光回線のケーブルはどれを選ぶ?光ファイバー・LANケーブルの違いとCat6・Cat6Aの選び方を解説

インターネットサービス

光回線を導入したあとにケーブルを購入しようとすると、「光ファイバーケーブル」「光コード」「LANケーブル」「Cat5e」「Cat6」「Cat6A」「Cat7」など多くの種類が見つかり、どれを選べばよいのか分かりにくくなります。

最初に押さえておきたいのは、家庭の光回線では場所によって使うケーブルの種類がまったく違うことです。壁の光コンセントからONUまでを接続するのは光ファイバーの「光コード」、ONUからルーター、ルーターからパソコンやゲーム機などを接続するのは一般的に「LANケーブル」です。

一般家庭で「光回線用にケーブルを買いたい」という場合、ONUより後ろを接続する目的なら、1ギガ回線はCat6、10ギガ回線はCat6Aを基準に選べば分かりやすいでしょう。一方、光コンセントとONUの間に使う光コードについては、通信事業者から提供されたものを使用するのが基本です。本記事では、接続する場所ごとに必要なケーブルと、カテゴリー・長さ・形状などの選び方を整理します。

まず確認|「光回線のケーブル」には大きく2種類ある

家庭の光回線で目にするケーブルは、大きく分けると「光ファイバー」と「LANケーブル」です。この2つは見た目だけでなく、通信方法や接続端子も異なります。

接続する場所 主に使うケーブル 役割
電柱など→住宅 光ファイバー 通信事業者の設備から宅内へ光信号を届ける
光コンセント→ONU 光コード・光ファイバーケーブル 光信号をONUまで届ける
ONU→ルーター LANケーブル Ethernetでデータ通信する
ルーター→パソコン・テレビ・ゲーム機 LANケーブル 家庭内の機器を有線接続する

つまり、「光回線だから家の中のケーブルも全部光ファイバー」というわけではありません。多くの家庭では、光ファイバーを使うのは光コンセントからONU付近までで、その先はLANケーブルを使います。

ONUとは?光ファイバーとLANケーブルの境目になる機器

ONUは「Optical Network Unit」の略で、日本語では光回線終端装置などと呼ばれます。屋外から届いた光信号を、家庭内のネットワーク機器で扱える信号へ変換する役割があります。

一般的な構成は「光コンセント→光コード→ONU→LANケーブル→ルーター」です。ホームゲートウェイなどONUとルーターの機能が一体化した機器が設置される場合もあります。

したがってケーブルを買う前には、「どの機器とどの機器をつなぎたいのか」を確認してください。ONUからWi-Fiルーターまで延長したいのなら、探すべきなのは通常「光ファイバーケーブル」ではなくLANケーブルです。

光コンセントからONUまでのケーブルは原則として付属品を使う

壁に「光」「光コンセントSC」などと表示された差込口があり、そこからONUへ細いケーブルが伸びている場合、それが光コードです。

この部分については、通信事業者や設置されたONUに適合する光コードを使用する必要があります。光ファイバーにはコネクタ形状、研磨方式、シングルモード・マルチモードなど複数の仕様があるため、「光ファイバーと書いてある商品なら何でも接続できる」というものではありません。

現在正常に通信できているのであれば、通信事業者から設置・提供された光コードをそのまま使用するのが安全です。破損・紛失した場合も、型番だけを見て自己判断で購入するより、契約中の光回線事業者へ交換方法を確認すると確実です。

光ファイバーケーブルは強く曲げない

光コードはLANケーブルとは扱い方も異なります。内部には光を通す非常に細いファイバーが入っているため、強く折り曲げたり、家具の脚で踏みつけたり、ドアで挟んだりするのは避けましょう。

特に「長すぎるから」と小さな輪にしてきつく束ねるのはおすすめできません。光ファイバーは許容される曲げ半径を超えて曲げると、通信損失が増えたり破損したりする可能性があります。

光コンセントとONUの位置を離したい場合も、勝手に長い光コードへ変更するより、ONUを現在位置に置いたままONUから先を長いLANケーブルで延長する方が扱いやすいケースが多くあります。

ONUからルーターへつなぐならLANケーブルを選ぶ

一般家庭で自分で購入する機会が最も多いのがLANケーブルです。LANケーブルには「カテゴリー(Category)」という性能区分があり、「Cat5e」「Cat6」「Cat6A」などと表記されています。

