Internet Explorer 10(IE10)はWindows 8と同時期に登場したWebブラウザーですが、Windows 8専用だったわけではありません。Microsoftは後からWindows 7向けのIE10も正式に提供しています。
結論として、Windows 7向けIE10は実際に「Internet Explorer 10 for Windows 7」としてMicrosoftから提供されました。Windows 7版は2012年にプレビュー版が公開され、2013年2月26日に正式版が公開されています。
ただし、IE10が最初からWindows 7に搭載されていたわけではなく、Windows 7の標準ブラウザーの歴史やService Packの条件を含めて整理すると分かりやすくなります。
- Windows 7向けIE10は正式に存在した
- IE10は最初にWindows 8へ搭載された
- 「Internet Explorer 10 for Windows 7」の正式版は2013年2月公開
- 正式版の前には「IE10 Release Preview for Windows 7」もあった
- Windows 7版IE10にはService Pack 1が必要だった
- Windows 7の標準IEは時期によって違う
- IE10の後はWindows 7でもIE11へ移行した
- 古いソフトの検証目的ならIE10の存在と現在利用できるかは別問題
- まとめ:IE10は「Internet Explorer 10 for Windows 7」として正式配布された
Windows 7向けIE10は正式に存在した
Microsoftは2013年2月26日、Windows 7向けのInternet Explorer 10を正式公開しました。当時のMicrosoft公式ブログでも「IE10 for Windows 7」として公開が発表されています。[参照] Windows Blog「IE10 for Windows 7」
したがって、「Internet Explorer 10 for Windows 7」という名称は、後から作られた非公式な呼び方というわけではありません。Microsoft自身がWindows 7向け製品を示す名称として使用していました。
正式版は世界各国のWindows 7利用者向けに提供され、その後はWindows Updateを通じた自動更新も進められました。
IE10は最初にWindows 8へ搭載された
IE10の歴史を理解するうえで重要なのが、Windows 8との関係です。Internet Explorer 10はWindows 8に標準搭載され、Windows 8は2012年10月に一般提供されました。
その時点ではWindows 7の多くの環境でIE9が利用されていました。その後、Windows 7向けIE10が別途提供されたという順番です。
つまり、「IE10=Windows 8のInternet Explorer」という理解は一部正しいものの、Windows 7版も正式に存在するということになります。
「Internet Explorer 10 for Windows 7」の正式版は2013年2月公開
Windows 7版IE10の正式公開日は2013年2月26日です。Microsoftは一般利用者だけでなく企業向けにも提供すると発表しました。
公開当時、MicrosoftはIE10によってWindows 7でもWebパフォーマンスや標準規格への対応などが改善されることをアピールしていました。Windows 8で導入されたIE10のWebプラットフォームをWindows 7でも利用できるようになった形です。
時系列を簡単に整理すると次のようになります。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2009年 | Windows 7一般提供。当初はIE8の時代 |
| 2011年 | Internet Explorer 9正式公開 |
| 2012年10月 | Windows 8一般提供。IE10を搭載 |
| 2012年11月 | Windows 7向けIE10 Release Preview公開 |
| 2013年2月26日 | Windows 7向けIE10正式版公開 |
| 2013年 | Internet Explorer 11登場 |
正式版の前には「IE10 Release Preview for Windows 7」もあった
Windows 7向けIE10は、2013年2月に突然登場したわけではありません。正式版に先立って、Microsoftは2012年11月にWindows 7向けのRelease Previewを公開しています。
当時のMicrosoft公式ブログでも「IE10 Release Preview for Windows 7」として発表されています。[参照] Microsoft「IE10 Release Preview for Windows 7」
古いPCやソフトウェアの資料を調べていると、「IE10-Windows6.1」などWindows 7を示す名称を含んだインストーラーや更新パッケージの情報が見つかることがあります。これはWindows 7版IE10が実在したことと矛盾しません。
