1997年に登場したInternet Explorer 4.0(IE4)を調べていると、「ニュースグループを読むソフトとしてOutlook Expressは付属していたのか」「IE3時代のInternet Mail and Newsとはどういう関係だったのか」という疑問が出てきます。結論から整理すると、IE4世代ではメールとニュースグループを扱うクライアントとしてOutlook Expressが提供されており、これは従来のMicrosoft Internet Mail and Newsの後継にあたります。
ただし、「IE4を入れれば必ずOutlook Expressもインストールされた」と一律に考えると少し不正確です。Windows向けIE4の配布にはブラウザのみ・Standard・Fullという複数の構成が用意され、ブラウザのみの構成も存在したためです。
この記事では、Microsoftが1997年当時に発表した資料をもとに、IE4とOutlook Express、Internet Mail and News、ニュースグループの関係を整理します。
- IE4にはOutlook Expressが用意されていた
- ただし「IE4に必ず標準インストール」と表現する場合は注意
- Outlook Expressの前身がInternet Mail and News
- 「Internet Newsだけ」がOutlook Expressになったわけではない
- Outlook Expressでニュースグループを読むことができた
- IE4 StandardとFullの違いを整理
- Windows 98ではIE4とOutlook Express 4がOS側にも組み込まれた
- Macintosh版やWindows 3.1版のIE4にもOutlook Expressが展開された
- Microsoft OutlookとOutlook Expressは別のソフト
- まとめ:IE4世代ではOutlook Expressがニュースグループ機能を担当していた
IE4にはOutlook Expressが用意されていた
Microsoftは1997年4月にInternet Explorer 4.0を発表した際、新しい「Outlook Express」が高度な電子メール・ニュース機能を提供すると説明しています。つまり、Outlook Expressは後年になってIE4へ追加されたものではなく、IE4世代のコミュニケーション機能として登場したソフトウェアです。[参照] MicrosoftによるIE4発表
さらに1997年7月のIE4 Preview 2発表では、MicrosoftはOutlook Expressについて「e-mail and newsgroups」を扱えるクライアントとして紹介しています。当時インターネット上で利用されていたニュースグループを読むニュースリーダーとしての機能も、Outlook Expressに統合されていました。[参照] Microsoft IE4 Preview 2発表
したがって「IE4の時代に、ニュースグループを読むためのOutlook Expressがあったのか」という点については、あったと考えて問題ありません。
ただし「IE4に必ず標準インストール」と表現する場合は注意
IE4とOutlook Expressの関係で重要なのが、当時のInternet Explorer 4.0には複数のダウンロード構成が存在したことです。Microsoftが1997年10月に正式版の提供を発表した資料では、「Browser only」「Standard」「Full」の3種類が案内されています。[参照] Microsoft IE4正式版発表
このうちBrowser onlyはブラウザ中心の構成で、StandardにはInternet Explorer本体に加えてOutlook Expressの電子メールクライアントとマルチメディア機能が含まれていました。FullではStandardの内容に加えてNetMeeting、NetShow、FrontPage Express、Microsoft Chat 2.0、Web Publishing Wizardなどが追加されました。
つまり「IE4にはOutlook Expressが付属していた」という説明は正しい一方、より厳密には、IE4のStandardやFullなどのパッケージにOutlook Expressが含まれており、ブラウザのみを選択する構成も存在したと説明するのが適切です。
Outlook Expressの前身がInternet Mail and News
IE4以前には「Microsoft Internet Mail and News」というメール・ニュースクライアントが存在しました。IE4世代で、このソフトウェアがOutlook Expressへと発展・改称されました。
Microsoft自身も1997年7月のIE4 Preview 2の発表で、Outlook Expressを「its predecessor, Microsoft Internet Mail and News」と説明しています。つまりMicrosoft公式資料でも、Internet Mail and NewsをOutlook Expressの前身として明確に位置付けています。[参照] Microsoft公式資料
名称の流れを簡単に整理すると、IE3世代:Microsoft Internet Mail and News → IE4世代:Outlook Expressと理解すると分かりやすいでしょう。
「Internet Newsだけ」がOutlook Expressになったわけではない
古いソフトウェアの記憶では「Internet News」という名称だけが印象に残っていることがありますが、Outlook Expressは単純なニュースリーダーではありません。メールとニュースグループの両方を扱う統合型クライアントでした。
MicrosoftはIE4 Preview 2について、Outlook Expressが電子メールとニュースグループを使いやすく管理しやすくすると説明しています。また前身のInternet Mail and Newsより機能を増やし、HTMLメール、Inbox Rules、インターネット標準への対応などを特徴として挙げています。
そのため「旧Internet NewsがOutlook Expressになった」という説明でも大まかなイメージは伝わりますが、歴史的にはMicrosoft Internet Mail and Newsというメール+ニュースクライアントの後継がOutlook Expressと整理する方が正確です。
Outlook Expressでニュースグループを読むことができた
