通常のインターネット接続では問題ないのに、VPNへ接続した途端に通信速度が大幅に低下する場合、VPN特有の通信処理やネットワーク設定が原因になっている可能性があります。
特にSonicWallなどのVPN装置を利用している環境では、暗号化処理、MTU設定、帯域制御、ファイアウォール設定など複数の要素が速度に影響します。この記事では、VPN接続時のみ速度が落ちる場合に確認すべきポイントと改善方法について解説します。
VPN接続時だけ速度が低下する主な原因
VPNは通常のインターネット通信とは異なり、送受信するデータを暗号化して専用のトンネルを経由させます。そのため、VPNを利用していない状態より通信処理が増加します。
特に速度低下が大きい場合は、利用しているVPN機器の処理能力や設定が通信量に追いついていない可能性があります。
例えば、通常時は100Mbps以上出ている回線でも、VPN接続後は暗号化処理や経路変更によって数十Mbps程度まで低下するケースがあります。
SonicWall VPNで確認したい設定項目
SonicWallを利用している場合、まずVPNトンネルやセキュリティ設定を確認することが重要です。
- 暗号化方式(AESなど)の設定
- VPNトンネルの帯域制限設定
- ファイアウォールルールによる制御
- IPSやウイルス対策など追加セキュリティ機能の負荷
- VPN接続数と装置のCPU使用率
例えば、SonicWall側で高度なセキュリティ検査を有効にしている場合、VPN通信のすべてを検査するため処理負荷が高まり、速度低下につながることがあります。
MTUサイズが原因でVPN速度が低下する場合
VPN環境ではMTU(Maximum Transmission Unit)の設定が適切でないことにより、通信速度が低下する場合があります。
VPNでは暗号化によってパケットサイズが大きくなるため、通常のインターネット回線と同じMTU値ではパケット分割が発生し、通信効率が悪化することがあります。
例えば、Webページ閲覧は問題ないものの、大容量ファイル転送やクラウド利用時だけ極端に遅くなる場合は、MTU設定が影響している可能性があります。
Windowsではコマンドプロンプトからpingによるパケットサイズ確認を行い、最適なMTU値を調査できます。
VPN速度低下時に確認するネットワーク経路
VPN接続後の通信は、VPNサーバーや拠点側ネットワークを経由するため、接続経路によって速度が変化します。
確認するポイントとして、VPN接続前と接続後で以下を比較すると原因を切り分けやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 回線速度 | VPN接続前後で速度測定を行う |
| 遅延時間 | Ping値を確認する |
| 経路 | VPN経由で遠回りしていないか確認する |
| 時間帯 | 利用者集中による混雑を確認する |
例えば、自宅から会社VPNへ接続している場合、VPN装置が設置されている会社側のインターネット回線がボトルネックになっていることもあります。
SonicWall装置の負荷を確認する
VPN利用者が増えたり、大容量通信が発生したりすると、SonicWall本体の処理能力が不足する場合があります。
管理画面からCPU使用率、メモリ使用量、VPN接続数などを確認し、装置側に負荷が集中していないか確認します。
例えば、複数人が同時にリモートワークでVPN接続し、さらにファイル共有やWeb会議を利用している場合、VPN装置が処理しきれず速度低下することがあります。
VPN速度を改善するための対策
原因を確認した後は、環境に合わせて以下のような改善策を検討できます。
- VPN暗号化方式を適切な設定へ変更する
- 不要なセキュリティ検査機能を見直す
- MTU値を調整する
- VPN装置のファームウェアを更新する
- 回線やVPN機器のスペックを見直す
また、VPN利用者が増えている場合は、単純な設定変更だけでは改善せず、SonicWallの機種変更や回線帯域の増強が必要になる場合もあります。
まとめ
VPN接続時だけ回線速度が急激に低下する場合、通常のインターネット回線ではなく、VPN特有の暗号化処理やネットワーク設定が原因になっている可能性があります。
SonicWall環境では、暗号化設定、MTU、セキュリティ機能、装置負荷、通信経路などを順番に確認することで原因を特定しやすくなります。
まずはVPN接続前後の速度比較やSonicWallの負荷確認を行い、設定変更で改善できる問題なのか、機器や回線性能の見直しが必要なのかを判断することが重要です。


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