なぜ Cloudflare の大規模障害時に YouTube が比較的“無傷”だったのか?インターネットインフラの仕組みから解説

YouTube

世界中のウェブサイトがダウンした中で、Cloudflareの障害時にYouTubeが比較的問題なく動いていたという声を聞くことがあります。なぜ同じインターネット上なのにサービスへの影響が異なるのでしょうか。この記事では、その鍵となる「インフラ構成」「CDN・自社配信網」「冗長化設計」などを解説します。

Cloudflareとは何か・今回の障害の概要

Cloudflareは世界中で使われるCDN(コンテンツ配信ネットワーク)・セキュリティサービス企業で、全ウェブサイトの約1割〜2割を支えると言われています。 [参照]([turn0search22])

2025年11月18日には、Cloudflareの構成ファイル変更が原因で同社ネットワークに障害が発生し、複数の有名サービスがアクセス不能になる事態が起きました。 [参参]([turn0news17])

YouTubeが“ほぼ影響を受けなかった”理由の一つ:自前ネットワークと冗長性

YouTubeを運営する Google LLC は、世界中にデータセンターと自社CDN/ネットワークを保有しており、多数のインターネット経路を直接管理しています。つまり、Cloudflareのネットワークを経由しないルートも豊富にあります。

この構成のおかげで、Cloudflareに依存する経路が障害を起こしても、YouTubeのトラフィックは代替経路でカバーされやすいという点が、一般サイトとの差を生んでいます。

サービスが影響を受けやすいパターン:依存CDN・プロキシネットワークのケース

一方で、Cloudflareのサービスを前面に採用しているサイトやアプリケーションは、Cloudflareネットワークの障害時にその影響をモロに受ける可能性があります。例えば、ログイン認証や静的ファイル配信をCloudflare依存としていた場合、障害発生時にアクセス不能になるケースがあります。 [参参]([turn0search12])

このため、同じ“ウェブサービス”でも「独自インフラを持つ大手」対「CDN依存の一般サイト」では、障害時の耐え方が大きく異なります。

実例:大手 vs 中小の障害時挙動の違い

2025年11月のCloudflare障害では、X(旧Twitter)や ChatGPT など多くのサービスにアクセス障害が報告されましたが、YouTubeの停止報告や影響件数は比較的少数でした。 [参参]([turn0news19])

これを、たとえば自社配信網を持たない中小ブログ・ECサイトが“CDNのみで外部配信”としていた場合、Cloudflareの障害とほぼ同時に「500エラー」などを返していました。こうした対比からも、インフラの“依存度”が回復力に影響することが分かります。 [参参]([turn0search4])

一般ユーザーとして知っておくべきポイント

・“Cloudflare経由かどうか”はURLのプロキシ設定やネットワーク経由情報から判断できます。例えば、レスポンスヘッダーに「cf‑cache‑status」「server: cloudflare」などがあるとCloudflare経由です。

・YouTubeなどの大規模サービスでも「無傷」というわけではなく、地域・キャッシュ状況により部分的に影響が出る可能性があります。

・ウェブサイト運営者視点では、EC・ブログ・情報サイトなど自社インフラを持たない場合、CDN/配信網の“冗長化”“バックアップ経路”を持つことが障害耐性を高める鍵になります。

まとめ

Cloudflareの大規模障害時にYouTubeが比較的継続運用できていたのは、Googleの自社CDN・配信網・多経路構成など「依存度を分散した仕組み」があったからです。逆に、Cloudflareなど特定サービスに依存していると、同サービスの障害がダイレクトな影響につながるリスクがあります。

インターネットインフラの視点から考えると、「どの経路・CDNを使っているか」「代替構成があるか」がサービス継続の大きなポイントです。今回の障害でその重要性が改めて浮き彫りになりました。

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