スマートフォンを使っていると、突然広告ページが表示されたり、閉じても別の広告が開いたりして、まともに操作できなくなることがあります。このような症状を見ると「スマホがウイルスに感染したのでは?」と心配になるかもしれません。
実際、悪意のあるアプリなどが原因で広告が繰り返し表示されるケースはあります。ただし、広告が勝手に表示されるという症状だけでウイルス感染と断定することはできません。Webサイトの悪質な広告、ブラウザの通知、広告表示を目的としたアプリなど、複数の原因が考えられます。
この記事では、スマホで勝手に広告が開く主な原因と、Android・iPhoneで確認したいポイント、安全に対処するための手順を解説します。
スマホがウイルスに感染すると勝手に広告が開くことはある?
スマホに不審なアプリや悪意のあるソフトウェアが入り込んだ場合、ユーザーの意図とは関係なく広告を表示したり、特定のWebページへ誘導したりすることはあり得ます。特に広告を大量に表示するタイプは一般に「アドウェア」と呼ばれます。
例えば、ホーム画面を表示しているだけなのに突然全画面広告が現れたり、広告を閉じても短時間で再び表示されたりする場合は、インストールされているアプリが広告表示に関与している可能性があります。
一方、ブラウザで特定のWebサイトを閲覧しているときだけ広告が次々に表示される場合は、端末そのものが感染しているとは限りません。そのWebサイトに掲載された広告やリダイレクトによって別ページが開いている可能性もあります。
「ウイルスに感染しました」という広告自体が偽物の場合もある
注意したいのが、Webサイトを閲覧している最中に突然表示される「あなたのスマートフォンはウイルスに感染しています」「○個のウイルスが検出されました」などの警告です。
こうした表示には、利用者を不安にさせてアプリをインストールさせたり、偽のサポート窓口へ連絡させたりする目的のものがあります。Webページ上に警告が出ただけで、端末が本当にウイルス感染していると判断することはできません。
例えば「残り2分以内にウイルスを削除してください」などとカウントダウンを表示し、ボタンを押すよう要求するケースがあります。このような画面が出ても、表示された電話番号への連絡、アプリのインストール、クレジットカード情報やパスワードの入力などは避け、まずページを閉じることが重要です。
広告が勝手に開く主な原因
突然の広告表示にはいくつかの原因があります。症状が発生するタイミングを確認すると原因を絞り込みやすくなります。
| 症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 特定サイトを見ていると広告が開く | サイト内広告・ポップアップ・リダイレクトなど |
| ブラウザを閉じても通知欄に広告が来る | Webサイトの通知を許可している可能性 |
| ホーム画面でも突然広告が表示される | インストールしたアプリなどが関与している可能性 |
| 広告を閉じても繰り返し別ページが開く | 不審なアプリや悪質なWebページなど複数の可能性 |
特にAndroidでは、Google Play以外から入手したアプリ(APKなど)をインストールした後に症状が始まった場合、そのアプリを重点的に確認する必要があります。ただしGoogle Playから入れたアプリであれば必ず安全という意味ではないため、最近追加したアプリを確認することが大切です。
iPhoneの場合も、Webサイトのポップアップや不審なカレンダー通知などをウイルス感染と勘違いするケースがあります。症状がどのアプリ・画面で発生しているのかを整理してみましょう。
広告でスマホを操作できないときの対処法
広告が連続して表示される場合、慌てて広告内のボタンを押すのではなく、原因を切り分けながら対処します。まず広告がブラウザ内だけで表示されるのか、ホーム画面でも表示されるのかを確認してください。
1.ブラウザを終了する
特定のWebページを開いた直後から広告が止まらなくなった場合は、そのページを操作し続けるのではなく、ブラウザのタブを閉じます。操作が難しければブラウザアプリ自体を終了し、必要に応じて端末を再起動します。
2.最近インストールしたアプリを確認する
アプリをインストールした直後から広告が出始めた場合は、そのアプリとの関連を疑います。特に提供元がよく分からないアプリや、公式ストア以外から導入したアプリは注意が必要です。
不要または不審なアプリがあれば削除します。ただし、端末に最初から入っているシステムアプリについては、用途を確認せずむやみに削除・無効化しない方が安全です。
3.ブラウザの通知設定を確認する
