ニコニコ動画とYouTube――かつて両者は日本国内で人気を二分するプラットフォームでした。本記事では、両者が“ほぼ互角”だった時期、その後YouTubeが優勢になったとされる年代を、公開データや報道をもとに整理してみます。
ニコニコ動画の全盛期:2007〜2011年ごろ
ニコニコ動画は2006年12月にサービス開始され、その後急速に成長を遂げました。2007年にはインターネット利用動向で動画共有サイトとして大きく拡大。2008年には「動画サイト利用者のうち、YouTubeとニコニコ動画の利用が共に47.4%」というデータも報告されています。([internet.watch.impress.co.jp](https://internet.watch.impress.co.jp/cda/special/2008/07/01/20105.html?utm_source=chatgpt.com))
このことから、少なくとも2007〜2008年ごろは、日本国内においてYouTubeとニコニコ動画の人気が拮抗、あるいはニコニコ動画が優勢だった可能性が高いといえます。
YouTubeが頭角を現し始めたタイミング
ただし、ニコニコ動画のピークから数年経つと、徐々に状況が変わっていきます。ニコニコ動画が“かつてほどの勢いを失いつつある”という指摘は少なくありません。たとえば、2020年代には「ニコニコ動画のアクティブユーザー数は全盛期の約半分に減少した」という報告もあります。([moneypost.jp](https://www.moneypost.jp/1237164?utm_source=chatgpt.com))
一方でYouTubeは、国内で広範なジャンルの動画を扱い、配信・ライブ・長尺・高画質動画なども揃えることで、より多様なユーザー層を取り込んできました。これは、YouTubeがニコニコ動画を上回る基盤を築いた背景とされます。([plusalphadigital.com](https://plusalphadigital.com/social-media-in-japan/?utm_source=chatgpt.com))
「拮抗期」はいつごろか:年代感でのまとめ
| 時期 | 状況 |
|---|---|
| 2007〜2008年ごろ | ニコニコ動画とYouTubeの利用者割合が互角。ニコ動の勢いあり。 |
| 2009〜2011年ごろ | ニコ動の登録者数やアクセス数は引き続き多く、一定の人気を維持。 |
| 2010年代中盤以降 | YouTubeが多様なコンテンツ/配信方式で優勢に。ニコ動の相対的な存在感は低下。 |
このように、「2007〜2011年ごろ」が両者が最も近い人気だった年代と考えられます。
なぜYouTubeが優勢になったか:構造的要因
一因は、ニコニコ動画が当初持っていた「コメントが動画上に流れる」「ユーザー投稿やMAD/MAD文化」「匿名性」「コミュニティ感」といった特色が、YouTubeでは再現しづらかったことです。これが、当時のインターネット文化では強みでした。([mdpi.com の研究](https://www.mdpi.com/2076-0752/7/3/42?utm_source=chatgpt.com))
しかし、YouTubeは動画のアップロードのしやすさ、高画質・長尺対応、ライブ配信、マルチデバイス対応など、プラットフォームとしての利便性と汎用性で圧倒的優位を獲得。これにより徐々にニコニコ動画のシェアを上回っていったと考えられます。
とはいえニコニコ動画の“今も残る強み”
たとえば、独自の創作文化、MAD動画や「弾幕文化」、コメントで盛り上がるライブ感などは、今なおニコニコ動画の特有の魅力です。YouTubeでは体験しにくい「視聴者との一体感」が今も根強く支持されています。([turn0search17](https://www.mdpi.com/2076-0752/7/3/42?utm_source=chatgpt.com))
そのため、「過去のような全盛期」ではないものの、特定の層――特に創作や匿名ユーザー、ニッチコンテンツを好む層――にとっては今も重要な選択肢であり続けています。
まとめ
総合すると、日本国内でニコニコ動画とYouTubeの人気が互角、あるいはニコ動が優勢だったのは主に2007〜2011年ごろと考えられます。その後、YouTubeが利用のしやすさや多様性で優位を確立し、徐々に主流となっていきました。
とはいえ、ニコニコ動画は独自文化を持つプラットフォームとしての存在感を今も保ち、両者は一概に「どちらが上」とは言い切れない、それぞれ異なるポジションを持っています。


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