中国本土でSafariを使ってGoogle検索やYouTube再生ができた経験がある方に向け、その理由や背景を解説します。特に「アプリでは無理でもブラウザでは可能だった」理由を、技術的・時期的に丁寧に探ります。
Great Firewall(中国の検閲制度)の仕組み
中国では「Great Firewall」と呼ばれるインターネット検閲システムが導入され、Google、YouTube、Facebookなどの多くの海外サービスが遮断されています。これはIPやDNS、URLパケット内容を監視・制御する仕組みです :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
通常、Safariや他のブラウザ経由でもアクセスできません。しかし、その時期や環境によっては例外的につながることがあった可能性があります。
なぜアプリでは不可でもSafariでは可能だったのか?
一部のブラウザはプロキシやVPN機能を内蔵し、海外のサーバー経由でアクセスできるようになっていました。たとえば「Kuniao Browser(酷鳥ブラウザ)」は香港経由のプロキシを使ってGoogleやYouTubeにアクセスできたようですが、2019年には政府により遮断されています :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
Safari自体はVPN機能を持ちませんが、iOSのネットワーク設定や当時の構成プロファイル(企業用VPNや学校配布の構成)経由で一時的に海外経由接続が可能になっていた場合があります。
時期による遮断の乱れや一時的緩和の可能性
Great Firewallは技術的に厳密なシステムですが、導入当初や特定の時期には検閲の網が緩むこともありました。過去には、APECなどの国際会議時に一時的に制限が緩和され、国外ニュースサイトが一時的にアクセス可能だった事例もあります :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
そのため、ご質問の8年前頃、SafariからのみGoogle検索やYouTube視聴が可能だったのは、一過性の構成やテスト的環境による「例外的な接続」があった可能性も考えられます。
具体的な可能性の例
想定される状況 | 説明 |
---|---|
利用中のWi‑Fi/構成プロファイル | 企業や教育機関向けにVPN設定が事前に施された状態だった |
一時的な検閲の緩和 | 検閲対象リストが未整備の段階で海外サイトが一部通ってしまった |
特定ブラウザの透過的プロキシ | Safariは一部プロキシ設定が有効になっていた可能性がある |
まとめ:VPNなしで使えた理由は「例外的な環境」による可能性が高い
8年前の経験でVPNなしにSafariからGoogleやYouTubeが使えたのは、通常の中国国内の規制状況とは異なる例外的な環境か、一時的緩和、あるいは特殊な構成プロファイルの設定が関係していた可能性が高いです。
現在では中国本土でGoogleやYouTubeにアクセスするには、企業や旅行者向けの公式VPN提供か、検閲回避技術のあるブラウザ/ツールが必須となっています。
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