楽天モバイルは自社の4G・5Gネットワークを拡大する一方、つながりにくい場所を補完するためKDDI(au)のネットワークを利用する国内ローミングも活用してきました。特に地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設や都市部の一部繁華街では、auローミングが楽天モバイルの通信品質を補う役割を果たしてきたため、2026年秋以降のエリア品質を気にしている利用者も多いでしょう。
重要なのは、2026年9月30日が現在公表されているローミング提供期間の区切りではあるものの、「2026年10月1日に全国のauローミングが一斉に完全終了する」と確定しているわけではないことです。KDDIの公式情報では、さらなる延長について両社で協議して決定するとされています。また、KDDIの2026年5月の決算説明でも10月以降の協調を想定した説明が出ています。本記事では、現在公表されている情報を整理しながら、地下街や繁華街で楽天モバイルが使えるのかを解説します。
- 楽天モバイルのauローミングは2026年9月30日までが現在の契約期間
- 「この秋にauローミングが全部終わる」とはまだ断定できない
- 現在のauローミングも「都市部のどこでも使える」わけではない
- 地下街・地下鉄は楽天モバイル自身のネットワーク整備も進んでいる
- そもそも地下鉄では携帯各社が設備を共用するケースもある
- 繁華街で重要なのは「圏外になるか」だけではなく混雑時の容量
- 楽天モバイルのプラチナバンドは地下・屋内対策にどこまで効く?
- 2026年秋以降に地下街や繁華街で「耐えられるか」は場所による
- 2026年10月以降もauローミングが残る可能性はある
- 災害・大規模障害時の「JAPANローミング」は通常のauローミングとは別物
- 楽天モバイルをメイン回線にしている人が秋までに確認したいこと
- まとめ:2026年9月末は区切りだが、auローミング完全終了はまだ確定ではない
楽天モバイルのauローミングは2026年9月30日までが現在の契約期間
KDDIは楽天モバイルへのauネットワークのローミング提供について、現在の提供期間を2019年10月1日から2026年9月30日までと公式サイトで案内しています。楽天モバイルが携帯電話事業へ本格参入した当初、自社基地局だけでは全国を十分にカバーできなかったため、KDDIのLTEネットワークを補完的に利用する仕組みが導入されました。
2023年にはKDDI、沖縄セルラー、楽天モバイルの3社が新たなローミング協定を締結しました。それまでローミング対象外だった東京都23区、名古屋市、大阪市についても、一部の繁華街を新たにローミング対象へ追加しています。さらに地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設など一部のインドアエリアについてもローミング提供を継続することになりました。
[参照] KDDI:KDDIと楽天モバイル、新たなローミング協定の締結について
[参照] KDDI:楽天モバイル株式会社サービスへのローミング提供について
「この秋にauローミングが全部終わる」とはまだ断定できない
2026年9月30日という日付だけを見ると、「10月から楽天モバイルはau回線を一切使えなくなる」と考えがちです。しかしKDDIの公式ページには、ローミング提供期間のさらなる延長については両社協議のうえ決定すると明記されています。
さらにKDDIが2026年5月12日に実施した2026年3月期決算説明会では、楽天モバイルへのローミングについて「7年目の契約が終了する一つの区切り」としつつ、10月以降についてもどのように協調できるかを仮定して業績計画を試算しているとの説明がされています。
つまり、2026年8月時点で確実に言えるのは「現契約上の提供期間が2026年9月30日まで」ということです。10月以降に完全終了するのか、一部地域や施設で延長するのか、別の形で協力を続けるのかは、正式発表を確認する必要があります。
現在のauローミングも「都市部のどこでも使える」わけではない
楽天モバイルのauローミングについて理解するときは、現在でも楽天ユーザーが常に楽天回線とau回線の好きなほうへ接続できるわけではない点に注意が必要です。ローミングはKDDIと楽天モバイルが定めた対象エリアで提供されています。
KDDIが2026年時点で公表しているローミング対象は、全国の対象地域に加え、地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設や観光名所などの一部、東京都23区・名古屋市・大阪市の繁華街エリアの一部です。一方、東京23区・名古屋市・大阪市の一般的なエリアについては、原則として楽天モバイル自身のネットワークが中心です。
