合は電話を切り、偽警告画面を閉じ、念のためブラウザ履歴を消去します。
ただし電話中に氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード情報、Microsoftアカウント情報などを伝えた場合は別です。提供した情報に応じた対処が必要になります。
遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合
電話の相手から「サポートするために必要です」と言われ、遠隔操作ソフトウェアをインストールした場合は対応の優先度が上がります。
まずインターネット接続を切断します。Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなどして、相手からの遠隔接続を遮断してください。
警察庁は、偽警告から指示されたアプリやソフトウェアをインストールしてしまった場合、ネットワークから切断してウイルスチェックを行い、インストールしたアプリなどをアンインストールするよう案内しています。状況によってはパソコンの初期化やパスワード変更も検討するよう注意喚起しています。
会社・学校から貸与されたPCの場合は、自分だけで削除や初期化を進めず、組織の情報システム担当者・管理者へすぐ連絡してください。
パスワードを入力・見られた可能性がある場合
遠隔操作されている最中にMicrosoftアカウント、Googleアカウント、メール、通販サイト、銀行などへログインした場合は、認証情報を見られた可能性も考慮します。
この場合は、可能であれば影響を受けていない別の安全な端末から重要なアカウントのパスワードを変更します。同じパスワードを複数サービスで使い回している場合は、それぞれ異なるパスワードへ変更してください。
二要素認証・多要素認証を利用できるサービスでは有効化し、最近のログイン履歴や接続端末も確認します。不審なログインがあれば、そのサービスの正規サポートへ相談します。
クレジットカード番号を伝えた場合
偽サポート担当者へクレジットカード番号を伝えたり、カード決済してしまった場合は、カード会社へ速やかに連絡します。
カード裏面やカード会社の公式アプリ・公式サイトに記載された正規の問い合わせ先を使用し、「サポート詐欺と思われる相手にカード情報を伝えた」「不審な決済をしてしまった」と説明してください。
警察庁も、サポート料金をクレジットカードで支払ってしまった場合はカード会社へ連絡し、支払い停止について相談するよう案内しています。
電子マネーやギフトカードを購入してしまった場合
サポート詐欺では、「コンビニへ行って電子マネーを買ってください」「カード番号を読み上げてください」などと要求されるケースがあります。
電子マネーを購入して番号を相手へ伝えてしまった場合は、電子マネーの発行・管理会社へ速やかに連絡し、決済停止や救済措置が可能か相談します。
カード本体、レシート、相手から指定された電話番号、警告画面の写真、通話履歴などは捨てずに保存しておきましょう。警察への相談や決済会社への説明に役立つ可能性があります。
被害に遭った場合は188や警察へ相談する
金銭を支払ってしまった、遠隔操作を許可してしまった、個人情報を渡してしまった場合は、一人で解決しようとせず専門窓口へ相談します。
サポート契約や支払いなどの消費者トラブルについて、IPAは最寄りの消費生活センターへの相談を案内しています。消費者ホットラインは局番なしの「188」です。
また警察庁は、サポート詐欺の被害に遭った場合、偽警告画面、インストールしたソフトウェアが分かる資料、支払い履歴、電子マネーカードなどを保存し、最寄りの警察署へ相談するよう案内しています。
警告画面は可能なら写真を残しておく
まだ警告画面が表示されていて安全に撮影できる場合は、スマートフォンなどで画面の写真を撮っておくと役立ちます。ただし、証拠を残すために怪しい画面を操作したり電話をかけたりする必要はありません。
記録しておくとよい情報は、表示された電話番号、警告内容、表示された日時、アクセスしていたWebサイト、ダウンロードしたファイル名、インストールしたソフト名、支払い内容などです。
被害がなければ記録が必須というわけではありませんが、遠隔操作・支払い・情報提供まで進んだ場合は、後から状況を説明しやすくなります。
「0101だから詐欺」ではなく警告画面全体で判断する
0101から始まる番号がすべて詐欺という意味ではありません。「010+1」は日本から北米方面へ国際電話を発信するときに使われる正規の番号形式でもあります。
