業務改善活動(IE:Industrial Engineering)の効果を確認する際には、改善前後で数値がどのように変化したのかを時系列で比較することが重要です。そのために多く利用されるのが、時間の経過による変化を表現できる折れ線グラフです。
この記事では、IE改善活動の前後の効果を視覚的に確認するために適したグラフの種類や、データの見せ方、改善効果を正しく判断するポイントについて解説します。
IE改善活動の効果確認に使われる折れ線グラフとは
IE改善活動では、作業時間、工程数、不良率、生産量、稼働率などの指標を継続的に測定し、改善による変化を確認します。このような時間ごとのデータ推移を見る場合には、一般的に時系列折れ線グラフが使用されます。
折れ線グラフは、横軸に時間、縦軸に測定した数値を配置し、データポイントを線で結ぶことで変化の流れを確認できるグラフです。
例えば、改善活動前は1時間あたり100個だった生産数が、改善後に120個、130個へ増加している場合、折れ線グラフを見ることで改善効果を直感的に把握できます。
改善前後の比較には時系列推移グラフが適している理由
IE改善では、一時的な数値の変化だけではなく、改善後も効果が継続しているかを確認する必要があります。
例えば、ある日に作業時間が短縮されても、その後元に戻ってしまえば本当の改善とは言えません。折れ線グラフを使えば、改善前から改善後までの流れを連続的に確認できます。
改善実施日をグラフ上に縦線や注記で表示すると、「改善を行った後にどのタイミングで変化が発生したか」をさらに分かりやすくできます。
IE改善活動でよく使われるグラフの具体例
IE活動では、目的に応じて以下のような折れ線グラフが利用されます。
| グラフ | 確認できる内容 |
|---|---|
| 作業時間推移グラフ | 改善によって作業時間が短縮されたか |
| 不良率推移グラフ | 品質改善の効果が出ているか |
| 生産数量推移グラフ | 生産性が向上しているか |
| 稼働率推移グラフ | 設備効率が改善されたか |
例えば、ライン改善を行った場合は、改善前30日間と改善後30日間の生産数量を折れ線グラフにすると、改善効果を数値だけではなく視覚的に説明できます。
改善効果を分かりやすく見せるグラフ作成のポイント
単純に数値を線で結ぶだけではなく、改善活動の内容が伝わるように工夫することが大切です。
具体的には、以下のような表示方法が有効です。
- 改善実施日をグラフ上に表示する
- 改善前と改善後で期間を分ける
- 目標値のラインを追加する
- 平均値や基準値を表示する
例えば、目標作業時間を10分として設定している場合、実績値の折れ線と目標ラインを同じグラフに表示すると、目標達成状況が簡単に判断できます。
折れ線グラフ以外にIE改善で活用される分析手法
IE改善では、時系列変化を見る折れ線グラフ以外にも、目的に応じてさまざまな分析方法が使われます。
例えば、原因分析ではパレート図、工程のばらつき確認ではヒストグラム、改善前後の比較では棒グラフなどが利用されます。
ただし、改善活動が時間経過によってどのように影響したかを確認する目的では、折れ線グラフが最も適した方法の一つです。
まとめ
IE改善活動の前後で効果を確認するための代表的な折れ線グラフは、時系列データの推移を表す時系列折れ線グラフです。
作業時間、生産数、不良率などの変化を時間軸で表示することで、改善活動が本当に効果を発揮したのか、効果が継続しているのかを視覚的に判断できます。
改善実施日や目標値を加えてグラフ化すると、現場への説明資料や改善報告書でも説得力のある分析結果として活用できます。


コメント