自宅でルーターとパソコンの距離が遠く、安定したネット環境を確保したいとき、中継機の利用か長いLANケーブルの直結かで迷う方は多いでしょう。本記事では、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。
有線接続（LANケーブル）のメリットと注意点
LANケーブルによる接続は、通信の安定性と速度の点で非常に優れています。特に、オンラインゲームや高画質動画の視聴、リモートワークでの安定した通信が必要な場合に最適です。
例えば、Cat6以上のLANケーブルであれば、最大1Gbpsの通信速度に対応しています。長さについても、一般的な家庭用なら20〜30m程度のLANケーブルでも遅延や速度低下はほぼ発生しません。100mを超えなければ基本的に問題ありません。
ただし、LANケーブルを家の中に配線する手間がある点や、ドアの下を通すなどの物理的な取り回しに工夫が必要です。
Wi-Fi中継機のメリットと限界
Wi-Fi中継機を使うことで、ルーターから離れた場所でも無線の電波を強化することができます。設置も簡単で、配線が不要なのが最大のメリットです。
しかし中継機は、親機（ルーター）と同じ帯域を使うため、通信速度が実質的に半分程度に落ちることが多いです。また、親機との距離や設置場所によっては、思うように電波が届かず、通信が不安定になるケースもあります。
速度と安定性を比較
| 接続方法 | 速度 | 安定性 | 手軽さ |
|---|---|---|---|
| LANケーブル | ◎（最大1Gbps） | ◎ | △（配線が必要） |
| Wi-Fi中継機 | △（速度低下の可能性） | △（干渉の影響を受けやすい） | ◎（設置が簡単） |
この比較からも分かるように、通信の品質を重視する場合はLANケーブルが有利です。利便性を優先するなら中継機も選択肢になります。
現実的な選び方のポイント
PCの用途が動画視聴・ウェブ閲覧程度であればWi-Fi中継機でも十分です。逆に、オンラインゲームや大容量のファイル転送を頻繁に行う場合は、LANケーブルを検討する方が無難です。
また、中継機の性能によっても結果は変わります。Wi-Fi 6対応中継機やメッシュWi-Fi環境にアップグレードすることで、無線でも十分な速度が得られる可能性もあります。
LANケーブルの速度低下の心配は？
LANケーブルは物理的な制約を受けにくいため、30〜50m程度なら通信速度への影響はほとんどありません。むしろ、無線の干渉や距離による電波減衰より安定しています。
ただし、安価で品質の悪いケーブルはノイズに弱く、通信トラブルの原因にもなるので、信頼できるメーカーのCat6以上の製品を選びましょう。
まとめ
通信の安定性と速度を重視するなら、LANケーブルによる有線接続が最もおすすめです。特に長さが50m以内であれば、速度低下の心配はほとんどありません。配線の手間を避けたい場合や、移動する端末ならWi-Fi中継機も選択肢になりますが、使用目的に応じて選ぶことが大切です。
コメント