海外旅行や出張でスマートフォンを使うとき、これまでは海外用eSIMやレンタルWi-Fiを別途契約する方法が一般的でした。しかしソフトバンクでは、2026年から対象料金プランの利用者向けに「海外データ放題」を提供しており、200以上の国・地域で一定期間、追加料金なしのデータ通信を利用できます。
普段使っているソフトバンクのSIMをそのまま海外でも利用できるため、別のeSIMを購入してインストールしたり、現地でSIMを入れ替えたりする手間が少ないのが大きな特徴です。一方で、すべてのソフトバンク利用者が無条件で1カ月無料になるわけではなく、契約している料金プランによって無料で使える日数が異なります。
また「データ使い放題」といっても、極端に大量の通信を行った場合の速度制御や、渡航先で接続する現地通信会社による通信品質の違いがあります。海外用eSIMと比較するときは、料金だけでなく利用日数、接続のしやすさ、電話番号をそのまま使える点なども確認しておくことが重要です。
- ソフトバンクの「海外データ放題」とは
- 本当に無料?正確には「追加料金なし」
- 無料で使える日数は料金プランによって違う
- 「1カ月使い放題」の対象なら海外eSIMが不要になる可能性が高い
- 通信速度は現地の提携通信会社によって変わる
- YouTubeは見られる?動画視聴も可能
- 3日・5日タイプは24時間10GB超で速度制御の対象になる
- 1カ月タイプにも大量通信時の制御条件がある
- テザリングも利用できる
- 利用開始には現地で手続きが必要
- 海外eSIMとの違い
- 海外eSIMのほうが有利になるケースもある
- アメリカ・ハワイなら「アメリカ放題」も確認したい
- 海外での通話とSMSは基本的に別料金なので注意
- 現地到着後につながらない場合の確認ポイント
- 出発前に確認しておきたいチェック項目
- 結局、trifaなどのeSIMとどちらを選ぶべき?
- まとめ|対象プランなら海外データ放題はかなり使いやすい選択肢
ソフトバンクの「海外データ放題」とは
海外データ放題は、ソフトバンクの対象料金プランを契約している利用者が、対象となる200以上の国・地域でデータ通信を追加料金なしで利用できるサービスです。ソフトバンク公式では、海外あんしん定額の「定額国L」に該当するエリアを対象として案内しています。[参照:ソフトバンク公式「海外データ放題」]
海外へ行くためだけに新しいSIMを契約する必要はなく、日本で使用しているソフトバンクのSIM・eSIMをそのまま利用できます。渡航先でデータローミングを有効にし、必要な利用開始手続きを行えば通信できます。
対象料金プランに加入していれば、海外用eSIMを別途購入しなくても追加料金なしで利用できる可能性があるのが最大のメリットです。
本当に無料?正確には「追加料金なし」
海外データ放題は、対象料金プランの月額料金を支払っている利用者が、その特典として海外データ通信を利用するサービスです。そのため「完全に何も契約せず無料」という意味ではなく、対象のソフトバンク料金プランを契約していることを前提に、海外利用分の追加料金が発生しないという意味になります。
例えば海外用eSIMでは旅行のたびに1,000円、2,000円と購入費用が必要になることがありますが、海外データ放題の無料利用期間内で旅行が完結するなら、その追加購入費用を省けます。
ただし対象外プランだった場合や、無料利用可能日数を超えて利用する場合は別の料金体系が適用される可能性があるため、渡航前にMy SoftBankで自分の対象日数を確認することが重要です。
無料で使える日数は料金プランによって違う
海外データ放題には「1ヵ月」「5日」「3日」のタイプがあり、どれを利用できるかは国内で契約している料金プランによって決まります。2026年8月時点では、代表的な対象は次のようになっています。[参照:SoftBank 海外データ放題 対象プラン一覧]
| 料金プラン例 | 追加料金なしで利用できる期間 |
|---|---|
| ペイトク2 | 1カ月 |
| テイガク無制限 | 1カ月 |
| ミニフィット2 | 5日 |
| ペイトク無制限・50・30 | 5日 |
| メリハリ無制限+ | 5日 |
| ミニフィットプラン+ | 5日 |
| データプラン20GB・4GBなど | 3日 |
このため、例えば5泊6日の旅行で無料枠が5日しかない場合は、旅行期間すべてを無料でカバーできない可能性があります。逆に3泊4日程度の旅行なら5日枠で十分というケースもあります。
「1カ月使い放題」の対象なら海外eSIMが不要になる可能性が高い
ペイトク2やテイガク無制限を契約している場合、海外データ放題(1ヵ月)の対象となります。ソフトバンク公式では、1請求月あたり最大31日まで追加料金なしで利用できる仕組みとして案内しています。[参照:ソフトバンク「海外データ放題」の発表]
1週間や2週間程度の一般的な海外旅行であれば、日数をほとんど気にせず使えるため、海外用eSIMを別途購入する必要性はかなり低くなります。
普段使っている電話番号、LINE、各種アプリもそのまま利用できるため、旅行前に別SIMへ切り替える作業が面倒な人にとって大きなメリットがあります。
通信速度は現地の提携通信会社によって変わる
