ネットワークセキュリティにおいて、Palo AltoのThreat Category分類は、攻撃の目的に基づいて脅威を整理・分析するために非常に有用です。本記事では、各カテゴリとその対応方法について詳しく解説し、SIEMツールを活用した効率的な脅威分析方法をご紹介します。
1. Palo Alto Threat Category分類とは?
Palo Alto NetworksのThreat Categoryは、攻撃や脅威を技術的な目的別に分類し、それに基づいてネットワークのセキュリティ対策を行うための枠組みです。これにより、迅速かつ的確な対策が可能になります。
以下は、Palo AltoのThreat Categoryとその概要です。
- dos – サービス妨害攻撃(DoS/DDoS):システムを停止または過負荷にさせる攻撃。Vulnerability系(DoS攻撃)
- exploit – 脆弱性を悪用した攻撃:脆弱性を突く攻撃。Vulnerability系
- code-execution – 任意コード実行攻撃:RCE(リモートコード実行)。Vulnerability系
- command-execution – OSコマンド実行:不正にOSコマンドを実行する攻撃。Malicious Behavior系(コマンド実行)
- xss – Cross-Site Scripting攻撃:Webページに悪意のあるスクリプトを挿入する攻撃。Web攻撃系
- phishing – 偽装サイトやメールを使った攻撃:詐欺や偽装サイトによる攻撃。Web攻撃系(低リスク)
2. 分類の活用方法
上記のThreat Categoryは、SIEMツール(例えば、SplunkやCortexなど)でグループ化することで、脅威を迅速に特定し、分析することができます。例えば、次のようなクエリを使って、特定のカテゴリの攻撃がどれくらい発生しているかを確認できます。
stats count by panw.panos.threat.category
これにより、ネットワーク上でどの種類の攻撃が最も頻繁に発生しているかを可視化でき、迅速な対応が可能になります。
3. 脅威の優先度と対応方法
次に、脅威を優先順位で対応する方法について説明します。以下は、各カテゴリの優先度を示した表です。
| カテゴリ | 想定される影響 | 対応優先度 |
|---|---|---|
| command-execution / code-execution | 攻撃者がリモート操作可能 | 高 |
| command-and-control / backdoor | 感染済みの可能性 | 高 |
| dos / exploit | システム停止・悪用 | 中 |
| xss / injection | Web経由の攻撃 | 中 |
| scan / phishing | 偵察・準備段階 | 低 |
このように、攻撃の種類に応じて対応の優先度を決定し、最も重要な脅威から優先的に対処することが重要です。
4. Excelでのデータ管理と分析
Excelを使って、Threat Categoryごとのデータをフィルタリングし、攻撃傾向を可視化することができます。また、「対応チーム」や「優先度」を追加して、管理業務を効率化することも可能です。
例えば、以下のように、Vulnerability系やSpyware系、Malicious Behavior系などの分類を基にレポートを作成できます。
category=dos → Vulnerability(DoS)系
5. まとめと最適化
Palo AltoのThreat Category分類は、セキュリティ攻撃を技術的な目的別に分類し、対応を迅速かつ的確に行うために非常に役立ちます。SIEMツールやExcelを活用して、脅威の可視化と優先度の設定を行い、より効率的にセキュリティ対応を行いましょう。


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