自宅のWi-Fiが頻繁に途切れる、家族がスマートフォンやテレビを使うとゲームが重くなる、といった場合は、古いWi-Fiルーターを交換することで改善する可能性があります。2026年現在は1万円以下でもWi-Fi 6やWi-Fi 7対応ルーターを選べるため、何年も前の機種からなら大幅な性能向上を期待できます。
ただし、「高性能なルーターへ交換すればインターネットが必ず速くなる」というわけではありません。光回線そのものの混雑、ONU・ホームゲートウェイ、接続方式、ルーターの設置場所、住宅の広さ、ゲーミングPCの無線LAN性能なども関係します。
特に一軒家でゲーミングPCを使い、家族のスマートフォン、テレビ、ゲーム機、タブレットなど多数の機器を同時接続するなら、単純な最高速度だけでなく、Wi-Fi規格、通信範囲、メッシュ対応、有線LANポートなどを確認して選ぶことが重要です。ここでは予算1万円前後での具体的なおすすめと、ゲームで途切れにくい環境を作る方法を解説します。
- 1万円以下ならTP-Link Archer BE220が有力候補
- ただしArcher BE220は「最高性能のゲーミングルーター」ではない
- ゲーム目的ならPCはWi-Fiより有線LANがおすすめ
- 「Wi-Fiが速い」と「ゲームのPingが低い」は同じではない
- 何台つないでも遅くならないWi-Fiルーターは存在する?
- 一軒家では「高性能な1台」より設置場所の方が重要なこともある
- 木造一軒家でも1台で全部屋をカバーできるとは限らない
- Wi-Fi 7ルーターを買っても古いPCがWi-Fi 7になるわけではない
- Wi-Fiルーター交換前に「今のルーターが本当に原因か」を確認する
- 古いルーターを高い月額料金で使っているなら「レンタル機器」か確認する
- 1Gbpsを超える光回線なら予算1万円にこだわりすぎない
- ゲーマー向けのおすすめ構成
- 購入したらファームウェアを最新にする
- 結局どんなWi-Fiルーターを選べばよい?
- まとめ:1万円以下ならWi-Fi 7も選べるが、ゲームは有線LANが最優先
1万円以下ならTP-Link Archer BE220が有力候補
2026年8月時点で、1万円以下を目安に高性能なWi-Fiルーターを選ぶなら、TP-Link「Archer BE220」は有力候補です。メーカー公式価格は9,800円で、次世代規格のWi-Fi 7に対応しています。[参照] TP-Link公式 Archer BE220
Archer BE220はBE3600クラスのデュアルバンドWi-Fi 7ルーターで、理論上の最大通信速度は5GHzが2,882Mbps、2.4GHzが688Mbpsです。3本の内蔵アンテナとビームフォーミングに対応し、EasyMeshにも対応しています。
また、WANポートは1Gbps、LANポートは1Gbps×4です。ゲーミングPCをLANケーブルで接続しながら、テレビやゲーム機なども有線接続できます。1Gbpsクラスの光回線を使う家庭であれば、価格と性能のバランスが取りやすいモデルです。
ただしArcher BE220は「最高性能のゲーミングルーター」ではない
Archer BE220は1万円以下としては高機能ですが、高級なゲーミングルーターと同等ではありません。WAN・LANポートが最大1Gbpsなので、2Gbps、5Gbps、10Gbpsなどの高速光回線を有線でフル活用したい用途にはボトルネックになります。
また、Wi-Fi 7ではありますが2.4GHz+5GHzのデュアルバンド構成で、6GHz帯には対応していません。Wi-Fi 7だから必ずWi-Fi 6Eの上位機種より高速になる、という単純な比較はできません。
それでも、メーカー公式価格9,800円、Wi-Fi 7、EasyMesh、ギガビットLAN×4という構成は、一般家庭の1Gbps光回線とゲーミングPCを組み合わせる用途では扱いやすいでしょう。[参照] TP-Link公式 Wi-Fiルーター一覧
ゲーム目的ならPCはWi-Fiより有線LANがおすすめ
ゲーミングPCでオンラインゲームをする場合、Wi-Fiルーターを高性能にすること以上に効果が大きい場合があるのがPCとルーターをLANケーブルで直接接続することです。
Wi-Fiは電波を利用するため、壁や床、電子レンジ、近隣のWi-Fi、接続端末などの影響を受けます。ダウンロード速度が十分でも、一瞬のパケットロスや遅延の変動によってオンラインゲームがカクついたり切断されたりすることがあります。
例えばルーターの近くにゲーミングPCがあるなら、PCだけCat6などのLANケーブルで接続し、スマートフォンやタブレットはWi-Fiにする構成がシンプルです。これならゲーム通信を無線環境から切り離せます。
「Wi-Fiが速い」と「ゲームのPingが低い」は同じではない
Wi-Fiルーターの商品ページでは「2,882Mbps」「3.6Gbps」といった数字が大きく表示されます。しかし、これはインターネット上のゲームサーバーまで常時その速度で通信できるという意味ではありません。
オンラインゲームで重要なのはダウンロード速度だけではなく、Ping(遅延)、ジッター(遅延のばらつき)、パケットロスなどです。例えば500Mbps出ていてもパケットロスが発生していればゲームが瞬間的に止まることがあります。一方、100Mbps程度でもPingが安定していれば快適に遊べるゲームは多数あります。
そのため「ゲームが途切れる」という悩みでは、最高速度だけを基準に高価なルーターへ交換するのではなく、有線LAN接続や回線側の状態まで確認する必要があります。
何台つないでも遅くならないWi-Fiルーターは存在する?