Windows 7版IE10にはService Pack 1が必要だった
Windows 7向けIE10を利用するうえでは、Windows 7 Service Pack 1(SP1)が重要な条件でした。Microsoftが公開したIE10のシステム要件でも、Windows 7 SP1が対象として扱われています。
そのため、単に「Windows 7ならどの状態でもIE10を入れられた」と理解するのは正確ではありません。更新されていない初期状態のWindows 7ではなく、SP1を適用した環境が基本となります。
Windows Server側ではWindows Server 2008 R2 SP1向けにもIE10が提供されました。Windows 7版について調査するときは、Windows 7 SP1とWindows Server 2008 R2 SP1の情報が同じ資料に出てくる場合があります。
Windows 7の標準IEは時期によって違う
「Windows 7にはIE10が入っていた」という表現には注意が必要です。Windows 7が2009年に発売された時点でIE10はまだ存在していません。
Windows 7登場当初のInternet ExplorerはIE8でした。その後IE9、IE10、さらにIE11へと更新できるようになりました。そのため、中古PCや昔のスクリーンショットでWindows 7上にIE10が表示されていても不思議ではありません。
一方で「Windows 7の発売当初からIE10が標準搭載されていた」という意味なら誤りです。IE10はWindows 7発売から数年後に追加提供されたブラウザーです。
IE10の後はWindows 7でもIE11へ移行した
IE10のWindows 7版が正式公開された2013年には、その後継となるInternet Explorer 11も登場しました。Windows 7向けIE11もMicrosoftから提供されたため、IE10がWindows 7における最終バージョンだったわけではありません。
MicrosoftはInternet Explorerのサポート方針を変更し、2016年1月12日以降、サポート対象OSで利用可能な最新バージョンのInternet Explorerを基本的なサポート対象としました。Windows 7 SP1ではIE11が対象となったため、IE10を使い続ける環境はサポート対象から外れていきました。[参照] Microsoft Lifecycle「Internet Explorer support」
さらにWindows 7自体も2020年1月14日に通常の延長サポートを終了しています。したがって、現在IE10を実用ブラウザーとしてインターネット接続に利用することは推奨できません。
古いソフトの検証目的ならIE10の存在と現在利用できるかは別問題
古いWebシステムやソフトウェアの動作環境を調査していて、「Windows 7+IE10」という構成が本当に存在したのか確認したい場合、その組み合わせ自体は歴史的に正しいものです。
例えば2013年前後の業務システムの動作要件に「Windows 7 SP1 / Internet Explorer 10」と記載されていても不自然ではありません。当時は実際にMicrosoftがWindows 7向けIE10を提供していたからです。
ただし、現在インターネット上で見つけた非公式サイトから古いIE10インストーラーをダウンロードして実行することはおすすめできません。古いブラウザーや出所不明の実行ファイルにはセキュリティ上の問題があります。歴史的な検証と、現在安全に利用できるソフトウェアかどうかは分けて考える必要があります。
まとめ:IE10は「Internet Explorer 10 for Windows 7」として正式配布された
Internet Explorer 10はWindows 7向けにも正式に提供され、Microsoft自身が「IE10 for Windows 7」「Internet Explorer 10 for Windows 7」といった名称を使用していました。
Windows 8ではIE10が標準搭載されましたが、Windows 7には後からIE10が提供されました。Windows 7向けRelease Previewは2012年11月、正式版は2013年2月26日に公開されています。
ただしWindows 7が2009年に発売された時点のブラウザーはIE8であり、IE10が最初からWindows 7へ標準搭載されていたわけではありません。またWindows 7版IE10ではWindows 7 SP1が前提となっていました。
したがって、古い資料などに「Internet Explorer 10 for Windows 7」や「Windows 7 SP1+IE10」という記述があれば、それは実際に存在したMicrosoftのWindows 7向けIE10を指していると考えて問題ありません。


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