問題なのは、Web閲覧中に突然マルウェア感染を宣告し、WindowsやMicrosoftを名乗って、その場で0101などの電話番号へ緊急連絡するよう要求するという組み合わせです。これはIPAが実際のサポート詐欺として注意喚起しているパターンと強く一致します。
したがって電話番号の検索結果だけで安全・危険を判断するのではなく、「感染警告に電話番号が表示された」という時点で電話しないことが安全な対応です。
本物のMicrosoftサポートが必要なら警告画面の番号を使わない
本当にWindowsの調子が悪く、Microsoftへ問い合わせたい場合でも、警告画面に表示された電話番号は使用しません。
Microsoftの公式WebサイトやWindowsに用意されている正規のサポート経路から問い合わせます。検索エンジンで「Microsoft サポート」と検索した場合も広告などと見分けにくいことがあるため、URLがMicrosoft公式ドメインであることを確認してください。
サポート詐欺かどうかを見分けるチェックポイント
| 表示・要求 | 判断のポイント |
|---|---|
| 突然「ウイルス感染」と表示 | Webサイト上の偽警告の可能性がある |
| Microsoft・Windowsを名乗る | ロゴや名称だけで本物とは判断できない |
| 電話番号が表示される | Microsoftは正規エラーに電話番号は含まれないと案内 |
| 「今すぐ電話」と急がせる | サポート詐欺の典型的な誘導 |
| 0101から始まる番号 | IPAがサポート詐欺で確認している番号形式の一つ |
| 遠隔操作ソフトを入れさせる | インストールせず電話を切る |
| 電子マネー・ギフトカードを要求 | Microsoftの正規サポートとは考えない |
| 画面が全画面で閉じられない | 偽警告がブラウザを全画面化している可能性がある |
1項目だけで判断するのではなく、複数の特徴が重なっているほどサポート詐欺を強く疑います。中でも「感染警告+サポート電話番号」は非常に重要な判断材料です。
状況別に今すぐ行う対処を整理
| 現在の状況 | 主な対処 |
|---|---|
| 警告を見ただけ | 電話せず警告画面を閉じる |
| 画面が閉じない | Esc長押し、Ctrl+Alt+Deleteから再起動を試す |
| 電話しただけ | 電話を切る。ソフトを入れていなければPCへの影響は通常考えにくい |
| 遠隔操作ソフトを入れた | ネット接続を切断し、ソフト削除・スキャン・必要に応じて専門窓口へ相談 |
| パスワードを入力した | 安全な端末からパスワード変更・多要素認証・ログイン履歴確認 |
| カード情報を渡した | カード会社へ速やかに連絡 |
| 電子マネーを渡した | 発行会社へ連絡し、カード・レシートを保存 |
| お金を支払った | 決済会社・消費生活センター・警察へ相談 |
| 再起動しても偽画面が残る | 単純なブラウザ型とは異なる可能性があるためIPA等の手順を確認 |
どの段階まで進んでしまったかによって必要な対応は変わります。「画面を見ただけ」と「遠隔操作を許可した後」ではリスクが大きく異なるため、落ち着いて自分の状況を整理してください。
まとめ:電話番号付きのWindowsマルウェア警告には電話しない
パソコン操作中に突然「マルウェアに感染している」「Windowsサポートへ電話してください」と表示され、電話番号まで案内された場合は、サポート詐欺を強く疑い、その番号には電話しないことが最も重要です。
Microsoftは、正規のMicrosoftエラー・警告メッセージには電話をかけるための電話番号は含まれないと明確に説明しています。またIPAは、サポート詐欺で0101から始まる北米向け国際電話番号が使われる事例を確認しています。
典型的なブラウザ型の偽警告が表示されただけで、電話もせず、ファイルの実行やソフトのインストールもしていなければ、表示そのものを本当のウイルス感染と考える必要はありません。Escキーの長押しなどで偽警告を閉じ、必要ならWindows セキュリティから正規のスキャンを実行します。
一方、遠隔操作ソフトを入れた、パスワードを入力した、カード情報を伝えた、お金を支払った場合は対応が必要です。ネットワークの切断、パスワード変更、カード会社・決済会社への連絡、消費生活センターや警察への相談などを状況に応じて行います。
「本当にMicrosoftかもしれないから一度電話して確認しよう」と考える必要はありません。本物のサポートが必要な場合は、警告画面に表示された連絡先ではなく、Microsoft公式サイトなど自分で確認した正規の窓口を利用することが、サポート詐欺を避ける最も安全な方法です。


コメント