Outlook Expressは電子メールソフトとして有名ですが、初期バージョンにはニュースリーダー機能も備わっていました。当時の「ニュース」とは現在のニュースサイトの記事を読む機能ではなく、主としてUsenetなどのニュースグループをNNTP経由で購読・閲覧・投稿する機能を意味します。
例えば利用しているインターネットサービスプロバイダーなどからNNTPニュースサーバーの情報が提供されていれば、そのサーバーをOutlook Expressへ登録し、購読したいニュースグループを選択してメッセージを読む、といった使い方ができました。
Microsoftが1997年10月に発売した「Internet Explorer Plus」の説明でも、Outlook Expressについて「e-mail and newsgroup reading」のためのソフトとして紹介されています。[参照] Microsoft Internet Explorer Plus発表
IE4 StandardとFullの違いを整理
1997年のWindows向けIE4配布形態を整理すると、Outlook Expressの位置付けがさらに分かりやすくなります。
| IE4の構成 | 主な内容 | Outlook Express |
|---|---|---|
| Browser only | Internet Explorerブラウザを中心とする最小構成 | Standardのような付属構成ではない |
| Standard | IE4+Outlook Express+マルチメディア機能 | 含まれる |
| Full | Standard+NetMeeting、NetShow、FrontPage Express、Chatなど | 含まれる |
この区別があるため、古いPCを再現するときなどに「IE4をインストールしたのにOutlook Expressがない」という状態が理論上あり得ます。どの配布パッケージ・インストール構成を使ったのかまで確認する必要があります。
逆に、当時一般的なIE4のStandardまたはFull構成を想定しているのであれば、Outlook ExpressをIE4に付属するメール・ニュースクライアントとして扱って差し支えありません。
Windows 98ではIE4とOutlook Express 4がOS側にも組み込まれた
IE4の歴史を調べる際には、単体配布されたIE4とWindows 98に含まれた環境を区別することも重要です。IE4は1997年に登場し、その後1998年に発売されたWindows 98にもInternet Explorer 4系の技術が組み込まれました。
Outlook Express 4もWindows 98世代で標準的なメール・ニュースクライアントとして広く知られるようになりました。このため「昔のWindowsに最初からOutlook Expressが入っていた」という記憶と、「IE4のパッケージにOutlook Expressが含まれていた」という話が混同されることがあります。
歴史を正確に追う場合は、1997年のIE4単体配布と、1998年のWindows 98に組み込まれたIE4/Outlook Express環境は別の話として整理すると混乱しにくくなります。
Macintosh版やWindows 3.1版のIE4にもOutlook Expressが展開された
Outlook ExpressはWindows 95だけの機能ではありません。Microsoftは1998年1月、Macintosh向けInternet Explorer 4.0とOutlook Expressを発表し、Outlook Expressを新しい電子メールクライアント兼ニュースリーダーとして紹介しています。[参照] Microsoft Macintosh版IE4発表
同じ1998年1月にはWindows 3.1およびWindows NT 3.51向けにもInternet Explorer 4.0とOutlook Expressが提供されました。[参照] Microsoft Windows 3.1版IE4発表
そのため「IE4+Outlook Express」という組み合わせはWindows 95だけの特殊なものではなく、当時Microsoftが複数プラットフォームへ展開していたInternet Explorer 4世代のコミュニケーション環境として捉えることができます。
Microsoft OutlookとOutlook Expressは別のソフト
名称が似ているため、もう一つ注意したいのが「Microsoft Outlook」と「Outlook Express」の違いです。この2つは同じソフトの通常版・簡易版という単純な関係ではありません。
IE4に関連して提供されたのはOutlook Expressです。電子メールとインターネットニュースを手軽に利用するクライアントとして位置付けられていました。一方のMicrosoft Outlookは、Officeなどで提供された電子メール、予定表、連絡先などを扱う個人情報管理ソフトです。
1990年代後半の資料を調べる際に「Outlook」とだけ書くと両者を混同しやすいため、ニュースグループとの関係を説明するときは「Outlook Express 4」と明記した方が正確です。
まとめ:IE4世代ではOutlook Expressがニュースグループ機能を担当していた
Internet Explorer 4.0の時代には、電子メールとニュースグループを扱うクライアントとしてOutlook Expressが提供されていました。Microsoftの1997年当時の公式資料でも、Outlook Expressがメールとニュースグループを扱うこと、前身がMicrosoft Internet Mail and Newsだったことを確認できます。
したがって、「IE4にはニュースグループを読むためのOutlook Express(旧Internet Mail and News)が付属していたのか」という疑問には、基本的には「はい」と答えられます。
ただし厳密には、Windows向けIE4にはBrowser only・Standard・Fullという配布構成があり、Outlook Expressを含むことが明記されていたのはStandardと、それを包含するFullです。そのため「どのIE4パッケージでも無条件にOutlook Expressがインストールされた」とするより、「IE4の標準的なStandard/Full構成にはOutlook Expressが含まれ、ブラウザのみの構成も選択できた」と説明するのが最も正確です。
歴史的な流れとしては、IE3世代のMicrosoft Internet Mail and Newsから、IE4世代のOutlook Expressへ移行し、メール機能とニュースグループ機能を一つのクライアントで扱うようになった、と覚えておくと分かりやすいでしょう。


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