海外データ放題だからといって、海外でも日本国内のソフトバンク回線へ直接接続するわけではありません。渡航先ではソフトバンクが提携している現地通信事業者へ国際ローミングで接続します。
そのため実際の速度や電波状況は国・都市・建物・接続する通信会社によって異なります。都市中心部では5GやLTEで快適に通信できても、地方や地下、建物内部では速度が落ちる場合があります。
ソフトバンク公式では国・地域ごとに利用できる現地通信会社や5G・LTEなどの対応状況を公開しています。渡航前に目的地を検索しておくと安心です。[参照:ソフトバンク「海外サービスエリア・料金」]
YouTubeは見られる?動画視聴も可能
海外データ放題は通常のモバイルデータ通信として利用するため、渡航先の通信環境が十分であればYouTube、Netflix、Instagram、TikTok、Google Mapsなども利用できます。
ただし動画の快適さは現地ネットワークの混雑状況に左右されます。5Gまたは高速なLTEへ接続できていれば高画質動画でも再生しやすい一方、観光地やイベント会場など利用者が集中する場所では速度が落ちる可能性があります。
旅行中の地図検索、LINE、Web閲覧、SNS、一般的な動画視聴などであれば実用的なサービスですが、ホテルで数十GBの動画を連続ダウンロードするような使い方では速度制御条件も確認したほうがよいでしょう。
3日・5日タイプは24時間10GB超で速度制御の対象になる
海外データ放題(3日)または(5日)では、ソフトバンク公式に「24時間で10GB超の場合、通常利用に影響のない範囲で速度制御する場合がある」と案内されています。速度制御時は最大4.5Mbpsとされています。[参照:ソフトバンク公式「海外データ放題」]
10GBという容量は、地図やLINE、SNSを普通に使う程度ならかなり大きな容量です。一方、4K動画の長時間再生、大容量ゲームのダウンロード、PCへの大量テザリングなどを行えば到達する可能性があります。
なおソフトバンク公式では、この速度制御の開始時期について2027年春以降に別途案内するとしています。サービス条件は変更される可能性があるため、実際の渡航時には最新条件を確認してください。
1カ月タイプにも大量通信時の制御条件がある
海外データ放題(1ヵ月)では、直近30日間の国内外合計通信量が300GBを超えた場合、一定条件のもと最大4.5Mbpsへ速度制御する仕組みが案内されています。
また直近60日のうち35日以上を海外で利用した場合には、最大128kbpsへ速度を制御する条件も示されています。これは海外に長期間滞在し、実質的に海外回線として常用するケースを想定した制限と考えられます。
一般的な数日から数週間の旅行で通常利用する分には問題になりにくい条件ですが、長期滞在や大容量通信を予定している場合は注意が必要です。
テザリングも利用できる
海外データ放題はスマートフォン単体の通信だけでなく、テザリングにも対応しています。ソフトバンク公式も、海外でパソコンやタブレットをテザリング接続できることを特徴として案内しています。[参照:ソフトバンク公式]
例えば旅行先のホテルでノートPCを少し使いたい場合、スマートフォンをWi-Fiルーター代わりにできます。そのため別途レンタルWi-Fiを持ち歩く必要も減ります。
ただしPCのOSアップデートやクラウド同期は大量のデータを消費することがあります。海外テザリング中は自動アップデートを止めておくと安心です。
利用開始には現地で手続きが必要
海外データ放題は、日本で契約しているだけで渡航した瞬間から自動的にすべての通信が無料になるとは限りません。渡航先でデータローミングを有効にし、ソフトバンクから届くSMSを確認して専用Webサイトから利用開始手続きを行います。
ソフトバンク公式では、現地のモバイルネットワークへ接続した状態で、Wi-Fiをオフにして専用サイトへアクセスし、対象プランを選択する流れを案内しています。またVPNやiCloudプライベートリレーなどを利用している場合、開始手続き時には一時的にオフにする必要があります。[参照:ソフトバンク公式「海外データ放題 利用方法」]
渡航前には「世界対応ケータイ」や必要な海外サービスへの加入状態も確認しておきましょう。
海外eSIMとの違い
海外データ放題とtrifaなどの海外eSIMには、それぞれメリットがあります。
| 項目 | ソフトバンク海外データ放題 | 海外用eSIM |
|---|---|---|
| 追加料金 | 対象期間内ならなし | 通常は購入が必要 |
| SIM設定 | 普段のSoftBank SIMを使用 | eSIM追加設定が必要 |
| 日本の電話番号 | そのまま維持 | 主回線を残せば維持可能 |
| データ通信量 | 基本的に使い放題 | プランごとに数GB~無制限 |
| 利用日数 | 契約プランごとに3日・5日・1カ月 | 購入プラン次第 |
| 現地回線 | SoftBank提携事業者 | eSIM会社の提携事業者 |
| テザリング | 利用可能 | 商品によって異なる |
対象期間内に旅行が収まるのであれば、追加費用と設定の手間という点ではソフトバンクの海外データ放題がかなり有利です。
海外eSIMのほうが有利になるケースもある