そのため「都市部では今まで全部auだったものが秋から楽天回線へ切り替わる」という単純な話ではありません。繁華街でも場所によって、すでに楽天回線を利用している場所とauローミングで補完されている場所が混在しています。
地下街・地下鉄は楽天モバイル自身のネットワーク整備も進んでいる
地下空間については、「auローミングがなくなったら地下鉄全体で圏外になる」と考える必要もありません。楽天モバイルは地下駅や駅間について、自社サービスとして利用できる場所を公式サイトで公開しています。
楽天モバイルの地下鉄対応ページでは、各路線について駅・駅間ごとの利用可否を確認できます。掲載された駅では、駅ホーム、改札、車内などの調査によって4G回線を利用できることを確認したと案内されています。
[参照] 楽天モバイル:楽天モバイルがつながる地下鉄の各路線の停車駅・駅間
さらに楽天モバイルは2026年に東京の地下鉄ネットワークの強化を進めています。東京メトロでは2026年3月から7月にかけて多数の駅でネットワーク強化を予定・実施し、8月以降も西新宿、赤坂見附、麻布十番、六本木一丁目など複数の駅で順次強化するとしています。
そもそも地下鉄では携帯各社が設備を共用するケースもある
地下鉄や長いトンネルは、地上の基地局から電波を直接届けるのが難しい特殊な環境です。そのため屋外の基地局と同じように「楽天の基地局」「auの基地局」が道路沿いに並んでいるとは限りません。
地下鉄などでは携帯電話各社が共用設備を利用してサービスを提供するケースがあります。楽天モバイル自身もプラチナバンドの商用サービス開始時に、通信品質改善策として地下鉄・鉄道の駅間、鉄道トンネル、地下街などにおける共用基地局の整備を推進すると説明しています。
[参照] 楽天モバイル:プラチナバンド700MHz帯での商用サービス開始
このため、auローミング契約の変更と地下鉄の楽天モバイルエリアは必ずしも一対一の関係ではありません。地下施設で楽天モバイル自身のサービスとして利用できる設備が整えば、ローミングに頼らず通信できる場所も増えていきます。
繁華街で重要なのは「圏外になるか」だけではなく混雑時の容量
新宿、渋谷、池袋、梅田、難波、名古屋駅周辺など人が非常に多い繁華街では、電波が届くかどうかだけでなく、基地局がどれだけ多くの通信を処理できるかも重要です。
例えばアンテナ表示が4本や5本あっても、駅前で数万人が同時にスマートフォンを利用すると、通信速度が大幅に低下することがあります。これは楽天モバイルだけでなく、ドコモ、au、ソフトバンクでも発生し得るモバイルネットワーク共通の問題です。
KDDIのローミングエリア案内でも、サービスエリア内であっても回線状況によって通信速度が大幅に低下したり、通信できなくなったりする場合があり、年末年始やイベント開催時などには混雑でつながりにくくなることがあると注意書きされています。
[参照] KDDI:楽天モバイル向けローミングサービス提供エリア
楽天モバイルのプラチナバンドは地下・屋内対策にどこまで効く?
楽天モバイルは2024年6月から700MHz帯、いわゆるプラチナバンドの商用サービスを開始しています。一般に低い周波数帯の電波は高い周波数帯と比べて回り込みやすく、建物内部などへ届きやすい特徴があります。
そのため楽天モバイルがプラチナバンド対応基地局を増やせば、従来の1.7GHz帯だけでは電波が弱くなりやすかった屋内や建物の陰などで通信品質を改善できる可能性があります。これはauローミングへの依存を減らしていくうえでも重要な要素です。
ただし、プラチナバンドがあるから地下深くまで地上基地局の電波が必ず届くわけではありません。地下街や地下鉄では専用設備や共用基地局などが必要になる場所も多いため、「プラチナバンド開始=地下の問題がすべて解決」と考えるのは適切ではありません。
2026年秋以降に地下街や繁華街で「耐えられるか」は場所による
結局のところ、2026年秋以降の楽天モバイルが地下街や繁華街で十分に使えるかどうかは、全国一律には判断できません。楽天モバイル自身の基地局が十分に整備された場所ではローミングがなくても問題にならない一方、現在もauローミングへの依存度が高い特定の屋内施設などでは、代替整備の進捗が重要になります。
特に通勤・通学で毎日利用する地下駅、地下街、勤務先ビルなどがある場合は、全国人口カバー率よりも自分が日常的に使う数か所で通信できるかのほうが実用上は重要です。同じ新宿駅周辺でも地上、地下ホーム、地下街、ビルの高層階、地下飲食店では電波状況が大きく異なる場合があります。