Webサイトから「通知を許可しますか?」と表示された際に許可すると、その後ブラウザを使用していないときでも通知が届くことがあります。不審なサイトから広告のような通知が届く場合は、ブラウザのサイト通知設定を確認して不要な許可を解除します。
4.OSとアプリを最新状態にする
AndroidやiOS、利用しているアプリは可能な範囲で最新状態に更新します。アップデートには機能追加だけでなく、発見されたセキュリティ上の問題を修正する目的もあります。
Androidで特に確認したいポイント
Androidでホーム画面などにも広告が出る場合は、最近インストールしたアプリの一覧を確認すると手掛かりになることがあります。症状が始まった日とアプリを追加した時期を照らし合わせてみましょう。
また、GoogleにはAndroid端末のアプリを確認する「Google Play プロテクト」が用意されています。Google Playの公式ヘルプなどで最新の利用方法を確認するとよいでしょう。
[参照] Google Play プロテクトで有害なアプリから保護する(Google公式)
広告が激しく通常操作が難しい場合は、Androidのセーフモードで起動して原因となるアプリを切り分けられる場合もあります。ただしセーフモードの起動方法はメーカーや機種によって異なるため、端末メーカーの公式サポート情報を確認してください。
iPhoneで確認したいポイント
iPhoneでSafariを使用中に不審なポップアップが表示される場合、Appleはポップアップや不要な広告への対処方法を案内しています。設定や操作方法はOSの更新で変わることがあるため、最新情報はApple公式サポートを確認するのが確実です。
[参照] Safariのポップアップ広告や不要な広告について(Apple公式)
「ウイルスを検出しました」と表示されたからといって、そこで案内されるアプリを反射的にインストールする必要はありません。警告画面そのものが利用者を誘導する広告である可能性を考え、表示内容ではなく端末の設定や公式サポート情報を基準に判断します。
広告を押して個人情報を入力してしまった場合
不審な広告を開いただけの場合と、そこでID・パスワードやカード情報を入力した場合では対応が異なります。入力までしてしまった場合は、広告を消すだけではなく、入力した情報への対処も必要です。
例えば通販サイトを装ったページでパスワードを入力した場合は、本物のサービスへ公式アプリやブックマークなど安全な経路からアクセスしてパスワードを変更します。同じパスワードを別サービスでも使い回している場合は、そちらも変更することが重要です。
クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社の公式窓口へ連絡して対応を確認します。不審なアプリをインストールしてしまった場合も、単に広告画面を閉じるだけで済ませず、そのアプリの削除や端末の確認を行いましょう。
それでも広告が止まらない場合は初期化も選択肢
不審なアプリを削除しても広告が止まらず、原因を特定できない場合は、必要なデータを安全にバックアップしたうえで端末を初期化することも選択肢になります。ただし、初期化すると端末内のデータや設定が消えるため、最初から行う対処方法ではありません。
自分で判断できない場合は、スマートフォンのメーカー、携帯電話会社、Apple Storeなど正規のサポート窓口へ相談する方法もあります。広告画面に表示された「サポート窓口」の電話番号ではなく、必ず公式サイトや契約書類などから正規の連絡先を確認してください。
また、金銭を要求されたり個人情報を入力してしまったりして詐欺被害が疑われる場合には、消費生活センターなど公的な相談窓口への相談も検討できます。
まとめ
スマホで勝手に広告が開き、操作が困難になる症状は実際に起こり得ます。不審なアプリやアドウェアが原因となる場合もありますが、広告が表示されたという事実だけではウイルス感染とは断定できません。
特定のWebサイトだけで起きるのか、ホーム画面でも起きるのか、最近新しいアプリを入れたかなどを確認すると原因を絞り込みやすくなります。「ウイルス感染」と表示する広告そのものが偽警告の場合もあるため、画面の指示に従ってアプリを入れたり個人情報を入力したりしないことも重要です。
不審な広告が出たときは、広告の内容を信用して操作するのではなく、ブラウザ・通知設定・インストール済みアプリを確認し、必要に応じてメーカーなどの公式サポートを利用するという順序で対処すると安全です。


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