一方、海外データ放題の無料枠が3日しかないのに10日間旅行する場合などは、残りの日数を海外eSIMで補ったほうが安い可能性があります。
また現地の特定キャリアの電波が強い地域で、そのキャリアを利用するeSIMを選びたい場合にも海外eSIMが有利です。海外データ放題ではソフトバンク指定の海外通信事業者へ優先的に接続され、利用者が自由にすべての事業者を選べない場合があります。
長期滞在では現地SIMや現地eSIMのほうが安く、現地電話番号も取得できることがあります。旅行期間と用途によって使い分けるのが合理的です。
アメリカ・ハワイなら「アメリカ放題」も確認したい
アメリカ本土やハワイなどへ旅行する場合、ソフトバンクには以前から「アメリカ放題」があります。対象地域ではデータ通信だけでなく、アメリカ国内および日本宛ての通話、SMSも追加料金なしで利用できます。[参照:ソフトバンク公式「アメリカ放題」]
海外データ放題では原則として海外での音声通話、SMS、国際SMSは対象外なので、この点は大きな違いです。
ハワイやアメリカ本土への旅行なら、海外eSIMを購入する前にアメリカ放題の対象条件を確認しておく価値があります。
海外での通話とSMSは基本的に別料金なので注意
海外データ放題という名称から「スマホの通信すべてが無料」と思いやすいのですが、通常の音声通話やSMSは原則として対象外です。ソフトバンク公式にも、海外で利用する音声通話、SMS、国際SMSは海外データ放題の対象外と明記されています。[参照:ソフトバンク料金プラン公式]
LINE通話、FaceTime Audio、WhatsAppなどインターネット回線を使用する通話はデータ通信として扱われるため、海外データ放題の通信を利用できます。
一方、通常の電話アプリから現地番号や日本へ電話をかける場合は国際ローミング通話料金が発生する可能性があるため注意してください。
現地到着後につながらない場合の確認ポイント
海外データ放題が対象なのにつながらない場合は、最初にスマートフォンの「データローミング」がオンになっているか確認します。日本では通常オフにしている人も多いため、渡航先で設定し忘れやすいポイントです。
次に、ソフトバンクから届くSMSから利用開始サイトへアクセスして手続きが完了しているか確認します。機内モードを一度オン・オフしたり、端末を再起動したりすると現地事業者へ再接続できる場合もあります。
それでも接続できない場合は、ソフトバンクが案内する対象通信事業者へネットワークを手動選択する方法があります。海外データ放題には24時間の電話サポートも用意されています。
出発前に確認しておきたいチェック項目
海外データ放題を使う予定なら、日本にいる間に次の項目を確認しておくと現地で慌てにくくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金プラン | 海外データ放題の対象か |
| 無料日数 | 3日・5日・1カ月のどれか |
| 渡航先 | 対象の国・地域か |
| 世界対応ケータイ | 加入状態を確認 |
| 端末 | 海外ローミング対応機種か |
| データローミング | 現地でオンにする |
| 通話 | データ放題対象外であることを確認 |
| 利用開始手続き | 現地到着後に専用サイトで行う |
特に無料日数を確認せず出発すると、旅行後半だけ対象外になる可能性があるため注意が必要です。
結局、trifaなどのeSIMとどちらを選ぶべき?
ソフトバンクの海外データ放題の無料利用期間内に旅行が収まり、渡航先も対象エリアなら、まず海外データ放題を利用するメリットが大きいでしょう。追加料金がかからず、SIMを追加する作業も必要なく、普段のスマートフォンをほぼそのまま利用できるためです。
例えば5日間の韓国旅行で自分の料金プランが「毎月5日間無料」の対象なら、データ通信だけを目的に海外eSIMを追加購入する必要性は低くなります。
一方、無料枠が3日なのに1週間以上滞在する場合や、現地で特定通信会社を利用したい場合、長期滞在する場合には、海外eSIMを併用または利用したほうが安くなる可能性があります。
まとめ|対象プランなら海外データ放題はかなり使いやすい選択肢
ソフトバンクの「海外データ放題」は、対象料金プランの利用者なら200以上の国・地域で、3日・5日または1カ月のデータ通信を追加料金なしで利用できるサービスです。普段のSIMをそのまま利用でき、テザリングにも対応しているため、従来の海外eSIMやレンタルWi-Fiより準備が簡単です。
YouTubeなどの動画サービスも通常のデータ通信として利用できます。ただし通信速度は渡航先の現地通信事業者や混雑状況によって変わり、3日・5日タイプでは大量通信時の速度制御条件も設定されています。また通常の海外通話やSMSは原則としてデータ放題の対象外です。
旅行期間が自分の無料利用日数に収まるなら、まずソフトバンクの海外データ放題を利用し、日数が足りない場合だけtrifaなどの海外eSIMを補助的に使う方法が合理的です。出発前にMy SoftBankで対象プラン・無料日数・渡航先を確認しておけば、現地で追加料金を心配せず使いやすくなります。


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