最近、SNSでよく見かける「昭和から平成初期の白黒やセピア調の写真は加工が無いのに美しい」「最近の子は加工ばかり」というコメントについて、考えてみました。この疑問を解決するためには、写真の「画質」と「加工」について理解を深めることが大切です。
1. 昭和・平成初期の写真と現代の写真の違い
昭和や平成初期の白黒・セピア調の写真は、確かに今よりも加工が少なかった時代ですが、画質に関しては粗いものでした。そのため、写真に写る人物の肌やディテールがぼやけ、どこか夢のような美しさが感じられました。この「ぼやけた美しさ」が当時の写真に独特の魅力を与えていたのです。
一方、現代の写真は非常に高画質で、毛穴やニキビ跡なども鮮明に写ります。このような高精細な画質では、肌の欠点が目立ちやすくなり、加工アプリを使って美肌効果や小顔効果を施すことが一般的です。
2. 画質が与える美しさの印象
高画質の写真は細部まで鮮明に映るため、肌の質感や表情がはっきりと写ります。しかし、加工がないままだと、その細部が逆に気になる場合もあります。反対に、粗い画質の写真では肌の不完全さがぼやけて、全体としての美しさが強調されます。
このため、昭和の写真が美しく感じられる理由は、画質の粗さによって肌や表情の欠点が目立たず、ナチュラルで優雅な印象が与えられるからです。
3. 加工文化の影響とルッキズムの関係
現代では、SNSの普及とともに加工アプリが簡単に使えるようになり、特にインフルエンサーやモデルなどは、理想的な容姿を追い求めることが多くなっています。このような加工文化がルッキズムを助長する一因となり、容姿に対する過剰な期待が生まれています。
この影響を受けて、自然な美しさや素肌の魅力が見過ごされがちですが、実際には素のままでも十分に魅力的なことに変わりはありません。
4. まとめ:美しさは時代を超える
結局のところ、時代による「美しさ」の基準は変わっていきますが、どの時代の写真もそれぞれに魅力的です。昭和や平成初期の写真に見られる自然な美しさと、現代の高画質・加工された美しさ、どちらも素晴らしいものです。大切なのは、自分自身の美しさをどう感じ、どう表現するかです。
昔の写真が美しいのは画質のせいだけではなく、その時代の文化や価値観にも深く関わっています。自分の時代を愛し、他の時代の美しさを尊重することが、真の美しさを理解する鍵なのです。
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