生活保護を受給していると、dポイントのようなポイントを受け取ったときに「これは収入として申告する必要があるのか」と迷うことがあります。結論からいうと、dポイントだから一律に申告不要、あるいは一律に収入認定されるというわけではありません。重要なのはポイントの名称ではなく、何をした結果としてそのポイントを受け取ったのかです。
普段の買い物で購入金額に応じて付与されるポイントなど、店舗・企業による割引やサービスの一環として付与されるものは、生活保護上の収入として認定しない取扱いが示されています。一方、他人から贈与されたポイントや、現金の代わりとなるような報酬・給付として受け取ったポイントは、収入として扱われる可能性があります。
この記事では、生活保護受給中のdポイントについて、通常ポイント、キャンペーンポイント、もらったポイント、ポイ活などを具体例に分けながら、収入申告が必要になる可能性と安全な確認方法を解説します。
- 生活保護では収入があったときの届出義務がある
- 普通の買い物でもらうポイントは収入認定されない取扱い
- 「dポイントなら申告不要」という意味ではない
- 現金同様に使えるポイントを贈与された場合は注意
- 通常のdポイント還元ならどう考える?
- キャンペーンで大量のdポイントをもらった場合は確認した方が安全
- ポイ活で稼いだdポイントは普通の買い物ポイントとは異なる
- ポイントを現金に交換できるかだけで決まるわけではない
- マイナポイントが収入認定されなかった例もある
- 「収入認定されない」と「何でも黙っていてよい」は別
- ケースワーカーから「ポイントは申告不要」と言われた場合
- ケースワーカーへの確認は記録を残しておくと安心
- ポイントを申告したら必ず保護費が減るわけではない
- 「8,000円以下なら何でも申告不要」というルールでもない
- dポイントのケースを具体的に整理
- 迷った場合にケースワーカーへ伝える内容
- 福祉事務所ごとの説明に疑問がある場合
- まとめ:dポイントは「ポイントだから申告不要」ではなく取得理由で判断する
生活保護では収入があったときの届出義務がある
生活保護は、国が定める最低生活費と世帯の収入を比較し、不足する金額を保護費として支給する制度です。そのため、収入の有無は保護費の決定に関係する重要な情報です。
厚生労働省も、生活保護受給中は収入の状況を申告する必要があると案内しています。就労による給与だけではなく、年金、各種給付、仕送りなども収入として認定される場合があります。
また、生活保護法上は収入、支出その他の生計の状況に変動があった場合、福祉事務所へ届け出ることが求められています。そのため「現金ではなくポイントだから何を受け取っても申告とは無関係」と考えるのは適切ではありません。
普通の買い物でもらうポイントは収入認定されない取扱い
一方で、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、インターネット通販などで商品を購入した際、購入金額に応じて付与される一般的なポイントについては特別な扱いがあります。
厚生労働省の生活保護実務に関する問答では、商品の購入時に付与されるポイントなど、店舗や企業の割引・サービスの一環としての性格を持つものは、収入として認定しない取扱いが示されています。
たとえば1,000円の商品を購入して10ポイントのdポイントを受け取るような通常のポイント還元であれば、実質的には店舗の値引き・顧客サービスに近いものと考えられます。
したがって、ケースワーカーから「買い物でもらう普通のポイントなら収入として扱わない」「申告しなくてもよい」と具体的に説明を受けている場合、その説明には制度上の根拠があります。
「dポイントなら申告不要」という意味ではない
ここで最も注意したいのは、収入認定されないのが「dポイントという名前だから」ではないことです。同じdポイントでも、入手方法によって性質が変わります。
たとえば商品を100円購入するごとに1ポイント付与される通常ポイントと、何かの仕事をして報酬として5,000ポイント受け取るケースでは意味がまったく異なります。
生活保護ではポイントの種類ではなく、そのポイントが値引きなのか、贈与なのか、報酬なのか、給付なのかを見ることが重要です。
| ポイントの例 | 考え方 |
|---|---|
| 通常の買い物で購入額に応じてもらうポイント | 店舗・企業の割引やサービスとして収入認定されないことがある |
| dカード利用額に応じた通常還元 | 通常の利用還元であれば割引・サービスの性格を確認 |
| 家族・知人から譲ってもらったポイント | 贈与に近い性格があり要確認 |
| 仕事の報酬として受け取ったポイント | 就労・報酬収入として扱われる可能性が高い |
| 高額な契約特典・キャンペーン | 内容によって判断が分かれるため福祉事務所へ確認 |
| ポイントサイトで作業などをして得たポイント | 報酬性があれば収入として扱われる可能性がある |
現金同様に使えるポイントを贈与された場合は注意
生活保護の実施要領では、他人からの仕送りや贈与について、社会通念上収入として認定することが適当でないものを除き、基本的に収入として扱う考え方があります。
[参照] 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
そのため、家族から現金1万円をもらう代わりに、自由に買い物へ利用できる1万円相当のポイントを受け取ったような場合、「ポイントだから収入ではない」と単純に扱うことはできません。
商品券、電子マネー、ポイントなどであっても、現金と同じように利用でき、実質的に贈与された財産的価値である場合は収入認定の対象となる可能性があります。
通常のdポイント還元ならどう考える?
