Becky! Internet Mail 2(通称Becky!2)は、長年にわたって根強い人気を誇るWindows用メールクライアントです。その高いカスタマイズ性から、多くのユーザーが自分好みに環境を調整して利用しています。しかし、その一方で「起動時にフォルダが毎回勝手に展開されてしまう」といった、細かな表示に関する悩みを抱えるケースも少なくありません。本記事では、Becky!2の起動時のメールボックス表示状態をコントロールする方法について解説します。
起動時にフォルダが展開される現象の概要
Becky!2を起動した際、特定のメールボックスのフォルダ構造が自動的に展開されてしまうことがあります。たとえば、A・B・Cという3つのメールボックスが存在する場合、起動時にAとCの中のフォルダが自動で展開された状態で表示される現象です。
この挙動は一見すると「前回の状態を記憶していないように見える」ため、ユーザーにとっては意図しない動作として煩わしさを感じることがあります。
原因:Becky!2の仕様とキャッシュ保存の仕組み
Becky!2では、メールボックスの展開状態を完全には記憶していない仕様となっている場合があります。特定の条件下(例:高速起動設定が有効、または終了時の情報保存に失敗)では、フォルダの状態が保持されず、デフォルトの展開設定が適用されることがあります。
また、ウイルス対策ソフトなどがBecky!2の設定ファイルの書き換えを妨げている可能性や、Windowsのユーザーフォルダのアクセス権限設定によって、保存内容が反映されないケースも存在します。
対処法1:高速起動設定をオフにする
Becky!2には、起動時間を短縮するために「高速起動」の設定が存在しますが、これがオンになっていると、前回終了時の状態が正しく保存されない場合があります。
手順:
- Becky!2を起動
- メニューから「ツール」→「全般的な設定」
- 「高速起動を使用する」のチェックを外す
- OKを押して再起動
この設定を無効にすることで、起動時にフォルダの展開状態が保持されやすくなります。
対処法2:フォルダ状態を閉じてから終了する
意図しないフォルダ展開を防ぐもう一つの方法は、「Becky!2を終了する前に、不要なメールボックスの展開を手動で閉じてから終了する」ことです。
これは一見アナログな方法ですが、終了時の状態が保存される可能性を高める効果があります。特に定期的に表示がリセットされる場合、この方法で改善されることがあります。
対処法3:設定ファイルのアクセス確認
設定が保存されない場合、Windowsのアクセス権限の問題や外部ソフトの干渉を確認することも必要です。
チェック項目:
- ウイルス対策ソフトが「Becky!」の設定ファイルをロックしていないか
- 設定ファイル(通常は「%APPDATA%\RimArts\Becky!2」以下)のアクセス権が「読み取り専用」になっていないか
これらを確認し、適切に設定を調整することで、表示状態の保存が正常に行われるようになります。
補足:メールボックス毎の初期展開状態の仕様について
Becky!2では、メールボックスごとに「前回使用時の状態」や「フォルダの未読メール有無」に応じて展開状態を変更する仕様が存在します。未読メールがあると自動的に展開されるといった動作も含まれるため、すべてのメールボックスの挙動を完全に制御することは難しい側面もあります。
そのため、未読状態の管理も合わせて行うことで、より意図通りの表示が再現できる可能性があります。
まとめ
Becky!2の起動時に特定のメールボックスフォルダが自動的に展開される現象は、設定の保存仕様や外部環境の影響によるものです。「高速起動設定の解除」「終了前に手動で状態を調整する」「アクセス権の確認」といった対策を行うことで、より自分に合った表示状態を維持することが可能になります。
今後も快適なメール運用を続けるために、Becky!2の設定を見直してみるのはいかがでしょうか。
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