楽天モバイル自身もサービスエリアマップについて、高速データ無制限エリア内であっても地下、屋内、大きな商業ビル内部などでは通信速度が変化する場合があると案内しています。そのためエリアマップは目安として利用し、重要な場所では実際の利用状況も確認するのが確実です。
2026年10月以降もauローミングが残る可能性はある
現在の公表資料を見る限り、2026年9月30日はあくまで現行のローミング提供期間の終了日です。KDDIは公式ページで「さらなる延長については両社協議の上決定」としており、すでに完全終了が確定したとは記載していません。
またKDDIの2026年5月の決算説明では、楽天モバイル向けローミング収入が段階的に減少していることを説明しつつ、10月以降もどのように協調できるかを仮定して計画を作成していることが示されています。
したがって、現実的には「全国で現在と同じローミングをそのまま継続」「9月末ですべて終了」という二択だけでなく、必要性の高い施設やエリアだけ何らかの形で協力を継続する可能性なども考えられます。ただし、正式な対象地域や期間については両社からの発表が出るまでは断定できません。
災害・大規模障害時の「JAPANローミング」は通常のauローミングとは別物
2026年4月には、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなどによる「JAPANローミング」も開始されています。これは大規模災害や通信障害などで契約先のネットワークを利用できなくなった際、他社ネットワークを一時的に利用できる非常時向けの仕組みです。
名称に「ローミング」と付いているため混同しやすいのですが、楽天モバイルが通常時のエリア補完として利用しているKDDIとのパートナー回線ローミングとは目的が異なります。JAPANローミングが開始されたからといって、日常的に楽天ユーザーがau回線を自由に利用できるようになったわけではありません。
[参照] KDDI:非常時の通信を支える「JAPANローミング」を2026年4月1日に提供開始
楽天モバイルをメイン回線にしている人が秋までに確認したいこと
楽天モバイルを日常のメイン回線として利用している場合、2026年秋に向けて過度に心配する必要はありませんが、自分の生活圏を確認しておくと安心です。特に仕事で通話や通信が必須の人は、通勤路、勤務先、地下鉄、地下街などを重点的に確認するとよいでしょう。
確認項目としては次のようなものがあります。
- 楽天モバイルの最新サービスエリアマップで自宅・職場を確認する
- 利用する地下鉄の駅・駅間が楽天モバイル対応になっているか確認する
- 地下街や大型商業施設では実際に通信できるか試す
- 昼休みや夕方など混雑時間帯の通信速度も確認する
- KDDIと楽天モバイルから2026年10月以降のローミングに関する正式発表が出ていないか確認する
どうしても通信断が困る業務用途なら、異なるキャリアのデュアルSIMを利用する方法もあります。例えば楽天モバイルをデータ通信の主回線にし、別キャリアの低容量プランをバックアップとして入れておけば、一方が圏外になった場合のリスクを抑えられます。
まとめ:2026年9月末は区切りだが、auローミング完全終了はまだ確定ではない
楽天モバイルへのKDDI・auローミングについて、現在公式に公表されている提供期間は2026年9月30日までです。しかし、KDDIはその後の延長について両社協議で決定すると明記しており、2026年8月時点で「10月1日からauローミングが全国一斉に完全終了する」と断定できる状況ではありません。
地下街や繁華街についても、現在の通信がすべてauローミングに依存しているわけではありません。楽天モバイルは自社基地局、プラチナバンド、地下鉄・トンネル・地下街の共用設備などを組み合わせてエリアを強化しており、2026年には東京地下鉄でも大規模なネットワーク強化を進めています。
一方で、地下深くの施設や大型ビルなど、場所によって通信品質に差が出る可能性は残ります。したがって「楽天モバイルは秋から都市部で使えなくなる」と一括りにするのも、「プラチナバンドがあるので地下でも完全に問題ない」と考えるのも適切ではありません。最終的には2026年10月以降のローミングに関する両社の正式発表と、自分が利用する地下駅・地下街・繁華街の実際の楽天回線整備状況を確認することが重要です。


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