たとえばドラッグストアで日用品を2,000円購入し、その買い物に対してdポイントが20ポイント付いたケースを考えてみます。
これは商品購入に伴う通常のポイントサービスであり、一般的には商品の値引きやサービスの一環としての性格があります。こうしたタイプについては生活保護上、収入として認定しない取扱いが示されています。
同じように、普段の買い物で「ポイント2倍デーだったので40ポイントもらった」という程度であれば、そのことだけで給与や仕送りと同じような収入になったと考える必要は通常ありません。
キャンペーンで大量のdポイントをもらった場合は確認した方が安全
一方、キャンペーンポイントは内容が非常に多様なので注意が必要です。「キャンペーンでもらったポイント=すべて申告不要」とは言えません。
たとえば通常の買い物について期間限定でポイント還元率が少し高くなるキャンペーンであれば、通常の販売促進サービス・割引に近いと考えられる場合があります。
しかし、「特定サービスを契約すると10,000ポイント進呈」「抽選に当選して50,000ポイント獲得」「紹介すると1人につき5,000ポイント」といったケースでは、単純な商品購入時の値引きとは性質が異なることがあります。
高額なポイントや、契約・紹介・応募・報酬などを条件に付与されたポイントについては、自分だけで「ポイントだから申告不要」と判断せず、ケースワーカーへ確認するのが安全です。
ポイ活で稼いだdポイントは普通の買い物ポイントとは異なる
いわゆる「ポイ活」によってポイントを得る場合も、どのように獲得したかによって扱いが変わります。
自分が日用品を購入したことに対する通常還元であれば、販売店による割引サービスに近いケースがあります。一方、アンケート回答、広告案件の達成、サービスへの登録、ゲーム、作業、紹介などによって継続的にポイントを獲得する場合は、報酬やその他の収入に近い性格を持つことがあります。
たとえば毎月ポイントサイトで作業を行い、5,000円相当のポイントを受け取り、それをdポイントへ交換して生活費に利用している場合、「最終的にdポイントになったから収入ではない」とは判断できません。元となった収入の性質を見る必要があります。
ポイントを現金に交換できるかだけで決まるわけではない
「現金化できないポイントなら収入ではない」と考える人もいますが、それだけで判断することもできません。
現金へ直接交換できなくても、食料品、日用品、衣類などの購入に1ポイント=1円相当で利用できれば、実質的な経済的価値があります。生活保護の実務では、現金に似た価値を持つ商品券、電子マネー、ポイントなどについて、その取得原因を見て判断します。
反対に、経済的価値があるポイントであっても、通常の商品購入時に店舗サービスとして付与されたものであれば、収入として認定しない取扱いがあります。つまり「換金できるか」だけではなく「なぜ受け取ったか」が重要です。
マイナポイントが収入認定されなかった例もある
過去には国のマイナポイント事業について、厚生労働省が生活保護制度上の取扱いを明確に示した例があります。
厚生労働省はマイナポイント第2弾について、生活保護受給者がポイントを受け取った場合、収入として認定しないとする事務連絡を自治体へ発出しました。
[参照] 厚生労働省「マイナポイント第2弾の生活保護制度上の取扱い」
この例からも分かるように、「ポイント」という形だけで扱いが決まるのではなく、その制度や付与目的に応じて収入認定の可否が判断されます。
「収入認定されない」と「何でも黙っていてよい」は別
ポイントについて混乱しやすいのが、「収入認定されないこと」と「福祉事務所へ何も伝えなくてよいこと」の関係です。
日常の買い物で少額のポイントが付与されるたびに、1ポイント単位ですべて申告するよう求められていない福祉事務所もあります。実際、通常の商品購入ポイントについては収入認定しない扱いが示されているためです。
ただし、高額ポイントや特殊なキャンペーン、贈与、ポイ活報酬などについて、自分で通常ポイントと同じだと判断して申告しないのは避けた方が安全です。生活保護の具体的な収入認定は、最終的に保護を実施している福祉事務所が個別事情を確認して判断します。
ケースワーカーから「ポイントは申告不要」と言われた場合
担当ケースワーカーから直接「ポイントは申告しなくていい」と説明された場合は、まず何のポイントについての説明だったのかを整理すると安心です。
たとえば「スーパーやコンビニの買い物で付くdポイントは報告しなくていい」という説明であれば、商品の購入に伴うポイントを収入認定しないという取扱いと一致します。
一方、「ポイントという名前が付いているものは、10万円相当でも仕事の報酬でも全部申告しなくていい」という意味まで含むとは考えない方がよいでしょう。
不安であれば、「買い物で付く通常ポイントだけですか。それともキャンペーンで数千・数万ポイントもらった場合も同じですか」と具体的に確認すると認識違いを防げます。
ケースワーカーへの確認は記録を残しておくと安心
金額が大きい場合や判断に迷う場合は、ポイントの付与履歴を見せながらケースワーカーへ相談する方法が確実です。
たとえば「dカードの買い物で500ポイント付いた」「携帯電話の契約キャンペーンで10,000ポイント付いた」など、取得理由と金額をそのまま伝えます。