現在の家庭用光回線なら、基本的にはCat6またはCat6Aを選べば十分です。

カテゴリー 代表的な伝送速度 伝送帯域 家庭での目安
Cat5e 1Gbps 100MHz 1ギガ回線なら利用可能
Cat6 1Gbps 250MHz 1ギガ回線におすすめ
Cat6A 10Gbps 500MHz 10ギガ回線や将来性重視におすすめ

価格差が小さい場合はCat6以上を選んでおけばよいでしょう。10ギガ光回線で10Gbps対応機器を接続するなら、100mまで10GBASE-Tに対応するCat6Aが分かりやすい選択です。

1ギガ光回線ならCat6で十分

フレッツ光や光コラボなどで最大1Gbpsのプランを利用している場合、家庭内配線にはCat6を基準にすると扱いやすいでしょう。

Cat5eでも1000BASE-Tによる1Gbps通信には対応しています。そのため、すでにCat5eのケーブルを使って正常に1Gbps接続できているなら、「Cat5eだから遅い」と考えて急いで交換する必要はありません。

ただし新しく購入するのであれば、Cat5eとCat6の価格差が小さいことが多いためCat6を選ぶメリットがあります。例えば1Gbps対応ONUと1Gbps対応ルーターを1~3m程度で接続する用途なら、一般的なCat6ケーブルで十分です。

10ギガ光回線ならCat6Aを基準にする

フレッツ 光クロスなど最大10Gbpsクラスの光回線を利用する場合は、Cat6Aを基準にすると分かりやすくなります。

Cat6Aは10GBASE-Tで最大100mの伝送に対応する規格で、ONU・ホームゲートウェイ・ルーター・パソコン間を10Gbpsで接続したい場合に適しています。

例えば「10ギガ対応ONU→10Gbps対応Wi-Fiルーター」を接続するときに古いケーブルを流用すると、ケーブルや機器の条件によっては本来の性能を発揮できないことがあります。10ギガ回線を契約したら、ルーターだけでなくLANケーブルも確認しましょう。

Cat6でも10Gbps通信できる?

Cat6は条件付きで10GBASE-Tに対応しますが、Cat6Aほど長距離での10Gbps通信を前提とした規格ではありません。設置環境などによって利用可能距離が制限されます。

家庭内の短い接続ならCat6で10Gbpsリンクするケースもありますが、「10ギガ回線用にこれから買う」という状況なら、あえてCat6を選ぶよりCat6Aを選ぶ方が分かりやすいでしょう。

一方、1Gbpsまでしか対応していない機器を接続するなら、Cat6Aへ交換したから10Gbpsになるわけではありません。ケーブルだけではなく、両端のLANポートも10Gbpsに対応している必要があります。

Cat7・Cat8ならもっと速くなる?家庭では基本的に不要

通販サイトではCat7やCat8と書かれたケーブルも数多く販売されています。「数字が大きいほど高性能ならCat8を買えば間違いない」と考えたくなりますが、家庭用光回線では必ずしもそうではありません。

一般的な家庭内10ギガEthernetではCat6Aで十分です。Cat8はデータセンターなどを想定した非常に高い性能を持つ規格で、一般家庭の1Gbps・10Gbps接続に必要なものではありません。

また、カテゴリー表記だけでは商品の品質までは判断できません。極端に安価な商品や規格表示が分かりにくい商品より、仕様が明確なメーカー製品を選ぶ方が安心です。「数字が最大の商品」ではなく、「使用する通信速度に必要な規格の商品」を選ぶことが重要です。

10ギガ回線なのに速度が1Gbpsならケーブル以外も確認

10ギガ光回線を契約してCat6Aケーブルを使っていても、パソコンのLAN端子が1Gbpsまでなら、有線LAN接続は原則として1Gbpsを超えません。

例えば次の構成では、10ギガ回線を契約してもパソコンまで10Gbpsでは通信できません。

10ギガ光回線→10Gbps対応ONU→10Gbps対応ルーター→Cat6A→1Gbps対応パソコン

この場合のボトルネックはパソコン側の1Gbps LANポートです。10Gbpsで接続するには、ONUやホームゲートウェイ、ルーター、スイッチングハブ、パソコンのNICなど、通信経路にある機器が必要な速度へ対応している必要があります。

