インターネット回線の高速化が進む中、1Gbpsから10Gbpsへの変更を検討している方も増えています。しかし、現在使用しているルーターが10Gbpsに対応していない場合、その恩恵を十分に受けられるのか疑問に思うこともあるでしょう。今回は、TP-LINKのArcher AX1800を使用しながら10Gbps回線を契約する価値があるのかを詳しく解説します。
Archer AX1800のスペックと10Gbps回線の関係
Archer AX1800は、WiFi 6(IEEE 802.11ax)に対応しており、最大速度は以下の通りです。
- 5GHz帯:最大1201Mbps
- 2.4GHz帯:最大574Mbps
- 合計:最大1.8Gbps
また、有線LANポートはギガビット(最大1Gbps)対応のため、10Gbps回線を導入しても、有線接続では最大1Gbpsの速度しか出せません。
10Gbps回線を導入するメリット・デメリット
メリット
- 将来的に10Gbps対応機器に買い替えた際に速度の恩恵を受けられる
- プロバイダーや回線の混雑時でも安定した速度を確保しやすい
- 複数のデバイスが同時に接続しても高速な通信を維持しやすい
デメリット
- Archer AX1800では最大1Gbpsまでしか活用できない
- 10Gbpsの恩恵を受けるにはルーターやLAN環境のアップグレードが必要
- 回線費用が1Gbps回線よりも高くなる
10Gbps回線を活用するために必要な環境
もし10Gbps回線のメリットを最大限活かしたい場合は、以下のような機器のアップグレードが必要になります。
1. 10Gbps対応ルーターへの変更
現在のArcher AX1800は最大1Gbpsまでしか対応していないため、10Gbpsを活かすためには、10Gbps対応のルーターが必要です。例えば、以下のようなルーターが候補になります。
- ASUS RT-AX89X(10Gbps WAN/LANポート搭載)
- NETGEAR Nighthawk RAX120(10Gbpsマルチギガ対応)
- TP-LINK Archer AX11000(最大10Gbps WANポート搭載)
2. 10Gbps対応LANケーブル
有線接続で10Gbpsの速度を確保するには、CAT6a以上のLANケーブルが必要になります。
- CAT5e:最大1Gbps対応(10Gbpsには不向き)
- CAT6:短距離(最大55m)なら10Gbps対応可能
- CAT6a/CAT7:安定して10Gbpsを利用可能
3. 10Gbps対応のパソコン・ネットワークカード
パソコンが1Gbpsまでしか対応していない場合、10Gbpsの速度を活用できません。そのため、10Gbps対応のLANカードやマザーボードを搭載したPCが必要になります。
- Intel X550-T2(10Gbps対応LANカード)
- ASUS ROG Maximusシリーズ(10Gbps対応マザーボード)
1Gbpsから10Gbpsへ変更するべきか?
現在の環境(Archer AX1800)で10Gbps回線を導入する場合、基本的には1Gbpsまでの速度しか享受できません。そのため、以下の点を考慮して判断するのが良いでしょう。
10Gbps回線にするべきケース
- 将来的に10Gbps対応のルーター・PCに買い替える予定がある
- 家族で多くのデバイスを同時に接続して使う
- 現在の1Gbps回線が混雑していて安定しない
1Gbpsのままで良いケース
- 現在のルーターやPC環境で十分な速度が出ている
- 10Gbps対応の機器を導入する予定がない
- 費用対効果を考えると1Gbpsで十分
まとめ
Archer AX1800を使用したまま10Gbps回線に契約することは可能ですが、ルーター自体が最大1Gbpsまでしか対応していないため、回線の速度を最大限活かすことはできません。
しかし、以下のような場合には10Gbps回線の導入を検討しても良いでしょう。
- 将来的に10Gbps対応ルーターやPCを導入する予定がある
- ネットワークの混雑を避け、安定した通信環境を求めている
- 家庭内の複数デバイスが同時に大容量通信を行う
逆に、現在の環境で十分な速度が出ている場合は、1Gbps回線を維持し、機器のアップグレード後に10Gbpsへ移行するのも賢い選択肢です。
最適な選択をするために、現在のネットワーク環境と今後のアップグレード計画を考慮し、導入を検討してみてください。
コメント