電話や面談で確認した場合は、確認した日、担当者、説明内容をメモしておくと後から分からなくなったときに役立ちます。可能であればポイント履歴やキャンペーンページのスクリーンショットも保存しておくとよいでしょう。
ポイントを申告したら必ず保護費が減るわけではない
「相談すると保護費を減らされるのでは」と不安になり、確認すること自体を避ける人もいます。しかし、福祉事務所へ伝えたものがすべて収入認定されるわけではありません。
まず本人が取得状況を説明し、そのポイントの性質を福祉事務所が判断します。通常の商品購入ポイントであれば、収入として認定しないという取扱いがあります。
そのため、判断の難しいポイントについては隠して後から問題になるより、先に「このポイントは収入申告の対象ですか」と確認する方が安全です。
「8,000円以下なら何でも申告不要」というルールでもない
生活保護について調べると「8,000円までなら収入にならない」といった情報を見かけることがありますが、これをすべての収入に当てはめるのは誤りです。
生活保護の実施要領には、一部の臨時的収入などについて8,000円という基準が設けられている項目がありますが、給与、仕送り、贈与、ポイントなどすべてについて「8,000円以下なら申告しなくてよい」という制度ではありません。
[参照] 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
ポイントについては金額だけではなく、そのポイントを何によって取得したのかを確認することが重要です。
dポイントのケースを具体的に整理
| 取得例 | 対応の目安 |
|---|---|
| コンビニで買い物して10ポイント獲得 | 通常の購入ポイントなら収入認定されない取扱いが基本 |
| dカードで通常の買い物をして還元 | 通常還元の性質なら収入認定されない可能性が高い |
| ポイントアップデーで通常より多く獲得 | 販売促進サービスの範囲か確認 |
| 携帯・金融サービス契約で10,000ポイント獲得 | 契約特典の内容により判断が必要。ケースワーカーへ確認 |
| 知人から10,000ポイントを譲り受けた | 贈与として収入認定される可能性があるため申告・相談 |
| 仕事の代金を10,000ポイントで受け取った | ポイントでも報酬のため収入として扱われる可能性が高い |
| ポイ活を継続して毎月ポイントを稼いでいる | 案件内容・取得方法をケースワーカーへ申告・相談 |
このように、同じdポイント残高に加算されるものであっても、取得経路によって生活保護上の扱いは変わり得ます。
迷った場合にケースワーカーへ伝える内容
ポイントの扱いが分からない場合は、「dポイントがあります」だけではなく、次の情報をまとめて担当ケースワーカーへ伝えると判断してもらいやすくなります。
- ポイントの名称
- 何ポイント受け取ったか
- いつ受け取ったか
- 何をした結果として付与されたのか
- 通常の買い物還元なのか
- キャンペーンや契約特典なのか
- 他人からもらったものなのか
- 仕事や作業の報酬なのか
たとえば「ドラッグストアで5,000円買ったことで50dポイント付与されました」と伝えれば、普通の商品購入ポイントだと分かります。
一方、「通信サービスを新しく契約して20,000dポイントをもらいました」と伝えれば、福祉事務所がそのキャンペーンの性質を確認して判断できます。
福祉事務所ごとの説明に疑問がある場合
生活保護は国の法律・通知などに基づいて福祉事務所が実施していますが、実際のケースでは取得経緯や金額など個別事情の確認が必要になります。
担当者から説明を受けても意味が分からない場合は、「通常の買い物ポイントだから収入認定しないという意味ですか」と根拠を具体的に確認して構いません。
厚生労働省も、生活保護についての相談先は住んでいる地域を所管する福祉事務所であると案内しています。
まとめ:dポイントは「ポイントだから申告不要」ではなく取得理由で判断する
生活保護受給中のdポイントについては、「ポイントなら全部収入申告不要」という理解は正確ではありません。一方で、商品購入時に付与される通常のポイントなど、店舗・企業による割引やサービスの一環として付与されるものについては、生活保護上の収入として認定しない取扱いが示されています。
そのため、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどで通常の買い物をして付いた少額のdポイントについて、ケースワーカーから「これは申告しなくてよい」と説明されたのであれば、その説明には制度上の根拠があります。
ただし、他人から贈与されたポイント、仕事の報酬として受け取ったポイント、ポイ活で継続的に得たポイント、高額な契約キャンペーンなどは、普通の買い物ポイントと同じ扱いになるとは限りません。
特に高額なdポイントや取得方法が特殊なものについては、自分で判断せず「何をして、何ポイント受け取ったか」を担当ケースワーカーへ伝えて確認するのが最も安全です。収入認定されるかどうかと、確認・申告する必要があるかは個別事情によって異なるため、ポイントの名前ではなく取得原因を基準に考えましょう。


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