LANケーブルは「速さ」だけでなく長さも重要

LANケーブルは必要以上に長いものを買うより、機器を無理なく接続できる範囲で適切な長さを選びましょう。

例えばONUと隣に置いたルーターを接続するだけなら1m程度で足りることが多く、別の部屋のパソコンまで配線する場合は5m、10m、20mなど実際の経路に合わせます。

部屋の直線距離だけを測るのではなく、壁沿い・家具の後ろ・ドア周辺など実際に通す経路を測り、少し余裕を持たせて購入すると不足を防げます。ただし数mしか必要ない場所に50mのケーブルを使用しても通信が速くなることはありません。

丸いケーブルとフラットケーブルはどちらがよい?

LANケーブルには一般的な丸型のほか、薄いフラットタイプがあります。壁際やカーペットの下などへ配線しやすいのがフラットケーブルの利点です。

一方、長距離配線や安定した施工を重視するなら、規格に適合した一般的な丸型ケーブルを選ぶと扱いやすいでしょう。フラットタイプだから必ず遅いというわけではありませんが、製品ごとの仕様を確認する必要があります。

「ドアの隙間を通したい」という理由で極端に薄いケーブルを選ぶ場合は、ドアによる圧迫や繰り返しの折り曲げで傷めないよう注意してください。

UTPとSTPはどちらを選ぶ?一般家庭ならUTPで十分

LANケーブルを探していると「UTP」「STP」という表記を見ることがあります。UTPはシールドのない一般的なツイストペアケーブル、STPはノイズ対策用のシールドを持つケーブルです。

工場など電気的ノイズの大きな特殊環境ではシールドケーブルが役立つ場合がありますが、一般家庭ではUTPで問題ないケースがほとんどです。

STPはケーブルだけをSTPに交換すれば常に性能が上がるものではなく、シールドを適切に機能させるには接続機器や接地を含めた配線設計が関係します。そのため家庭で「STPの方が数字が強そうだから」という理由だけで選ぶ必要はありません。

LANケーブルの爪折れ防止も意外と重要

LANケーブルのRJ45プラグには、LANポートから簡単に抜けないよう小さな爪があります。この爪は長期間の使用や抜き差しによって折れることがあります。

頻繁に機器を動かしたりケーブルを抜き差ししたりする場合は、「爪折れ防止」「ツメ折れ防止カバー」などを備えたケーブルを選ぶと扱いやすくなります。

ルーターの裏など触らない場所で使うだけなら必須ではありませんが、カテゴリーだけでなくこうした耐久性も商品選びのポイントになります。

壁のLANコンセントが古い場合はケーブル交換だけでは改善しないことがある

各部屋にLANコンセントがある住宅では、手元のLANケーブルだけをCat6Aに交換しても、壁の中の配線が古い規格なら10Gbpsで通信できるとは限りません。

例えば「ルーター→Cat6A→壁のLAN端子→壁内Cat5e→別室LAN端子→Cat6A→パソコン」という構成なら、壁内のCat5e部分も通信経路の一部です。

10ギガ回線へ変更して宅内有線LANも10Gbps化したい場合は、目に見えるパッチケーブルだけでなく、情報分電盤、LANコンセント、壁内ケーブル、スイッチングハブなども確認する必要があります。

LANケーブルを変えてもインターネット速度が必ず上がるわけではない

例えば1ギガ光回線で正常なCat5eケーブルを使用している人がCat6Aへ交換しても、インターネット速度が500Mbpsから900Mbpsへ必ず上がるわけではありません。

通信速度は回線の混雑、プロバイダー、ルーター、端末性能、接続方式、Webサーバー側の状況など多くの要因に左右されます。正常なCat5eですでに1Gbpsリンクしているなら、Cat6Aへ変更してもLANポートの上限は1Gbpsのままです。

一方、「100Mbpsしか出ない」という場合はケーブルの故障や結線状態も確認する価値があります。1000BASE-Tでは4対8芯すべてを利用するため、ケーブル内部の一部が断線していると100Mbpsでしかリンクしないケースがあります。

