企業が外部クラウドサービスを利用する際に、セキュリティ審査が必要かどうかを判断することは、しばしば難しい問題です。特に、広義でSaaSに該当するサービスと、個別に審査が必要なサービスの区別がつきにくい場合があります。この記事では、クラウドサービスの定義と、どのようなサービスにセキュリティ審査が必要なのかを解説します。
クラウドサービスとは?
クラウドサービスは、インターネットを通じて提供されるサービスの総称です。これには、データの保存、アプリケーションの利用、コンピュータリソースの提供などが含まれます。クラウドサービスの典型的な例としては、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)があります。
SaaSは、クラウド上で提供されるソフトウェアを意味し、ユーザーはインターネット経由でこれを利用します。例えば、Google DocsやMicrosoft 365がSaaSに該当します。
セキュリティ審査が必要なサービスとは?
セキュリティ審査が必要なクラウドサービスは、主に機密データを扱うサービスや、データが第三者に渡る可能性があるサービスです。例えば、ユーザーの個人情報や企業の機密情報を保存、処理、または送信するサービスは、セキュリティリスクが伴うため、審査を行うことが重要です。
具体的には、顧客情報や取引履歴、機密文書を取り扱うオンラインストレージやCRM、会計ソフトウェアなどが該当します。これらのサービスには、ユーザーデータの暗号化やアクセス制限、認証機能などが必要となります。
アカウント情報の送信とクラウドサービスの区別
アカウント情報だけを送信するものと、機密データを送信して処理を行うものには違いがあります。アカウント情報のみを送信する場合、一般的にはセキュリティリスクは低いとされますが、依然として慎重な取り扱いが求められます。
一方で、ツール内で機密データを処理するサービス(例:オンラインバンキング、会計ソフト、顧客管理システムなど)は、クラウドサービスとしてのセキュリティ審査が必要です。これらのサービスでは、データが外部サーバーに保存され、アクセスされるため、セキュリティ対策が特に重要です。
具体例:Amazonやマイページサービスはセキュリティ審査が必要か?
例えば、Amazonのショッピングサイトやインターネットの料金確認のマイページサービスは、ユーザーのアカウント情報を管理していますが、機密性が高いデータを扱うわけではないため、クラウドサービスの中でも比較的審査が不要な場合があります。しかし、これらのサービスでも一定のセキュリティ対策は施されているため、完全にセキュリティ審査を行わないわけではありません。
その一方で、オンラインストレージや会計ツール、CRMなどのサービスでは、より高いレベルのセキュリティ審査が求められることが一般的です。
まとめ
クラウドサービスのセキュリティ審査が必要かどうかを判断するためには、そのサービスがどのようなデータを扱っているか、どの程度のセキュリティ対策が必要かを理解することが大切です。アカウント情報を送信するだけのサービスと、機密データを処理するサービスの違いを把握し、適切な審査基準を設けることが重要です。
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