「何台接続しても絶対に遅くならない」というWi-Fiルーターはありません。インターネット回線とWi-Fiの通信容量は有限なので、多数の端末が同時に大量通信すれば速度や応答性に影響します。
ただし、新しいWi-Fi 6・Wi-Fi 7世代では、多数の機器が存在する環境を効率よく処理するための技術が採用されています。Wi-Fi 7ではMLO(Multi-Link Operation)などの新しい技術も導入されています。Archer BE220もMLOに対応しており、対応端末との組み合わせで複数の周波数帯・チャンネルを活用できます。[参照] TP-Link公式 MLO・Wi-Fi 7機能
一般家庭でスマートフォン数台、パソコン、テレビ、ゲーム機、スマート家電など十数台が登録されている程度なら、すべてが常時大容量通信をしているわけではありません。そのため、古いルーターから比較的新しいWi-Fi 6・7ルーターへ交換するだけでも安定性が改善する場合があります。
一軒家では「高性能な1台」より設置場所の方が重要なこともある
一軒家では、ルーターの商品スペック以上に設置場所が重要です。例えば1階の端にルーターを置き、2階の反対側にゲーミングPCがある場合、高性能ルーターでも壁や床を何枚も通過するため電波が弱くなることがあります。
ルーターは可能であれば家の中央に近く、床へ直置きせず、周囲に大きな金属製品や水槽などがない場所へ設置します。収納棚の奥や金属製ラックの中へ隠すと、電波環境が悪化する可能性があります。
また「都内だからWi-Fiはつながりやすい」というわけではありません。Wi-Fiは基本的に自宅のルーターから飛ばす電波なので、東京都内か地方かよりも、家の構造、ルーターとの距離、壁や床、近隣Wi-Fiとの干渉などが重要です。
木造一軒家でも1台で全部屋をカバーできるとは限らない
メーカーが「3LDK向け」などと記載していても、実際の到達範囲は住宅によって変わります。鉄筋コンクリートだけでなく、木造住宅でも断熱材、金属、間取り、階段の位置などによって電波状況は変化します。
TP-LinkはArcher BE220についてWi-Fi範囲の目安を3LDKとして案内していますが、これはすべての住宅で同じ結果を保証する数字ではありません。[参照] TP-Link公式 Archer BE220製品情報
2階建て・3階建てで現在も特定の部屋だけ電波が弱いなら、ルーター1台の買い替えだけでなくメッシュWi-Fiも選択肢になります。Archer BE220はEasyMesh対応なので、後から対応ルーターや中継器を追加してカバー範囲を広げることもできます。
Wi-Fi 7ルーターを買っても古いPCがWi-Fi 7になるわけではない
ルーターがWi-Fi 7対応でも、ゲーミングPC側の無線LANアダプターがWi-Fi 5やWi-Fi 6なら、PCはその対応範囲で通信します。ルーターを交換しただけでPC側の無線規格までWi-Fi 7へ変わるわけではありません。
そのためPCを無線接続したい場合は、Windowsのデバイスマネージャーなどから搭載されているWi-Fiアダプターの型番を確認するとよいでしょう。古いゲーミングPCではWi-Fi 5までしか対応していない場合もあります。
もっとも、Wi-Fi 7非対応端末でもArcher BE220には従来規格との互換性があるため接続できます。将来Wi-Fi 7対応スマートフォンやPCへ買い替える予定なら、ルーター側だけ先に対応させておく考え方もあります。
Wi-Fiルーター交換前に「今のルーターが本当に原因か」を確認する
現在「たまに途切れる」という場合、ルーターの老朽化は原因候補ですが、それだけとは限りません。まずゲーミングPCをLANケーブルで直接ルーターへ接続し、それでも同じ時間帯に切断されるか確認すると切り分けできます。
有線LANでは安定し、Wi-Fiだけ切れるなら、ルーターの無線機能、設置場所、電波干渉などが疑われます。反対に有線LANでも同時にインターネットが切れるなら、ONU、ホームゲートウェイ、光回線、プロバイダーなどルーターより上流側の問題も考えられます。
家族全員のスマートフォンやテレビが同時に切れるのか、ゲーミングPCだけ切れるのかも重要です。PCだけならPC側のWi-Fiアダプターやドライバーが原因ということもあります。
古いルーターを高い月額料金で使っているなら「レンタル機器」か確認する
「昔からのWi-Fiをかなり高い値段で使っている」という場合、Wi-Fiルーターそのものを購入しているのではなく、光回線事業者からホームゲートウェイやWi-Fi機器をレンタルしている可能性があります。
市販ルーターを購入しても、光回線契約そのものの料金が自動的に安くなるわけではありません。現在の請求明細を確認し、「光回線料金」「プロバイダー料金」「機器レンタル」「Wi-Fiオプション」など何に料金を払っているのか確認しましょう。
また、回線事業者によってはホームゲートウェイを電話サービスなどにも使用しており、市販ルーターへ完全交換できない場合があります。その場合は既存機器を残し、市販Wi-Fiルーターをアクセスポイントとして追加する構成などを使います。
1Gbpsを超える光回線なら予算1万円にこだわりすぎない
もし自宅が10Gbps光回線などを契約している場合、Archer BE220のような1Gbps WANポート搭載機では回線性能を最大限利用できません。ルーター入口が1Gbpsなので、10Gbps契約の能力を生かすには2.5Gbpsや10Gbps対応ポートを持つ上位機種が必要です。
例えばTP-Linkの上位Wi-Fi 7モデルでは2.5Gbpsや10Gbpsポートを搭載する製品もありますが、価格は1万円を超えます。[参照] TP-Link公式 Wi-Fi 7ルーター一覧
したがってルーター購入前に、自宅の契約回線が1Gbpsなのか10Gbpsなのか確認してください。1Gbps契約なら1万円前後の機種でも十分実用的ですが、10Gbps契約なら予算を上げた方が合理的な場合があります。
ゲーマー向けのおすすめ構成
1Gbps光回線を使う一般的な一軒家で、予算を抑えながらオンラインゲームの安定性を重視するなら、まず「Wi-Fi 7対応ルーター+ゲーミングPCだけ有線LAN」という構成が現実的です。
例えばArcher BE220を家の中央付近へ設置し、ゲーミングPCへCat6のLANケーブルを接続します。スマートフォン、タブレット、テレビ、IoT家電などはWi-Fiへ接続します。これならゲームPCの通信を無線の混雑からある程度切り離せます。
2階などLANケーブルを引けない場所でゲームをするなら、まず新しいルーター1台で電波状況を確認し、不十分ならEasyMesh対応機器を追加する方法があります。最初から高価なメッシュセットを購入するより、必要性を確認して段階的に増設する方法も合理的です。
購入したらファームウェアを最新にする
新しいルーターを購入した後は、初期設定だけで終わらずファームウェアも確認しましょう。Wi-Fiルーターはネットワーク機器なので、発売後も安定性やセキュリティに関する修正が配信されます。
Archer BE220についても2026年7月29日にV2向けファームウェアが公開され、IPv6接続や特定条件下でのWi-Fi接続に関する修正、システムの安定性・セキュリティ向上などが実施されています。[参照] TP-Link公式 Archer BE220ファームウェア
購入時期によって本体のハードウェアバージョンが異なる場合があるため、本体ラベルを確認し、該当する公式ファームウェアを使用してください。
結局どんなWi-Fiルーターを選べばよい?
予算1万円以下、1Gbps光回線、一般的な一軒家、家族で複数端末を利用し、ゲーミングPCも使うという条件なら、2026年時点ではArcher BE220のようなWi-Fi 7・EasyMesh対応モデルは選びやすい候補です。
ただし、「Wi-Fi 7」という文字だけで選ぶ必要はありません。Wi-Fi 6の定評ある機種が安く販売されている場合、それを選んでも十分高速です。重要なのは、自宅の回線速度、住宅の広さ、PCの接続方法に合っていることです。
特にオンラインゲームを最優先するなら、1万円をすべて「ゲーミング」と名前の付いた高価な無線ルーターへ使うより、十分な性能のルーターを選び、PCを有線LAN化する方が安定性を得やすいケースがあります。
まとめ:1万円以下ならWi-Fi 7も選べるが、ゲームは有線LANが最優先
2026年8月時点では、1万円以下でもWi-Fi 7対応ルーターを購入できます。具体的な候補としては、メーカー公式価格9,800円のTP-Link Archer BE220があり、最大3.6GbpsクラスのデュアルバンドWi-Fi 7、EasyMesh、1Gbps LAN×4などを備えています。
一方、「何台つないでも絶対遅くならないルーター」は存在しません。また、一軒家ではルーター1台の性能だけでなく設置場所や間取りが大きく影響します。電波が届かない場所があるなら、後からメッシュWi-Fiを追加することも検討しましょう。
ゲーミングPCについては、可能ならWi-FiではなくLANケーブルで接続するのがおすすめです。ゲームでは最高通信速度よりPing、ジッター、パケットロスの安定性が重要だからです。
そして買い替える前に、現在の光回線が1Gbpsか10Gbpsか、今使っている機器が購入品かレンタル品か、有線LANでも切断されるかを確認してください。1Gbps回線でWi-Fiだけが不安定なのであれば、1万円前後の新しいWi-Fi 6・Wi-Fi 7ルーターへの交換は、費用対効果の高い改善策になり得ます。


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