具体例|1ギガ光回線でONUとWi-Fiルーターをつなぎたい

例えば最大1Gbpsの光回線を利用しており、ONUのすぐ横にWi-Fiルーターを設置するとします。

この場合は、Cat6・1m程度の一般的なLANケーブルを選べば十分です。ONUとルーター双方の1Gbps対応LANポートへ接続します。

Cat7やCat8へ上げても、両端が1Gbps対応機器なら通信リンクが10Gbpsになるわけではありません。将来10ギガ回線へ変更する予定が強いならCat6Aを買っておく選択肢もあります。

具体例|10ギガ光回線でゲーミングPCを有線接続したい

最大10Gbpsの光回線を利用し、10Gbps対応ルーターから10Gbps対応LANポートを搭載したパソコンまで接続するなら、Cat6Aを基準に選ぶとよいでしょう。

例えば「10Gbps対応ルーター→Cat6A→10Gbps対応PC」という構成なら、家庭内LAN部分を10Gbpsでリンクできる条件が整います。

ただし速度測定で常時10Gbps近く出ることを保証するものではありません。10Gbpsは規格上のリンク速度であり、実際のインターネット通信速度は回線・サーバー・機器性能・プロトコル上のオーバーヘッドなどによって低くなります。

具体例|ONUを別の部屋まで移動したい

光コンセントがリビングにあるものの、Wi-Fiルーターを廊下や別室へ置きたい場合、「長い光ファイバーを買ってONUごと移動させよう」と考えることがあります。

しかし家庭では、光コンセントとONUを通信事業者が指定した光コードで接続したままにし、ONUからルーターまでを長いLANケーブルで延長する方が簡単な場合があります。

例えば1ギガ回線ならCat6、10ギガ回線ならCat6Aを必要な長さだけ用意すれば、光ファイバーを自分で扱う範囲を増やさずにルーターの設置場所を変更できます。

迷ったときのケーブル選び早見表

目的 おすすめ
光コンセント→ONU 通信事業者指定・付属の光コード
1ギガONU→ルーター Cat6
1ギガルーター→PC・ゲーム機 Cat6
10ギガONU・ホームゲートウェイ→ルーター Cat6A
10ギガルーター→10Gbps対応PC Cat6A
将来10ギガへ変更予定 Cat6Aを検討
一般家庭でCat7・Cat8 通常は必要なし

この表のように考えると、数多くの商品から選びやすくなります。重要なのは「光回線」という名称だけでケーブルを選ぶのではなく、接続する場所と必要な速度を確認することです。

購入前に確認したいチェックポイント

LANケーブルを購入するときは、最低限次の項目を確認すると失敗を減らせます。

  • 光コードが必要なのかLANケーブルが必要なのか
  • 契約回線が1Gbpsなのか10Gbpsなのか
  • ONU・ルーターのLANポート速度
  • パソコンやゲーム機のLANポート速度
  • 必要なケーブル長
  • 壁内LAN配線を使う場合はそのカテゴリー
  • 丸型・フラット型など設置場所に合った形状
  • 規格や仕様を明確に表示している製品か

特に10ギガ環境では「回線だけ10Gbps」「ルーターだけ10Gbps」「ケーブルだけCat6A」のように一部分だけ高速化しても、経路全体では最も遅い部分がボトルネックになります。

まとめ|1ギガならCat6、10ギガならCat6Aを基準に選ぶと分かりやすい

光回線のケーブル選びで最初に確認するべきなのは、「光コンセントからONUまで」なのか「ONUから先」なのかです。光コンセントからONUまでは光コード、ONUからルーターやパソコンまでは基本的にLANケーブルを使用します。

光コードについてはコネクタや光ファイバーの仕様が関係するため、通信事業者から設置・提供されたものを使用するのが基本です。破損や紛失時は、契約している光回線事業者へ確認すると安全です。

LANケーブルを新しく購入するなら、最大1Gbpsの光回線ではCat6、最大10Gbpsの光回線ではCat6Aを一つの基準にするとよいでしょう。一般家庭なら、数字だけを見てCat7やCat8を選ぶ必要はほとんどありません。

また、高いカテゴリーのケーブルへ交換しただけで回線速度が上がるわけではありません。ONU、ルーター、スイッチングハブ、パソコン、壁内配線など、通信経路全体の対応速度によって上限が決まります。「どこからどこまでを、何Gbpsでつなぎたいのか」を確認してからケーブルを選ぶことが、最も確実で無駄のない方法です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました